カメラって本来35ミリが普通だったのに、デジタルの時代になってからは技術の問題で小さなセンサーが主流になりましたね。今でも35ミリのセンサーを積んだカメラはフルサイズと言われ、特殊と言っても良いような部類。一般的ではない。
センサーサイズってこんなに違う。
このサイトを見ると良くわかります。カメラと散歩(ここをクリック)
昔から画素数を重んじる傾向がありますが、センサーそのものの大きさって非常に大事なんですね。同じ1200万画素でもセンサーの面積が何倍も違えば、まるで性能が違う。一般的には、大きなセンサーの場合は画素一つ一つの面積が大きいので、それだけ光を多く受けることができるので、暗い場所でも有利。またダイナミックレンジも広く(明るいところと暗いところと幅広い情報を拾える)、階層表現が豊かと言われています。
そして大事なことはボケ味が全く違うんですね。センサーが大きければ大きいほどボケ味が大きくなる。
私みたいなボケ命。ボケ一筋。開放バカみたいなのは大きなセンサーに憧れるわけです。で、やっと何年もの思いがかなって35ミリのフルサイズセンサー搭載のカメラを手に入れたわけですが、まるでそのカメラを使う機会もなく、所有欲を満たしているだけみたいな存在になってしまいました。
今日、このカメラを持ちだして写してみたのですが、難しい~~~~~と思いました。
確かにボケは大きいし、写りが非常に良いのですが、ボケが大きすぎるということも起きてくるし、ボケが大きいということはピントもシビアになるんですね。
例えばこんな写真。食事に行った時に普通に撮った記念写真です。
ま、記念写真ですからこれでも良いのですが、私としてはこの写真はボツにするしかありません。
この目の拡大写真を見てください。どこがおかしいのかすぐにわかりますよね?
その通り。ピントが奥の目に合っています。そして手前の目はかなりのピンボケ。普通ポートレートを撮る場合、なにか理由が無い限り手前の目にピントを合わすのが常識中の常識で、こんな写真は噴飯物なんですね。こんな写真を写真好きに見せたら本当に恥ずかしいことになります。本来なら目というか瞳に合わすんですね。正確に言うとまつげとか眉毛にピントが合ってしまってもおかしな写真になる。真ん中の鼻にピントが合っているなんてのも笑いのネタになってしまいます。
でも食事中に記念撮影として撮る写真で、細かくピントをどこに合わすかなんてことはやってられないわけです。でも今どきのカメラでは「顔認識」だけじゃなくて目を認識して手前の目に「自動」でピントを合わす機能を搭載しているものがありますが、私のカメラはそこまで利口じゃありません。でもピントを合わす領域を小さくして、手前の目にそれを合わせて撮れば良いわけですが、動いている子供の小さな目にそれを合わせるなんて私の腕では不可能。でも最近のタッチパネル搭載のカメラならできないこともありませんね。ピントを合わせたいところをタップすれば、その場所にピントがあってシャッターもおりる。
でも絞りを絞り込めばピントの合う深さが変わりますので、そうすれば両方の目にピントが合うようには出来ますが、そんなことをするなら大型センサーや明るいレンズ搭載のカメラなんて必要ないんですね。豆粒みたいなセンサーと豆粒みたいなレンズを搭載したスマホと同じになっちゃいます。
はぁ・・・・・
結局、今日写した写真はそれなりの枚数があるのですが、どれもこれも問題があって、全てがボツにすべき写真。
このブログにいつも出している料理の写真も同じです。例えばこれ。
こういう被写体なら動いていませんし、ピントをどこに合わすか決めるのは簡単ですが、でもこんな写真を撮るのに時間を掛けてはいられませんから、一瞬にして撮るわけです。でもそれがどう撮れたのか確認したり、また場合によっては撮り直すなんてことも出来ないんですね。
ま、ボケ好きの私ですからこれでも良いのですが、これは焦点を合わせた所以外はボケ過ぎだと思います。
これは被写体の大きさ、距離、角度を考え、また絞りをF4ぐらいにすれば解決することですし、それはやっているうちに慣れることでもあるわけですが、フルサイズのカメラと明るいレンズの組み合わせは難しいと感じました。
持ち運びを重視した場合、完璧と言って良いほどのソニーのRX100ですが、コンパクトデジカメとしては大きなセンサー(それでもたったの1インチでフルサイズの7分の1の面積)で、かなりボケが(コンパクトデジカメとしては)出る機種ですが、それでもやっぱりボケが足りないといつも感じます。私のブログの最近の写真はそのRX100という薄くて小さなコンパクトデジカメで撮ったものがほとんど。
ま、そんなことも考えるとやっぱりソニーのNEXシリーズであるとか、普通の初心者向けの一眼レフであるとか、1インチやフォーサーズよりは大きく、フルサイズよりかは小さいAPS-Cサイズのセンサーを積んだカメラに明るいズームレンズでも装着すればよっぽど良い写真が簡単に撮れることになります。
困りましたねぇ。
でもこの程度の被写体との距離を保ちながら適度に背景をぼかした写真や
こういう近接撮影でボケを活かした写真
こういうのは私が今まで使ってきたカメラとレンズでは撮れません。もちろん距離を取って望遠レンズを使えば撮れなくはありませんが、それでは圧縮効果が出てしまうんですね。背景が近くに来すぎますし、広い範囲を一緒に撮るのは不可能となります。
本当に写真は難しくて、良い道具を持てば良い写真が撮れるなんてことはあり得ない。
やっぱり宝の持ち腐れかなぁ。そんなことを感じた今日の写真でした。
早く使いこなせるようにならないと・・・・・・