前の日記(これ ←クリック)にUSD/JPYが陰転しても良い場所だと書きまして、その通り動いてきたらびっくりした方がいらっしゃるようで、どうして陰転する前にそれがわかるのかという質問を頂きました。
この場所。USD/JPYの日足。
オシレータを使い慣れている者からするとこの程度の読みはできるはずなんですね。ただ使うオシレータによっては、またパラメータによっては難しい。私はこのブログに何度も書いていますがMoneyFlowIndexはどうしても必要だと。このMFIでそれを読んでいます。パラメータは5。
上の図で赤のXが出ているバーがありますが、あれはストキャス(5,3,2)で表示させています。これは実際に陰転して初めてサインが出ますのでどうしても一本遅れてしまう。じゃぁ、どうしてMFIでは陰転を確かめないのかと思うでしょうが、これは経験としか言い様がありません。毎日毎日これを見続けているとどういうときにどんな動きをするかわかるんですね。で、それなりの読みをしたということでしかありません。で、それがたまたま当たっただけ。また反転どころはわかってもそれがその後どのくらい続くかはまるでわかりません(だからこそ出撃は動きが長く続く傾向があるトレンド方向を狙うんですね)。
また反転時にはいつもこういう形になるかというとそんなことはありませんし、ではピークボトムに達したらすぐに反転するかということもない。いつでもこれを単純に読めばどうにかなるということはありえません。ただ他のオシレータでこれほど読みやすいものは私は知りません。
ストキャスも好きなオシレータですが、ストキャスを敏感なパラメータにするとピークやボトムではギザギザフラフラするだけでどこがピークかボトムかはわからないんですね。じゃぁ使い道が無いのかというとそんなこともなくて、だからこそあのインジケータの欄にはストキャス、MFI、QQE、T3-Trixの4種類を重ねているわけです。それぞれ似た動きをしますが微妙に違うのが良くて、それぞれを見て総合判断します。
4時間足も同じです。結局あの日記を書いた後、バーが確定してストキャスはサインを出していますが、そうなるであろうことはバーが確定しなくても想像はできるわけです。またダイバージェンスがはっきり出ていましたから、トレンドが変わる(大きく反対方向へ動く)可能性アリと読みます。
ここで一つ初心者が勘違いすることの多い点を書いておきます。
オシレータを見るときにほとんどの人が「買われすぎ」「売られすぎ」という見方をしますよね?そしてそう見るものだと信じ込んでいる。
ま、「買われすぎ」「売られすぎ」には間違いが無いしても、だからどうするべきなんです?
ここが非常に重要だと思うんです。「買われすぎ」と考えたら、ではその内下がるだろうと考えますよね?「売られすぎ」はその逆。だから80のラインを割って来たら・・・なんて考えるのでしょうが、私はこれは大きな勘違いだと思っています。そしてそういう風に書いてある教本がほとんどなので、これは罪作りだなと。レンジ相場ならそれでもどうにかなりますが。
「買われすぎ」ということは、そこに行くほど買いの力が強いってことですよね?ということは?
もっと続く可能性が高いと考えるほうが妥当なわけです。決して売りから入ることを考えるべきところじゃないわけです。
これがまるでわかっていなくて、なおかつ「反転をとらえたい」という異常なほどに強い願望を誰しもが持ちますから、「買われすぎ」となると「売ろう!」と思っちゃうのね。これをやっている限り、勝ったり負けたりが延々続きます。トレンドに入ったら負け続ける。でも反転を当てたときの気持ちよさって凄いものがありますから、いつまで経ってもそういう使い方から抜けられなくなる。
でも実際にストキャスが出すそのサイン通りに動くこと「も」ある。それが上のチャートにも出ている赤や緑のX印の場所。そこが「目先」の天底であるケースは結構ある。
つまりこれをどう使うかというと、反転を狙った出撃サインとして見るのではなくて、ポジションがあったら「目先」の天井でとりあえず撤退しても良いんじゃないかという風に使うのが正解。で、トレンドが続くようなら次の陽転で再度出撃すれば良いだけのことなんですから。ですからのこのサインも出撃の↑↓のサインじゃなくて、ここで止まりを意味するXにしています。偉そうに言う私もここで出撃(逆張り)したくなりますから。(笑)
わかりますかね?ピークやボトムのストキャスの反転は出撃サインに使うべきじゃないってこと。(それで勝てるのはたまたま動きとパラメータが合ったときだけ)
出撃するためのサインはそれではないという証拠を示します。
チャートを良く見てください。赤や緑のXが出ているところはストキャスのピークボトムからの反転です(80、20)。ところがですね、トレンドに乗って押し目買い、戻り売りをするのが順張りの基本とするならば、本来ストキャスが出撃サインを出すべきところはどこであるのか?是非、探してみてください。
6,3,3という短いパラメータなのに出撃サインは全くと言って良いほど出していないでしょ?押し目買い戻り売りのポイントが4時間足のチャートで7-8箇所ありますが、そこでストキャスが出撃サインを出しているのはたまたま大きく動いた1箇所だけです。
なぜ?
それは80、20のラインに拘るからです。
本来上昇トレンドだとした場合、そこでの押し目は深いですか?深かったらもしかしたらトレンドが変わるかもしれないと読むわけですよね?では押しが浅かったら?ストキャスは売られすぎゾーンまで下がらないって事なんですね。だからそこから陽転しても押し目買いの出撃サインは出ない。つまり教科書通りに待っていたらいつになっても押し目買い、戻り売りの出撃なんてできないことを意味します。
でも押し目買いならここで買えというサインは出ているわけですよ。20のラインより上で。(でもこれをサインとして表示させると関係ない場所の小さな反転もプロットしてしまいチャートがぐちゃぐちゃになるので表示はさせませんが、このチャートの全ての機能で一番大事なのがその転換点を見ること)
つまり教科書通りに信じ込んで80だ20だ、あるいはゼロラインがどうのとそれに拘ることがいかに馬鹿げていて実戦向けじゃないというのがわかると思います。
ただストキャスの浅い場所での反転は見づらいんですね。だから見やすいインジケータの補助が必要ということ。そういうときにも力を発揮するのがMoneyFlowIndexです。
ただこれらのインジケータは敏感ですから、早とちりをすることが結構あります。そういう時に、もうちょっと待ってみろと言うのがQQEなんです。QQEもダイバージェンスを出すことがありますが、ストキャスやMFIに比べると値動きに対して素直で、高値は高値、安値は安値で表示することがほとんど。ですから上げでも下げでも力が強いと思ったら、まずストキャスがサインを出しますがそれは見送り、次にMFIがサインを出してきますがここが悩みどころ。でも強いと思えばそれも見逃してQQEがサインを出すまで我慢すると良い結果が出ます。なれない内はMFIとおりに動いても問題ないし、それ以上に動いたら「頭と尻尾はくれてやる」と思えばOK。(笑)
おわかりになりますでしょうか。多くの方はオシレータを全く逆の使い方をしているってことです。
「買われ過ぎはもっと上がる」「売られすぎはもっと下がる」と決めてしまうほうが良い結果が出るかもしれません。オシレータを使うべきところはそういう買われすぎゾーン、売られすぎゾーンではないところの反転であるということ。チャートを見ればすぐにそれがわかるはずなんですが、教科書や皆が言うことと違うことをするのは間違えていると信じ込んでいる人がほとんどなのでしょう。
で、「買われすぎゾーン」「売られすぎゾーン」でオシレータの動きを見るのは、出撃じゃなくて撤退のために見ると考えてみてください。今までと逆でしょ?そういう風に見ると今までと全く違う世界が見えてくるはずです。
是非一度、常識を頭から消して、チャートを見つめてチャートが何を訴えているのかよーく考えてみたら良いと思います。教科書に書いてあることは初歩の初歩で、実戦では例外の方が多いのですから、いつまでも初歩の頭のままでいるとうまくないと思います。
それとインジケータの選び方は非常に大事で、好き嫌い、慣れがあると思いますが、教科書に出てくるような普通のインジケータを教科書に出てくるように普通に使っていても勝てないと思います。また私はTrixとかBB_MACDを使っていますが、これもいろいろな派生種があって、どれもこれも同じではありません。
トレンドを捕まえるのがうまいタイプは小さな動きに全く対応できませんし、小さな動きに対応できるものは大きな動きは苦手。これはどう頑張っても相反することですから解決するのは無理だと思います。でもそれでも敏感でなおかつ中程度の動きは捕まえることが出来るインジケータを私は好んで使っています(こういうのはありそうでなかなか無い)。そして、超目先の動きはオシレータに任せるという方法。
もし使うインジケータに拘りがないのであるならば、是非、私と同じものを同じパラメータで使ってみてください。何年も何年も試行錯誤を繰り返す手間が省けるはず。(笑)