日本では消費税増税が決まってしまいましたし、TPPも最初の意気込みは感じられずやっぱり妥協していく方向が見えてきました。
アベノミクスでほんのちょっとだけ光明が見えてきたところなのに、これらがどれほどの影響力、破壊力を持っているのか気になって仕方がありません。
そんな時に、面白い動画を見つけました。毎度のチャンネル桜の討論会なのですが、ま、保守的な人ばかり集まりますし、なんとなく右翼っぽいものを一般的には感じるかもしれませんが、私にとっては非常に大事な情報源の一つですし、今回の討論会はかなり参考になりました。
討論の中身ですが表題が「第二の矢、日本経済レジリエンス計画を推進せよ」となっています。レジリエンスなる言葉を聞いたことも無い私ですが、内容的にはかなり興味を持ちましたし、この視点は非常に重要だと思いました。
レジリエンス(resilience)とは「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも訳される心理学用語で「脆弱性 (vulnerability) 」の反対の概念であり、自発的治癒力の意味である。(ウイキペディア)
なんだかややこしそうに感じますが、討論の中では非常にわかりやすく解説されていますし、それがいかに重要かが話し合われています。と共に、あのリーマンショックでは日本は欧米ほどサブプライムローンの影響はなかったと言われているのに、落ち込みは酷く、そして回復は欧米に全く追いつかずに低迷したままの状態。これがまさに経済レジリエンスの欠如であり、そして脆弱性が高いと言う点。これが他国との違い。
図で言うとこれで、
危機が起きて落ち込む度合いはショック耐性によって違い、また回復力が強ければ元に戻るのも早いという点。このショック耐性と回復力をつけるというのが強靭化で、それが他国に比べて大きく劣っているとの指摘。
2000年を1とする世界のGDPの動きは
こんな図を見ると情けないやら腹が立つやらで面白くないのだけれど、こうなった理由はいろいろあるにしても、今、世間を席巻している新自由主義だ、TPPだ、自由競争だ、小さな政府だ、借金が大きいから歳出削減だというのはこの脆弱性を助長するものであって、ここからの脱却はできないという考え方。
私としては昔から竹中平蔵氏の主張(小泉路線も)は間違えていると考えていて、日本が、世界がどういう方向へ向かうべきかと言う点において、この討論でなされている話はすんなり自分の中に入ってきました。そしてこの理屈で大勢派である新自由主義者に対抗するしかないと思います。
でもねぇ、問題は安倍さん自身が彼らと考えを同じにしているフシがあるということ。安倍さんが総裁選に出てきたときに、彼の言葉に惑わされたような気がします。悪く言えば結婚詐欺みたいな。(笑)
ま、その辺はおいといて、日本がどの方向に行くべきかは彼らの主張通りだと思うし、微力ながら彼らを支援しつつ、自分も勉強していかないとならないと思いました。
そして、見ていて面白いと思ったのは、経済じゃ、日本の将来じゃじゃなくて、一人ひとりの生き方も企業もこれと同じ理屈が通用するってこと。
いつも書いているように破綻とは日頃の失敗の積み重ねじゃなくて、まさかのまさかが切っ掛けで起こると思っている私にとって、危機管理こそが何よりも重要。でも言葉で言うのは簡単でも実行は難しい。でも逃げても逃げても必ず追いかけてくる危機に対応するには、まさにそれに対する耐性と回復力を上げるしかないんでしょう。それが付けば、危機を恐れることもなくなるのかもしれない。
私の今の立場で言えば、耐性とはポートフォリオであるし、回復力とは相場力(稼ぐ力の維持)であるはず。もう歳なんだから楽をして・・・と考えるのは夢のまた夢なんでしょう。
この辺をいつも私は感覚的に捉えてしまうのだけれど、これを切っ掛けに多少は論理的に考えようと思った。(笑)