日経平均がかなり強く下落して3本陰線をつけた後、いまだトレンドは変わらずと見て押し目買いを狙っていた人は4時間足の陽転でタイミングを掴めたと思います。
その後の動きですが、日経225CFD4時間足。
日足ですが、大きな一本の陽線という形になった。
さてこの後をどう読んでいくかですが、そんなのはわかりません。ただ4時間足を重視するなら、超短期のオシレータはピークに来ていますので手仕舞いして様子見が妥当だと考えます。でもこの上昇波はまだ余力があると他のオシレータから読んでます。というか、ここで下げてくると非常に綺麗な下げ波動の第三波になるわけで、難しいところだと思います。上でも下でもヨコヨコでもどうにでも読める形。
世の中には、というかこのブログの読者で株をやっているのか先物orオプションなのか、日経225が気になる方が多いようで、私の見方で日経225を解説をして欲しいという方がいらっしゃる。ですので、たまに要所要所で気がついたことがあれば書きますが、たいした動きじゃなくても書かねばならないというプレッシャーが結構掛かっています。いつも書いている通り、私の手法ですと日足で言えば、ここだ!なんて時は年に2,3度しかないんです。
ところが株や先物をデイトレではなくて中長期で持つ、あるいはスイングトレードと言われるタイプの人たちは日足を重視しているはずですが、毎日毎日、どうなるのか、どうするべきか気になるんだろうと思います。でも一日で足が一本しか増えない日足を見ながら、さてこれからどうなる?なんて毎日考えてもそうそうわかるわけがないと思ってます。
特に、足の時間軸が長くなればなるほど読みは難しくなるわけで、今回の動きも、中国が大量に売り浴びせてきたとか、アメリカの雇用統計が思ったより良かったとか、どこの誰べえがなんと言ったからと、ファンダメンタルズや取り巻く環境が大きく変化するわけで、いくらチャートとにらめっこしたところで中国の動きも読めないし、雇用統計の数字の変化も、誰が何を言うかもわからないわけです。ただ何かが起こればそれが動きになって現れるわけで、何が起きたかわからないにしろ動きについていけば良いというのがテクニカル分析の考え方ですが、ファンダメンタルズや環境の変化の影響が大きすぎる場合はやっぱり難しい。
それでもどうにかなるなら、私はデイトレ、スキャルなんかやりません。相場って本当に不思議で、何も起こっていないたった1,2時間の間にトレンドも起きるし上下に波打つし、面白いです。どこの誰が何を言ったわけでもないのに必ず動くわけですから。この時の動きって、力関係で動いているだけで、大きく相場の動きを左右する指標発表も無ければ、日銀総裁だろうがFRB議長だろうが何も言っていない。だからチャートが読みやすいわけです。
日経225ですが、私がCFDのチャート見るにも理由があって、かつて私が株や日経225の先物にどっぷり使っていた頃は昼間しか取引がされていなかったんです。でも昔から「値幅は夜作られる」と言われていて、やっぱりアメリカの動きに大きく引っ張られる。でも海外市場で売買なんかしないのが普通。ですから今思えば非常に難しい市場であったと思います。アメリカで大幅に下げたとすると、次の日の日経は大きく窓を開けて下げて始まるじゃないですか。で、日中も下げるかと思うと上がったり。そして次の日も窓を開けて下がって、日中足はまた上がったり、そんな動きが普通にあるんですね。多分今でも日中足だけ見ていたらそういう動きは結構あるはず。
こんな状態でデイトレをやっていたんですから、今思うと馬鹿げていると思います。一番動く夜中には売買出来ないんですから。
では夜、夜中でも売買できれば良いかと言うとそうでもないんですね。当時、オーストラリアの市場が夜オープンするようになったんです。オーストラリアなんか日本より酷くて、それこそアメリカの顔色を見ながら動くような市場。それなのにアメリカ市場が開いている間はオーストラリアは閉まっているなんてうまくないわけですよ。だから結構早い時期に夜の売買が可能になった。で、夜中のほうが動く市場になった(今は知りません)。
こういう動きが日本でも起きたわけで、チャートを昼間、夜とつなげれば、動きがスムーズになって大きな窓が開かなくなった。
でもこれが良いことかと言うと我々一般投資家にはそうでもなくて、一体いつ寝るの?ってなことになるのね。(笑)
これは近年大ヒットしたFXも同じで、ほぼ24時間動いているのを見張るなんて事は不可能。
だったら数時間の間に勝負できるようなやりかたにしよう、というのが自然の流れでデイトレ、スキャルになってきたわけです。そしてチャート分析も日足より短い時間軸のほうが簡単ですから。1分足ではトレンドがいくらでも出てきます。
ま、そんなこんなで日経225ですが、CFDの様にほぼ24時間動いているチャートだからどうにか見ることができるって程度で、でも長い時間足の分析の難しさに変わりはないし、まして毎日毎日、さぁどうする?なんてことがわかるほどパターンにはまった綺麗な動きなんかないんですね。
それと長い時間軸でトレードする場合、それなりの大きさの資本投下があるじゃないですか。1万円、2万円を稼ごうと思ってやっている人はごく少数で、頭にある金額はもっと大きいはず。だから私も簡単にはああじゃこうじゃ書けないんですね。プレッシャーが大きい。ところがデイトレやスキャルですと、せいぜい狙うのは一勝負数千円から数万円ですし、チャンスはいくらでもあるし、ここだ!という動きをする瞬間って結構ありますから気軽に書ける。
ま、そんなことが背景にありますので、日経225に興味がある方が多いのはわかるのですが、私としては頻繁にああじゃこうじゃ書くのは非常に難しいというのをご理解いただきたいと思います。
それと前の日記で書いた、日足では買い場探しだけれど4時間足では売り場探しになると書いた件に関してメールで質問がありました。どうして時間足が変わると売り買いの見方が変わるのか。
これは日足ともっと短い時間軸の足を考えればすぐわかると思うのですが、例えば今回下げてできた日足の3本の陰線ですが、この下げを日足で見て売りで取ろうと考える人は逆張り派以外は非常に少ないはずです。でもこれを5分足でも15分足でも見れば、長い長い下げトレンドなわけで、その下げに対して売りで向かうチャンスがいくらでもある。逆にそれに買い向かうのはトレンド追従型の手法ではありえないということになるわけです。
しかし1分足で見ると、上げも下げも大小入り混じったトレンドが延々続くわけで売りでも買いでもチャンスはある。
長い足でトレンドを見て、それより一つ短い足でタイミングを取るというのが一般的ですし、当然、出撃方向は同じですよね。というか、そういう時って動きが強いしはっきりしているわけで、そういう時を狙う方が勝率が高い。でも、今回の動きのように、逆になるということもあるわけで、それなりに変則的な見方、動き方をしなければならない。本来ならここは見送りでも良いわけです。でもここが長い時間足でトレードする難しさなんですね。特にトレンドが変わる可能性がある場所はなお更です。でもこういうケースを見送っていると何週間、何ヶ月も見ているだけになることが多い。
でもその待つことが出来ないのなら相場に近寄るべきではない。出撃は年に数度で十分というのが私の師匠筋の人の口癖でしたし、それは間違いがないと私も思っています。これはデイトレ、スキャルでも全く同じで、狙う値幅が小さいから上下の触れで取れちゃうこともあるし、どんどん出撃して細かく取れば「チリも積もれば山になる」という考え方のトレーダーがいるのも事実。でもそれで勝ちが積み上がるほど相場は簡単じゃないってことではないでしょうか。でも数時間じっくり構えて待っていれば、チャンスは必ず訪れるんですね。その数時間のチャートは日足だとしたら何年分のチャートと同じだってこと。また一番動きやすいヨーロッパ時間とアメリカ時間に入る頃を集中的に狙えば、効率は上がるし、それ以外の時間は好きなことをしていられるという、中長期投資にはあり得ない心の平安もあるということだと思っています。
でもデイトレやスキャルじゃ大きく儲からないだろうと勘違いしている人も多いのね。ところがこれを専門にする者からいうと逆なんです。デイトレ、スキャルだから大きく出来る。あるネットで名の通った9桁稼ぐといわれているトレーダーですが、彼は一勝負2PIP狙いで、一日20PIPS目標と対談で言っていました。デイトレ、スキャルで大きくなろうとしている人たちは皆同じような考え方だと思います。でももちろんロットを大きくしないと駄目で、その為にも勝率を上げないとお話にならないわけです。勝ったり負けたりするような手法だと怖くてロットを大きく出来ませんから。
損小利大を狙うのが大事で、利益を伸ばせるときには伸ばせというのが世の中の常識ですが、私に言わせるとその手法は嘘で、「貴方の為の外為」という宣伝文句と同じで(笑)、カモを増やすための「釣り」でしかないと思ってるくらいです。損小利大というのであれば、それは一日のトータルでそれを狙えというべき。デイトレ、スキャルでないのなら一週間、一ヶ月のトータルでもOK。勝ったり負けたりが当たり前の手法は小遣い稼ぎから絶対に脱却できないと私は確信しています。
だから待つことが大事なんですね。女房子供を質に入れても勝てる!と思うときにしか出撃してはならないというのはそういうことだろうと思います。
もう20年近く前になるでしょうか。かつて私より若くして相場で財をなしたトレーダーに、ポイントはなんですか?と勉強会が終わった後、居酒屋に行く道すがら聞いたことがあるんですが、「私は馬鹿でも勝てるときにしかトレードしませんから」と言ったのが忘れられません。私はそれを理解するまでどれだけ遠回りをしたか、そして何年掛かったか。(笑)
毎日チャートを見ては、上か下か?さてどうするか、考えることがいかに滑稽であるか。常にわかるなんてことはあり得ないんですね。毎日証券会社の前を通るたびに電光掲示板を見つめて考えても無駄。(笑)
真剣に相場で勝ちたいと思うなら、書籍やセミナーで勉強した常識とされることは一回全部忘れてしまって、最初の最初から理詰めで考えていけば初心者でも見えてくるものがあるはずです。ちょっとした気づきで随分変わるはずですから。負け組みと勝ち組の差ってほんの紙一重だと思います。分析技術に大きな差があるわけじゃないのね。どんなに頑張っても絶対に将来のことなんかわからないんですから。
将来、未来を予測するためにチャート分析をするという考え方を持っていたとしたら、「将来は絶対にわからない」と仮定してどうするべきか考えたら良いと思うんですよ。年末には日経平均はいくらぐらいだろう、なんて読みを披露する人はいくらでもいますが、そんな話に耳を傾けるべきじゃない。
でもチャートから過去と現在はわかるわけですよね。どんな力関係なのかもわかる。そしてその力関係はそのまま続く傾向があるということ。つまりトレンドが出来るってことと、そしてそのトレンドはいつまでも続かない。この二つの背反する関係の中でちょっとだけでも方向性が見れればどうにかなるというのが私の持論。
競馬競輪、あるいはカジノも将来、未来を当てるゲーム。でもそれと相場は似ているようで違うんですね。競馬で言えば、第二コーナーを回ったところで賭けて第三コーナーに入る前に決済したり、あるいは第四コーナーを曲がってゴール20メートル以内になったときに賭けるのもOK。それが相場だと言っても良いかもしれない。
コメント欄でのやり取りでも書きましたが、相場の格言に「当て屋になるな」というのがあります。でも人間って将来を当てることが好きなのね。当たったときは気持ちが良いですから。でもその考え方で相場をやると失敗すると思います。相場はギャンブルだなんて思っている人は絶対に近寄らないほうが良いんじゃないでしょうか。
でもそれが万人向けかどうかは私にはわからず。