このブログに相場のことを書くようになってからいろんな方が連絡を取ってきました。
細かい部分の話から、私の手法をそのまま出来る様になりたいという人までいろいろ。
このブログも書くネタがないので、ネタになるようなこと、つまり多くの方にも意味があるような内容の場合は私も積極的になるのですが、私の手法を学びたいと言う方は基本的に断ってきました。というかマレーシアに行ってからマンツーマンで会って、できるようになるまで集中的にやりますからお待ちくださいと。
そんなことを言いつつ何年経ったのでしょうか。まだゴールドコーストでグズグズしています。
で、相場がらみで連絡を取ってくる方々も理解度や習熟度がまるで違うんですね。中にはFXも株もやったことがないけれど口座だけは開いたのですが・・なんて方もいらっしゃって、ブログ上でどうにかしようなんて思っても無理。ただピンポイントでこれは面白いとか大事だと思う部分だけ書いているわけですが、最近、私の手法にかなり似ていて、でももう一息という方が現れて、その方とやり取りをしています。すぐにどうにかなると思いましたから。
ところがですねぇ、そうでもないのね、やっぱり。
チャート分析の手法とかトレードスタイルって本当にいろいろあって、それぞれが一つの体系をもっているのね。だからこれを覚えればOKなんてことはなくて、たった一つのことを学ぶにもそれの周辺のもの、また基本的なものが一つでも欠けたら全体が見えてこないってことに気がつきました。
それプラス、トレーダーの個性が大いに関係してくるから、これで大丈夫!なんて決まったものなんかないんですね。むずかしいわー。
でも学ぼうとする人が一体どういう癖、性格なのか、一体どういう手法が合っているのか、どの程度の基礎知識、経験があるのかわかってくると、その人が進むべき方向が段々と見えてくることもわかりました。だから結果的に出来上がったものが私の手法とは違ったものでも、勝てるようになれば全く問題がないわけで、もしかしたら私自身がその方法では難しくて無理と思うことでも、その人には可能かもしれないのね。
このやり取りを今やっているんですが、非常に面白いです。私も勉強になるし。私の手法にもプラスになるのがわかる。
ただどんな結果になるのかはまだわかりません。どうなるのかなぁ。
でもその人にやる気がある限り、私も諦めません。執念の塊です。(笑)
なぜか?
それはですねぇ、いつか勝てるようになったらそれを同じ様に私の息子達に教えてやって欲しいんですよ。もちろん私も教えるつもりですが、その時間が私にあるのかどうかがわかりませんから。また時間が十分にあったら、勝てる人を一人でも増やして一緒にやりたいことがあるんですよ。私の人生最後の仕事。
だから私も真剣。
で、一番難しいと思うのは分析手法そのものじゃないってのもはっきりしました。本人の癖が一番問題なんですね。
結局、世の中には腐るほど良い書籍もあるし独学をしようと思えば簡単なんだけれど、中々うまく行かないってのはそこなんだなってのがわかるんです。自分の癖にあった指導書なんて存在しませんから。で、どんな書籍もトレーダーの癖や性格を無視して書いてあるでしょ。結局、著者の自己満足で終わっちゃうのね。で、たまたま読者と性格的にあっていた場合、うまく行くってことなのかもしれない。
海外に目を向けると本当にいろんなシステムがあって面白いのだけれど、何か違和感があるのは前にも書いたことがあります。システムとしては良くて勝てるものもあるんだけれど、そのシステムを構築している部品がいやに単純なのね。その組み合わせに皆さん苦労しているって感じ。
前も書いたけれど、私はオシレータ使いでオシレータが何よりも大切なんだけれど、それをうまく使っているなと思うシステムって本当に無いんですよ。これが不思議だったんだけれど最近その理由もわかってきました。つまり、オシレータの使い方が私の場合、アナログ的なんですね。形と言うかパターンを重視する。でもこれの理解って難しいわけですよ。誰にでもできるわけじゃない。だから世の中の多くのシステムでは、どのインジケータのパラメータをいくつにしてそれのクロスだとか80とか0ラインを超えたらどうじゃとか、私からすると子供じみている読み方をいくつも組み合わせて一つのシステムにしている。
日本には昔はマニュアル経営なんてなかったじゃないですか。従業員にマニュアルを読ませてこのままやれっていう店なんかどこにもなかった。商人育ちの私に言わせると当たり前で、客もいろいろ、シチュエーションもいろいろ、それを一つ一つこういう客にはこうだとか、こういう場合はこうしろなんて、そういう教育法も日本人は取らないのが普通でしたよね。基本的な大事な考え方さえ理解できれば、細かいことの答えなんか自然に出てくるんですよね。でもその基本を教えるのが難しい。
でもいつの間にかマニュアルが日本にも浸透してきて、チェーン店なんてそれがないとバラバラでうまくないし、店一つとっても従業員によって違うなんてのも困るわけで、でもマニュアルがあれば最高点は取れないにしても及第点ギリギリで平均値を上げることはできる。
このマニュアルってのは欧米の考え方だけれど、結局トレードシステムも同じ考え方なのね。誰がやっても同じ結果がでるように作る。だから分解して見ると難しいことなんか何もない。
ま、これはこれで勝てるのも存在するから良いと思うんだけれど、私はどうも納得できないんですよ。そこには技もなければ基本に職人気質ってのが存在しない。まぁ、世の中も見回してみるとその通りですよね。日本にはあらゆる分野に職人がいるけれど、当地オーストラリアではそういう人は稀。
勝てれば良いとすればそちらの方向へ進むべきなのは間違いが無くて、そういう意味でも目を海外に向けるのは良いと思うし、ここで紹介してきた、また巷でも名前が良く出てくるTHVとかWoodies CCIとかあの手のシステムが結構あるし、そこそこの結果が出るんじゃないかと思います。
でもそれだと到達できる場所もその程度の場所までで、大事なことって違うところにあるのは店の経営も同じでしょ。ただのお運び、注文取りのオネーチャンと女将はレベルが違うのと同じ。だから私のアプローチもどうしてもそちらを向いてしまうわけで、やっぱりジジーだからかもしれないけれど、相場にも「道」があってそれが大事だと思うんですよ。相場道。技術的には誰にでも出来るマニュアル的なものじゃなくて職人技みたいなのもを極めたいと思うし、そして相場で大事なのは分析力じゃなくて精神力だと思うのね。邪魔ばかりする心理をいかに制するかってところ。ま、そういうのがあるから欧米ではマニュアルを使うのだけれど、相場ではシステムトレードが大事っていうのはそういうことなんでしょう。
でもやっぱりトレーダーが狙うべき方向ってそれとは違うところにあると思うんですよね。
ま、それはどうでもいいか。話が長くなりすぎる。(笑)
とにかく今、相場師要請中です。どうにか良い結果を出したいし、出るまで諦めないつもりでやってます。
で、面白いのはメールでやり取りしているんだけれど、こういう方法、考え方をするべきだとか書くんですが、それってぜーーんぶ今までこのブログに書いてきたことばかりなんですよ。やっぱり読んでないんだなぁ、なんて思うのだけれど、読み手はそれを読んでも、それが自分にとって大事なのかどうかがわからないのね。だから頭に入っていない。
こういう傾向って自分もそうで、知りたいところだけしか読まないし、頭に入らない。それで満足しちゃうのだけれど、本当に知るべきことって全然違うことだったりする。なんでも同じですよね。
だから相場も本当に真剣にやるのならマンツーマンでその人に合うような方法を模索しながら進まないと全く身につかないし結果も出ないって事なんでしょう。でも、その人にどんな方法が合うのかどうかを見極めるのも簡単じゃないからマンツーマンでやっても相性がどうなのかってところで結果が変わってしまう。
しかし、世の中の老舗には一子伝承の技なんてのがあるけれど、あれってどうやって伝えていくんでしょうね。性格も得て不得手の分野もまるで違う子供にどうやって教えていくのか本当に不思議。
昔テレビで見たけれど、私の好きな原了郭の黒七味。あの店も秘伝の味、作り方を教えるのは息子一人だけ(のはず)。で、今みたいな時代だから、あーーじゃこうじゃ教えるのかと思ったらそうじゃないのね。息子は隣に座らせて見せるだけ。声も掛けない。
結局、技術は盗むものってのがわからない限り何を伝えようとしても駄目なのかもね。でも私はそこに挑戦したいなぁ。伝えなければならないものはどうにかしてでも伝えたい。