マレーシアで投資

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KLにいる間、やっぱり性なんでしょう、面白そうな投資は無いか、また何かここで成り立つ事業は無いか、そんなことばかり考えていました。

不動産投資に関してはやらないつもりとここには何度も書いていますが、興味が全く無いわけじゃなくて一体どんな状況なのか知りたいし、現地で自分が何を感じるか楽しみにしていました。

結論から書けば、やっぱり自分にはマレーシアにおける不動産投資は合わないということなのですが、その理由はいつも書いている通りでそれを今回確認したと言っても良いと思います。

確かに不動産の動きは凄いもののやっぱり私にはバブルにしか見えません。というかどこまでが演出されたバブルでどこまでが本物需要なのかが私には見えないということ。まぁ、当たり前といえば当たり前で、旅行者にでもそれが簡単にわかるようなら苦労する人はいませんね。

一言で書けば、今のブームは実需に裏づけされていないと感じるんです。また不動産投資するのであれば実需に裏づけされた物件を買う必要があるだろうということ。でもま、不動産も相場物とするならば、動いているものに飛び乗ればOKで、動いている理由なんかどうでも良いわけです。でもいつ乗って、いつ降りるか、その辺の見極めが難しくなるわけで、買って数年置いておけば儲かるとかそういう話じゃないと思っています。これは当地ゴールドコーストでも同じ。

では実需はと見てみると、この辺が日本、それも東京しか知らない私には良くわからないことばかりで、東京はなんと言ってももう広がりがないわけですよ。麻布が良いとなれば麻布が良いわけで、他に麻布の様な場所がどんどんできるわけじゃない。一般住宅も同じで、需要があるからどんどん開発しようにもそんな土地はもう無い。そういう中で不動産価格が上昇していくのは当たり前だと考えますが、クアラルンプールの様な広い場所がいくらでもあって、どんどん開発の手が伸びていく中で、どうして既存の不動産がそんなに調子よく値上がりするのかが私にはさっぱり理解できないんです。

新しい物件は内容も良くなって販売価格も高いでしょうから、それに吊られて既存物件も値上がりするということはあるのでしょう。また古い宅地の周辺が再開発されて新しい街づくりが始まればそりゃ当然、古い宅地の値も上がる。

しかしクアラルンプールの様にどんどん広く広がって新しい町が出来、新しくショッピングモールが出来、それに付随してコンドや住宅がどんどん建てられていて、それはまだまだ余裕があって開発しようと思えばいくらでも土地がある状態。そういう供給に問題があるような、あるいは頭打ちになるような気配がまるで無いのに、それを上回る需要があるほど住宅ブームなのか?

巷では儲けた話がちらほら聞こえてきますが、ここにも何度も書いているように、私がウォッチングしている物件は数年で2倍3倍なんてことは全く無く、横ばいが続いています。ま、見る物件が違うのでしょうが、儲けた話ばかりが一人歩きしている感じが無くはない。ま、不動産って株と同じで右肩上がりで値が上がり続けていると全ての人が幸せになりますから、その傾向は大げさに扱われるんじゃないかと思っています。私が5年間ウォッチングしている物件なんて、早く買わないと損だ、みたいな感じは全くありません。

私が値を見ているのはこのブログでも何度も話題にしている Propwall です。

Propwall ← クリック

たとえばKLCCのど真ん中にあるMarc Service Residenceですが、ここは投資物件としても注目されていますし、住む場所としても非常に人気の高いところですよね。日本人のみならず各国からのExpatsにも人気がある。そのページを見てみますと、近年の価格のBid&Askが載っています。売値と買値の平米単位の推移です。

このページ ←クリック

この数値の信憑性がどれほどのものかわかりませんが、私が手に入れられるデータはこれしかないのでこれを基本に考えていますが、このデータを見てもこの8,9年で2倍にはなっているものの、数年で何倍とかそんな値上がりでは無いのがわかります。

このPropwallにはありとあらゆるコンドや一軒家の情報が出ていますので気になる物件の値動きを見てみたら良いとおもいますが、数年で数倍なんて話は一体どこからでてきたのか?と思うはずです。

ただ実際に値上がりの凄いコンドがあるのも確か。またそういう地域があるのも確か。ただ残念ながらそういうコンドは私から見ると魅力の無いコンド、地域であることが多い。

私がマレーシアでの不動産投資はやらないというのは実はここなんです。投資を中心に考えた場合、値上がり期待とか賃貸に出したときの稼動率、利回りを最重要視するのが当たり前で、自分が気に入ったとか気に入らないとかは全く関係ないですよね。自分が借りるんじゃないんですから。

これってある意味、うまくないんですよね。借り手がいなければ、じゃぁ自分で住もうかとか、いつか歳を取ったらここに住んでも良いねか、そういう逃げ道が一切無いってことになりますから。投資としてうまく動かなければ投げるしかないわけです。持っていても意味が無い。

じゃぁ、自分が住みたいようなコンド、家を見ると、現地の需要からすると高級すぎるのでしょう。不動産価格も高いし、そして上の図の様な価格推移を見るとほとんど動いていない。そして賃貸情報を見るとごっそり出ている。実際にそのコンドに行って見ると、夕方には電気もほとんどついていないゴーストタウンの様子。

ま、外人が好んで買うようなコンドってこういうのが多いと思います。これはゴールドコーストも同じで、現地の人たちが町のど真ん中のそして海にも近く見晴らしも最高のコンドミニアムなんかに住みませんから。住みたくても買えない。こういうコンドを買うのは、投資目的の外国人とか他都市の人たち。

じゃぁ、それを賃貸に出したら利回りはどうかというと、買うときには何%を何年保証なんていわれていてもそれが過ぎたら全く駄目で稼働率10%以下なんて例はいくらでもあるし(KLでもそういう例があるのをメールで教えてくれた方がいました)、その内、自分たちが来たときだけ使う別荘になってしまう。

KLでも全て売り切れというコンドなのに売り情報はごっそり。賃貸情報もごっそり。そして見に行ってみると人の気配がないようなところがありますよね。で、自分が欲しい、住みたいと思うようなところはそういうところであるというのが私のケースです。だから私の場合は「借りたほうが得」ということになります。賃貸料/不動産価格の割合が低いですから。逆を返せばこういうコンドを買っちゃったら大変なことになるってこと。KLCC辺りのコンドって多くがこのパターンじゃないでしょうか。モントキアラの高級物件もそうじゃないですか?

またショッピングセンターがあちこちにどんどん出来ていますが、キーテナントが出て行ってしまったとか、店が集まらないとか、そういうところもチラホラあるんじゃないでしょうか。こういうところに隣接したコンドを「便利でよいと思った」なんて買ってもうまくない。

また私が前から最高の場所だと思っているKLCCのK Residenceなんてツインタワーの隣、地下は繋がっている様なベストオブベストのロケーションなのにゴーストタウンと言われて何年もそのまんま。

K Residence  ← クリック

K Residenceの価格推移。

このコンド、モールは建設中からゴタゴタやっていたみたいですが、こういう場所もあるわけで、素人がパッと見て気に入ったとか気に入らないとかそういう選び方で投資を決めるなんてのはサイコロを転がして決めるのと全く同じレベルですよね。

では不動産屋が信用できるかって話ですが、まぁ日本人で不動産サービスを始めて頑張っている人もいますから悪いことは言いたくないのですが、手数料商売の限界というか特性を忘れちゃ駄目だと思うんです。もし、今、例に出したK Residensを買いたいのだけれどと話を持っていったとして、あそこはちょっとやめたほうが・・・と言うと思います?私が欲しいと言っているのに、それを私の立場に立つからこそ止めてくれる不動産屋がいるかどうか。

私だったらここは買いません!とか、どうしてもここを買いたいのなら仲介者として責任が取れないので他の不動産業者を通して買ってください!とまで言うかどうか。(笑)

これってK Residenceがそれほど酷いって意味じゃなくて、たとえ話ですからね。もし住んでいる人がこれを読んでも気を悪くなさらないでくださいね。出物があれば私も住んでみたいとおもっているくらいです。買う気はありませんが。

地元の人は誰でも知っている、業者なら当然知っている裏話もいろいろあるわけで、そんなことは全く知らない海外からのど素人が「買いたい」と言ったときにどういう態度を取るんでしょうね。

かと言って、この物件は自信を持ってお勧めしますとか、私も自分で買いましたとか、そういう物件だったらどう我々は感じるか。そりゃいいね、じゃ、買おうと思うのか、それとも裏があると勘ぐるのか。(笑)

その代表格が近年売れに売れている、あるいは話として目立つジョホールの物件。

ああ、そういえばジョホールバルのイスカンダルプロジェクトに関する見方で面白いのがありました。この著者って若いのに経験豊かで結構わかっているなというのを他の文章を読んでも感じました。

不動産投資の杜 ← クリック

マレーシア・ジョホールバルのイスカンダル計画と不動産のページ ← クリック

ま、そんな感じでマレーシアの不動産に飛びついても簡単にはいかないだろうと思いますし、逆にそれほど動きが良いのなら私は開発会社に投資したいと考えます。つまり不動産物件が製品だとすれば開発会社はメーカー。メーカーがドンドン、ガンガン製品を作り出して市場に供給しているのに、市場の買い気配は衰えることなくその供給を消化し、それどころか中古品までどんどん値上がりしている状態と同じでしょ?で、その製品を消費者が皆使っているかというと、いやいや買っておけば値上がりするぞと買っているだけで、実際にはその製品を貸し出そうとしても借りる人もいない(実需が無い)状態。

私はこれを投資とは呼びたくないわけで、投資をするならきっちり実需が見込める物件に注目するべきですよね。自分が気に入る気に入らないは別にして。その辺をきっちり考えて投資するならまだまだ面白いのかもしれないと思っています。

でも基本的に不動産投資は長期間に渡る投資なのに、自分の残された時間は短いということ。また、海外に不動産を買った経験がある人ならわかるはずですが、その海外に住むとか、しょっちゅう行ったり来たりするなら良いけれど、飽きたとか、もう行かないとかって普通に起きるんですね。そんな時に不動産があったりすると邪魔臭いお荷物以外のなにものでもなくなるんですね。で、私としては歳を取ったら身の回りのお荷物は減らして身軽に動けるようにするべきだと思っているし、いつも書いているように、不動産は空売りできない(値下がりで利益を出せない)ですから、また引っ剥がして持って移動することも出来ませんし、1日2日で現金化も出来ませんから、基本的に興味がないわけです。でももし私が30代、40代だったらまるで違う考え方をすると思います。借金をして(レバレッジを利かせて)不動産投資を生業とするのも面白いと思っています。

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