インフレって半端じゃなく怖いのはいつもここに書いていますが、あるところでマーレシアのインフレに関する話題を見ました。
年率大体○%だから、それで計算すると云々みたいな。
これで使われているインフレ率って、定点観測みたいなもので、Aという商品、Bというサービスの価格を何年も追跡して出すインフレ率ですよね。
私がいつも書いているのはインフレというか生活費増は3種類あって、巷で言われるインフレはその内の一つでしか無いんですね。ですからそれで計算するとかなりおかしなことになると思っています。
私が考える3つとは
1 いわゆる公表されるインフレ率
2 生活向上、年齢による生活費増
3 社会変化による生活費増
簡単に説明しますと、
2番は、若い時の自動車はポンコツカローラで良かったのが、歳も取ると、あるいは子供が育つとやっぱり大きな、良い車が欲しくなる。住まいも同じで(私たち夫婦がそうでしたが)最初は1Kの小さなマンションでも、子供が生まれ育てば2BR、3BR、4BRと大きな家が必要になる。昔は旅行といえば熱海で一泊だったのが、ハワイじゃヨーロッパじゃと行くようになり、海外でロングステイなんて考えるようになる。(笑)
3番は、昔は交通手段といえば自転車だったような国が、いつのまにか皆が自家用車を持つようになったり、食事といえばホーカーズで食べていたのが普通のレストランが主流になるとか。また昔は携帯電話もパソコンもなかったのに、それが必需品になったり。
私はこの2番3番って非常に大きな支出増になると考えていまして、卵一個の値段、米1キロの値段がどうじゃみたいなインフレ率って意外にたいしたことはないと思っています。それでもインフレが凄いと感じるとしたら、全体的にはかなり恐ろしいことになっているはず。
サラリーマンを長く続けた人ってさほどインパクトはなかったかもしれませんね。普通インフレ率、(過去には)年齢とともに収入が増えましたから。でも時代は変わりましたし、ましてや海外で、それも発展途上国で、なおかつ収入増が見込めない場合は、かなり厳しいと感じるんじゃないでしょうか。でもジジババは問題ないんですね。長生きしませんから。(笑)
お子さんが小さい家庭は大変だと思いますよ~。特にマレーシアみたいな発展途上国はどんどん生活水準も上がるし、インフレも凄いし。
オーストラリアのインフレって慢性的なものでもあるんですが、私が特に酷いと思ったのは子供の学費です。これってまさに上に書いた3つの負担増があるんですね。学年が上がれば当然学費も上がるし、また教育内容もどんどん変わってあれが必要、これも必要です、なんて当たり前のように学校は言いますから。ですから前にも書いたことがありますが、小学校の時と高校生の時とでは一貫した私立高でしたが学校へ支払う学費だけで8倍になりました。
これって気をつけないとならないのが、子供が小学校低学年だとして、中学や高校の学費を見て、高いなぁなんて思うじゃないですか、どうしよう、大丈夫かなとか。でも自分の子供がその年令に達する時はそんなもんじゃ収まらないんですね。我々もその洗礼を受けて8倍にもなった。
でもま、これはうちの子供が行っていた学校がたまたまそうだっただけとも言えるわけで、公立校はまた違うでしょうし、そうかと思えば、小学校の時から目が飛び出るような学費で、年齢が上がっても若干高くなる程度なんて学校もある。こういうケースは8倍になるなんてこともないはずで、それぞれ違うとは思いますが、でも基本的には上の3つの支出増が子供の場合にはばっちり当てはまりますから大変ですね。
ジジババなら先が長いわけでもないですし、子育ても終わっているでしょうから我慢、生活レベルを落として対応ってことも出来るかもしれませんが、小さい子供がいる家庭は遠い将来には「パパ~、ヒューマノイド型ロボットを持っていないのはクラスで僕だけだよ~。これじゃ宿題も出来ないよ~」なんて時代が来るかもしれません。(笑)
だから海外に出て独立、自営を簡単に考えないほうが良いというのはそういう意味でもあるわけです。チャレンジ精神を否定はしませんが、日本でもそうだけれど独立して成功する確率、10年後の企業生存率がどの程度かは頭に入れておくべきでしょう。
そして10年毎に収入を倍々ゲームで増やすぐらいのつもりじゃないと3つの支出増には負けてしまう。でもデフレが長かった日本でそういう考え方をする人はほとんどいないでしょうが、海外に出たらそうは行かない。特に発展途上国(今の台湾韓国香港と昔を比べてみればすぐわかること)。10年で倍?なんて思うかもしれませんが、それって毎年たった7%アップの支出増で10年では倍になるんですから(20年後には4倍)。
インフレだけで3-4%もあったら気が狂いまっせ。(笑)
人生って一瞬を楽しむのは簡単。でもそれの持続、生き残るのは難しいってことですね。
私が言いたいのはですね、「だから止めておけ」っていうんじゃないですよ。逆。「やるなら全身全霊を賭けてとことんやるっきゃない」ってこと。これって冗談じゃないんですが(小さなお子さんをお持ちの家庭では)「10年後にどうやって今の2倍稼ぐか」を常に考えるのってマジに大切だと思います。流されたら、あるいは現状に妥協したら負けまっせ~~~~。(笑)
でもね、冷静にじっくり周りを見渡してみてください。そういうことを真剣に考えている人ってほとんどいませんから。今を生きるのに精一杯。だからいつの間にか消えていく人が多いのだと思います。でもそこに気がついて「よっしゃ~~~」と思えば道は開ける。その時はその時と考えるスーパープラス思考が身を滅ぼす(笑)。特に最近の日本人はインフレの怖さを知らない人が多いから注意が必要でしょう。