消費税増税 再び

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もう増税することにほぼ決まりみたいですから今更何をグダグダいうのだと思われると思いますが、この決定に至るまでどういう動きで、誰が、どういうセクションが何を根拠に推してきたのか、また何を隠してきたか、どんな論理のすり替えをしてきたのかはしっかり覚えておきたいと思うのです。

まず

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決断間近! どうする? 消費増税 (1/2) 【NHKスペシャル(2013年9月15日… by dm_51b1b62cafb2c


決断間近! どうする? 消費増税 (2/2) 【NHKスペシャル(2013年9月15日… by dm_51b1b62cafb2c

また昨日消費税増税に関して書きましたところ、秘密コメントで賛成派はこういうことなのでしょうというみずほ総合研究所のエコノミストのレポートを紹介していただきました。

消費税先送りの影響を考える  ← クリック

その他、私は以前から一目も二目も置いている高橋洋一教授があちこちでしゃべってますからそれも非常に参考になると思います。ちなみに彼は増税反対派。先送りどころじゃなくて増税する必要も無いという。ま、その前にやれることがいくらでもあるという方が正しいかな。

私の意見としては前に書いた通りで、エコノミストの判断がとても歪んでいるように見えます。というかエコノミストの立場で使えるデータから見た場合、そう見ざるを得ないのだろうと思います。

例えば、増税した場合の試算ですが、二つのことが抜けているのが普通。

○ 増税しない場合の自然増収はないものとして試算。
○ 増税した場合の試算時に増税によるマイナスを勘定に入れていない。

彼らが長々と説明したところで最初の前提に間違いがあると思うのです。例えば

「政府が目標とする成長率やインフレ率が実現するとの想定の元で消費税を引き揚げた場合、2010年度比の赤字半減は可能である」

この前提がおかしいですよね。それが実現しないんじゃないかという危惧があると先送り派は言うわけで話がかみ合いません。また安倍政権になりGDPは年率3.6%の上昇があって、その増収分もかなりの額になるというのを計算に入れていないのもおかしい(財務省の試算もそうらしい)。つまり、増税ありきの論法にしか見えない。

それとやっぱり公約であることとか、信認を気にする向きが非常に多いのがわかります。つまり、やるべきことをやらないと国債を売られるかもしれないってところ。

私としては今年率3.6%の上昇があるのならどうにでも逃げられると思うのですが、エコノミストの立場からすると世界からの信認を失って国債の格付けが下がると言わざるを得ないのでしょう。そしてここが大事だと思うのですが、その国債の格付けが下がったとしたら国債は売られると言うしかないのでしょう。それが彼らの仕事でもあるわけですから。格付けはたいした問題じゃないと言えば、自分自身を否定したことになっちゃう。

でも市場参加者が売るか売らないかはまた別の話で、2011年の格下げ時には日本国債は売られることは無く、財務省が各格付け機関に意見書を出しましたよね。

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1.
 貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
 従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
  
(1)
 日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
 
(2)
 格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
 例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。

 マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国

 その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている

 日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
 
(3)
各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。

 一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤字国でも、日本より格付けが高い国がある。

 1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債はAAA格を維持した。

 日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。
 
2.
 以上の疑問の提示は、日本政府が改革について真剣ではないということでは全くない。政府は実際、財政構造改革をはじめとする各般の構造改革を真摯に遂行している。同時に、格付けについて、市場はより客観性・透明性の高い方法論や基準を必要としている。
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外国格付け会社宛意見書要旨  ← クリック

2011年の時にはこう言ったのに、今回は皆さんいやに弱気に見えます。

エコノミストにもいろいろあるわけですが、日本の様な状態なら格下げは当然だと考える向きは多いと思います。そして格下げをされたら売らざるを得ないとも当然考える。そうじゃなければ格付けは何の意味もなくなるし、そもそも格付けの根拠、存在意義にまで話が広がってしまう。だからエコノミストはこういう考え方をするのは自然だと私は思うわけです。でもそれはそういう立場の意見でしかない。

そもそも増税の時にはいつも言われることですが、その前にやるべきことがあるはず。

でもねぇ、これっていつもいつも同じパターンで前に進まないんですよね。抵抗勢力の強さって半端じゃないのでしょうが、いつも大事なところはスルーしてしまう。税の増収を狙うのであれば

○ 歳入庁の設置
○ 背番号制の導入

何よりもこれを先にすべきなのは誰にでもわかるはずなのに、見て見ぬ振りをするんですねぇ。でも私としてはこれは後で使えるカードとして残しておくのもアリかなとは思ってます。でもこれをやらずに増税を繰り返すようなことがあってはならないはず。そしてそのうち歳出削減もやらずに進むわけにはいかない。

今回の件に関しては、やはり多くの人が心配しているのは金利の上昇のようで、これだけは避けないと大変なことになるのは明白。日本国債を売って利益を出そうとする市場参加者はいくらでもいるし、彼らに餌を与えたくないのは良くわかります。

でも前にこれに関する動画を紹介しましたが覚えていらっしゃるでしょうか。アメリカのあるファンドが日本国債を売るチャンスを狙っていて、ファンドの設定もしたというレポートがありました。あれを見ると、なるほどファンドが狙っているのかと思いがちですが、あの時の映像を良く見るとちょっとニュアンスが違うのがわかったはずなんです。

それは、あのファンド会社が日本国債売りを始めるという感じでしたが、画面に映っていたのは、日本国債売りファンドを設定したってことなんですね。これって株式指標で言えば、日本株ベアファンド(下がれば儲かる)を作って売り出したということでしかないんですね。下がれば利益が出ますよというファンド。上がったら損がでますよ、と。それだけのことであって、あのファンド会社が日本国債をターゲットにして売りを仕掛けるというのとはちょっと違うわけです。意味がわかりますよね。ファンド会社は様々なファンドを売ってるじゃないですか。アジアファンドであったり、日経インデックスファンドであったり、BRICSファンドであったり、そしてファンドの中には下がれば利益が出るベアファンドもあるってことですね。普通のファンドはブルと言う言葉が省略されているだけで、日経インデックスファンドとは日経インデックスブルファンドなんですよね。

こういういろいろなファンドをあの会社は持っているわけで、日本の国債は下がるはずだと読む投資家の為に日本国債ベアファンドを作って売っているだけのこと。それをあの番組ではあのファンド会社そのものが一丸となって日本国債を売ってくるような「勘違い」を演出している。ろくでもないと思いますよ。

マスコミもこぞって不安感を盛り上げて、増税やむなし、歳出削減が必要という方向へ持っていくんですね。

でも今になって思うとそういう不安感を煽るような財務局、マスコミに乗せられて、逆に意気消沈しちゃったのが今の日本かもしれませんよね。国民一人当たり800万円の借金があると大騒ぎですから。でも国民一人当たり500万円の貸しがあることは彼らは絶対に言わない。なんだ、差し引き300万か、まだ大丈夫だ、なんて思われたら困るんでしょうが、国民を何も分からないサル扱いするのには本当に頭にきます。でもま、そんなもんかもしれないと思ったり。

そういう意味では、消費税増税先送り派が、そんなことをしたらせっかく動き出したアベノミクスが潰れる、日本再生は不可能になると大騒ぎするのも逆効果かもしれないですね。一般市民がそうだそうだと思っているところで増税したら、そりゃ皆さん財布の紐を締めるに決まってますから。

増税?良いんじゃないの?なんて気楽に国民の大多数が考えれば増税に問題はないのかもね。(笑)

しかし、原発にしても増税にしても、政府やマスコミ、あるいは評論家にしても彼らの言う事をじーーっと聞いていると彼らの立ち位置とか作戦とか見えてきますね。

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