リスクリワードレシオはかなり重要で、テクニカル分析じゃなんじゃの前に、相場に向かうに当たって一番最初に覚えるべきことですよね。でもこのブログでこれに関して書いたことはほとんど無かったかも。って当たり前すぎて話題にすることもなかったのですが、どうも意外にこれの重要性が知られていないのかもしれないと思うことがあるので、今日はそれに関して。
いわゆる勝ち負けの比率ですが、金額でそれを計算するのがリスクリワードレシオ。勝率の親戚みたいなの。
勝負単発で考えてもトータルで考えても良いですが、
(勝った金額)÷(負けた金額)= リスクリワードレシオ
つまり、勝ちは10万。負けは5万とするとリスクリワードレシオは2となります。勝ちも負けも10万ならリスクリワードレシオは1。つまり1ならプラマイゼロ。1以上なら勝ち。1以下ならなら負け。
つまり、狙う利益が10万で、損切りが5万ならリスクリワードレシオは2で、このやり方で勝率が5割を確保できるならトータルでは絶対に、絶対にですよ、負けない。
勝率5割というのは運命の分かれ道(笑)みたいなもんで、相場の動きと言うのは上がるか下がるか(動かないか)の2つしかないと言って良いと思うんです。手数料やスプレッドは無視しても良い大きさとしての話ですが、サイコロを使おうが鉛筆を転がそうが、あるいはコインの裏表で決めようが、勝率は5割確保できるのが普通。これは誰がやっても同じ。
で、リスクリワードレシオですが、これの1の維持は簡単なわけです。1ということは勝ちも負けも同額。つまり、誰がやろうと本来相場ってT/PとL/Cを同額とすれば勝ちも負けもしないのが「普通」なんですね。
でも負けるのはなぜか?
まず一番大きな問題点は「損切りが出来ない」ってところだと思ってます。つまりリスクリワードレシオを考える場合、そして勝率は誰がやっても同じなはずの50%として、利益はすぐに確定して損失はどんどん大きくなるのを放置してしまうというやり方ではリスクリワードレシオは間違いなく1以下になりますよね。だから負ける。
ですから、まず利益より損失を小さくするのがポイント。
でもこれだけでは簡単にいかないわけです。例えば利益は10万、10PIPSでも良いですが、損失は5万、あるいは5PIPSだとします。そうすると勝率が変わってくるのが当たり前で、勝率50%確保が難しくなる。
テクニカル分析にしてもファンダメンタルズ分析でもこの勝率を上げるのが目的であると考えて良いのではないでしょうか。
でもファンダメンタルズで方向性を見るよりテクニカル分析のほうが簡単(だと私は思う)ですから、テクニカル分析をするとして、次に問題になるのが狙う値幅です。
極端な言い方をするとリスクリワードレシオを1以上に保てばよいのかと、ではUSD/JPYで利益は100PIPS、損は50PIPSと決めようとしても難しいですよね。100PIPSといえば1円ですからそう簡単には動かない。
でも目の前の値動きを見ていると10PIPS程度の山はいくらでもある。だったら利益は6PIPS、損失は3PIPSにしたらどうだろう?と考えるわけです。
で、勝率を上げ、負け勝負は3PIPS以内に逃げられるように頑張る。
これがスキャルの目指すものだと言って良いと思います。
実際には絶対に6PIPSの利益がないと利確しないとか、そんなこだわりを持つのは馬鹿げていて、その辺は値動きを見ながらということになる。当然、損切りも同じで、3PIPS下がらないうちは我慢するということではなくて、狙った方向へ動かなかったら速攻で逃げるのがスキャルの鉄則。
実際には3PIPSって結構すぐ動いてしまう値幅で、L/Cを設定するにしても値が小さすぎます。ですから狙う6PIPSと同等かそれ以上の大きさにすることが私の場合は多いですが、それはそれだけの負け、ドローダウンを容認するという意味ではなくて、不慮の事故(回線が切れたとか、なんらかの要因で大きく動くとか)から逃れるためであって、値動きによっては1PIPだろうが2PIPSだろうが思ったほうへ動かなかったらすぐに逃げないと、負けの平均としての3PIPSは確保できません。
説明がうまくなくて申し訳ないのですが、負ける人はこのリスクリワードレシオが1以下だからだと思って間違いがないと思いますし、それをどうにか1以上にすることを念頭においてやるべきだと思います。でも勝率が上がらないかもしれない。しかしそれは読み方、あるいは狙う値幅に問題があるのかもしれず、ドローダウンを大きくすれば勝率も上がるなんてバックテストをした結果を信じたら絶対に駄目なんですね。為替は戻ってくることが多いからそれでも良いのだというのなら、最初から分析なんかする必要も無いと思います。運を天に任せて好きなようにすればOK。
うーむ、本当に説明が下手糞だなぁ。
ここは非常に大事ですので、検索でもしてよーーく理解する必要があると思います。
とりあえずこれだけは忘れて欲しくないのは
○ 勝ち負けの値幅が一緒だとすれば
○ 値動きは上がるか下がるか(動かないか)の2つに1つで勝率の50%は確保できるのが普通だとすれば
[結論] 誰がやっても勝ちも負けもしない、ってこと。
ここが我々の立っているスタートラインだということは忘れないほうが良いと思います。
相場は負けるのが普通だと思ったら大間違い。
知らなかった~~~、って思う人も多いんじゃないでしょうか。(笑)
これって相場の初歩の初歩のもっと初歩ですからこれを知らずに相場に手を出すなんて、赤ん坊に拳銃を持たすのと同じことになります。
私がちょっと後悔していることがあります。このブログの読者なのですが、いつかメールでのやり取りの中で、その方が「そうそう、そうなんですよね。利確は10%でも確実にやって、損切りは20%なら20%と決めて絶対にその時には損切りしないと駄目なんですよね」というやり取りがありました。
私は「いや、そうじゃなくて・・」と話を進めるべきだったのですが、その方の盛り上がり様に押されてしまってそれ以降私は黙ってしまいました。今更ながら後悔しています。その方の出鼻をくじくことになってもこのリスクリワードレシオの話はしっかりするべきであったと思うのです。ごめんなさいね~。
このリスクリワードレシオを理解せずに先に進むのは非常に危険だと思います。でもこんな簡単なことさえ知ろうとせずに、なんだかFXでも株でも先物でも、どうにか自分にもできるような気がして、早くやりたくてやりたくてウズウズしてしまうんでしょう。その気持ちは良くわかります。
でもこれの理解が無い場合、勝つのは難しい。ましてや月、年単位、あるいは週でも日単位でも勝ち続けるのはもーーっと難しくなるはずです。そしていつかここに戻ってくるんですね。そして、ああ、これだったのか、と気が付く。それに1ヶ月で気が付く人もいれば10年掛かる人もいるし、またこの原点を理解することなく、「相場に手を出すやつはバカだ」「所詮ギャンブルだ」という言葉を残して去ることになるんだろうと思います。
よく巷で言う「損小利大」ってこのことなんですね。
ただ、前にも書きましたが、一発一発の勝負で損小利大を追求するべきだという論調の方が多いのも事実。私はこれは間違えていると思います。結果的に「損小利大」になれば良いのであって、目の前の値動きは小さいのに、20PIPSでも30PIPSでも取ろうと悩む人が多いのは滑稽に見えます。「利益は大きく」というのは間違いがありませんが、小魚しかいない釣堀でいるのかいないのかもわからない大物を狙う異常さに気が付かない人が多いのは本当に不思議だと思います。小魚を50匹吊り上げるほうが簡単で、理にかなっているということに気が付くべきです。
一回の勝負の勝ちはたった5PIPS、いや2PIPでも構わない。でも一日のトータルでは損小利大になるように持って行く。スキャルやデイトレはここが肝だと思います。そしてこれが出来ないと、ロットを大きくすることが出来ませんから、そこそこどうにか利益は出せるのだけれど、いつになっても小遣い稼ぎから脱皮できないということが起きます。
意味がわかりますかね?
相場に勝ち続きは有り得ない。でも1日トータルでは負けないという信念を持って、そしてそれが出来るような手法を確立させることが大事だと思います。一日の利益のトータルはたった20PIPSでも、あるいは10PIPSでも構わない。でも負けた日は一ヶ月に2日だけだという方向になれば自信が出来るでしょ?だからロットを大きくできるんですね。
そしてロットを大きくできるようにならないと、相場での資産形成なんて絶対に不可能だということ。
月単位で見て、勝ったり負けたりするような手法だったらやめたほうが良いと思います。時間の無駄。
あと余談として、勝率が50%以下でも勝てるんだというトレーダーも存在します。これは世界的にも有名なタートルズとか日本で言うとFAIでしょうか。つまり大きなトレンドを掴むのを目的としていて、当たれば大きいけれど小さな負けは結構あると言う手法。嫌味っぽく書いて申し訳ないのですが、FXや先物ではこの手を使うのは難しいと思います。これらの手法は株式には有効で(あることもある)、伸びる株の発掘と言うところに焦点を当てています。
これをどう考えているのかわかりませんが、先物の世界でも勝率が50%以下でも一向に構わないと言うトレーダー仲間が過去にいました。トレンドを掴めば良いのだというのですが、私としては「トレンドは後になってわかるもの」であって、事前にそれはわからない。これがわかるのであれば苦労は無いはずで、トレンドが来なかったら恐ろしいことになります。またこの手法では勝ったり負けたり(負けたりが多い)ので、上にも書いたようにロット数を大きくするなんて恐ろしくて出来ないんですね。だから私から言うと、申し訳ないですがこの考え方は絵に描いた餅を取りに行く手法としか思えないのです。
その点、私の考え方は非常にせこい考え方で、大きなトレンドが来ようが、トレンドにならないような動きだろうが、目の前では10PIPS程度の小波がどんどん来ているのだからその小波から利益を出そうと言う考え方です。で、もしその小波が大きくなれば、それはどんな大きなトレンドだとしてもそれは小波の連続であって一直線で動くことはほとんどありませんから、小波が続いているという考え方で何度も出撃すれば良いだけの事なんですね。
じゃぁ、トレンドは関係ないのかというとそういうことはなくて、前の日記に書きましたが、小さな波は上昇波で足5本、下降波で足5本なんてことが多いですよね。でもこれがトレンドの中の小波ですと、上昇波は9本で下降波(修正波)は足3本とか、値幅も出るんですね。あるいはもっと上昇波が続くケースもあるわけで、やっぱりトレンドの中の小波を取ったほうがはるかに効率が良いわけです。だからトレンド方向に乗るのは非常に大事ということ。