誰にでも簡単に出来て、なおかつ失敗の少ない方法を試しています。
カイワレを育てるのは、お皿でもタッパーのようなボックスでも、ドンブリでも良いわけですが、一番の問題は「水」だと思っています。
乾いてしまうのは論外ですが、意外に多い失敗は水が多すぎること。発芽前でも種が水没するようではダメですし、根が張ってきても根が水浸しで呼吸できないようではやっぱりうまく育たない。だからといって毎日毎日様子を見ながら水をやるなんてこともしたくない。最初は気になるし芽も出てくれば可愛いから面倒も見ますが、毎日毎日「やらねばならない」となるとすぐに飽きてしまいます。
そんなことから「いかに手を抜くか」を常に考えるわけですが、それは「安定した自動給水」しかないんですね。でも自動給水はやっぱり面倒。
一番いいのはたっぷり水を与えておいて追加の必要がないというやり方で、私が今回狙っているのもそれですが、でもやっぱり難しいのがわかりました。カイワレの標準的な生育期間である7-10日ならどうにかなるし、あるいはせいぜい途中で一度だけの水補給で大丈夫ですが、もうちょっと長く育てようすとするとやっぱり問題が出てくる。
つまり、カイワレは鶏で言えばヒヨコみたいなもので、何も餌をやらなくてもそこまでは育つ。でもそこから先は水も餌も必要になってくるのはカイワレも同じで、手抜きで放置してどうにかなるとは思えません。でもそれに挑戦してきたわけですが、今回、全部でどのくらいの実験をしたでしょうか。その中で、根腐れが始まったもの、水が臭くなってきたものがいくつか出ました。カイワレ以上に育てるということは、水の必要量ががらっとかわりますから、多くの水を与えておくか、頻繁に水やりをするかのどちらかしか無いんですね。で、手抜きを考えるとギリギリのところまで水を増やしますから、ちょっとしたことで根腐れとかが起きてくる。でも水の取り替えなんて面倒なことはしたくないし。
カイワレなんだから2週間以上育てる前提は必要ないと言えばその通りなんですが、やっぱり見ているともう少し育ててみたくなるんですよね~。
また、大きな入れ物で大量に栽培して一度に全て収穫するより、幾つかに分けて必要なときに収穫するほうが、たとえカイワレでも良いはずで、そんなことも考慮するとやっぱりこれかなぁ、という感じ。
プラスチックボックスとトイレットペーパーだけという方法でも良いのですが、それだと頻繁に水のチェックをしないとなりませんし、水がなければ当然補給も必要で、またやり過ぎたら溺れてしまう。でもプラスチックボックスにペーパーを敷いただけだと十分な水の維持も難しいし、またどのくらい水が入っているのか、どのくらい補給すれば良いのかも見づらいんですね。指を突っ込んでみればすぐわかることですが。(笑)
だからボックスで育てるにしても、こういうふうにしたほうが良いかもしれない。7つの袋に入っていますが、これなら収穫は一袋ずつすればよいし、水やりはボックスの中に入れるようにするので、水やりで種が流れることもない。
これなら水の量は横から見ればすぐにわかりますし、もし容器に溢れるほど水を入れたとしても、種はボックスより常に高い位置にありますので、絶対に溺れることはない。またたとえ1センチしか水が入っていないとしても一番上まで毛細管現象で水は上がってきて乾くこともない。またトイレットペーパーは保水力抜群ですから、ボックスの中の水が全くなくても根が張ってさえいれば2,3日はその状態でも大丈夫なはず。またこの方法なら水を取り替えるのも簡単。
つまり、この方法なら水やりの必要はゼロ。あるいは途中で一度入れれば問題はないはず。
これの作り方は簡単で、全て100円ショップで手に入る物ばかり。
まず、お茶や出汁のパック。
こういう袋状のもの。
ただ、この袋の場合、上の方にマチが入っていて、このままだと育ってきたカイワレがそのマチに頭を突っ込む可能性がありますから、またこれだけの高さは必要ないので、マチの部分を切り落とします。
その中にトイレットペーパーを詰め込みます。詰め込んでから水に浸しても良いし、水に浸したものを詰めてもOK。この写真では乾いたまま入れていますが、水に浸してからの方が入れやすいですね。
それを並べたものがこれ。注意点は、種の位置は絶対にボックスより高い位置にするということ。そうじゃないと水を入れすぎた時に水没する可能性あり。比較のために2つはバーミキュライトを入れてみました。
これに一晩水に漬けておいたカイワレ大根の種を蒔きました。
そして最後にスプレーでシュシュッと一吹き。これは必要がないとは思いますが、おまじないみたいなもんでしょう。
丸一日たった今日ですが、もう芽が出始めました。さすが日本から取り寄せたカイワレ大根の種は違いますね~。
ちょっと立て込んでいるような感じがしますが、全く問題はありません。また、水はプラスチックボックスに2センチ程度だけ入っています。
さてどうなるでしょうか。
ゴールドコーストの気候ですとこれで問題はないはずですが、もしもっと気温も湿度も高いマレーシアだとどうでしょう。水が臭くなったり根腐れの可能性も高いかもしれません。それだけに水やりが難しくなると思うのですが、この方法ですと基本的に上から水は撒かずに、あくまでボックスに入れるだけで、種へはトイレットペーパーの毛細管現象に頼っているだけですから、問題が起きる可能性は直接播種より大幅に少なくなるはず。
またトイレットペーパーにも隙間がありますから通気性は良いとは言えないにしても決して悪くもないと思っています。またカイワレ大根って大したもんで、根が中に入り込まなくても大丈夫なんですね。根にカビのようなものが生えて気になることがありますが、あれはカビじゃなくて毛細根なんですね。直接水にありつけなくても蒸発する微量の水でも捉える能力がありますから、トイレットパーパーの表面が湿ってさえいれば全く問題なし。
でもこれを作ってから気がついたことは、これよりプラスチックの安いカップを使ったほうが簡単だということ。一個十円もしないパーティとかで使うあの安いプラスチックカップです。あれの底の部分にハサミで何ヶ所か切り込みを入れて穴を開けておけば(真底じゃなくて底の横のところ)、安定も良いし扱いやすいですね。
ちょっと真剣に育てたい三つ葉はその方式で作ってみました。培地はトイレットペーパーじゃなくてバーミキュライトですが、育ってきたらカップからバーミキュライトごと引っこ抜いて、大きな所へ移すのは簡単ですし。