豪ドル円に関しては9日に流れが変わりましたが、本日16日は米ドル円も流れが変わったと読んでいます。
AUS/JPY Day Chart
USD/JPY Day Chart
流れが変わったからこれから円高になるのかとか、そういう風には考えていません。でもそういう方向であるという「前提」で行動を決めます。つまり、円を買うのはありだけれど、売りはしない。というか安いところは買いで高くなったら逃げるという作業の繰り返し「だけ」に専念するという意味。
実際にどう動くかを考え、あるいは想像するのは無意味で、それこそプロ同士が熾烈な戦いをしている中で我々素人がわかるはずがないと決めてしまうのが良いと思います。ここで自分なりの経済分析、世界動向を見ながら上がるとか下がるとか考えても無駄。多くの意見を聞けば聞くほどわからなくなるだけ。それで相場に勝つ人はいないと思うくらいがちょうどいいはず。
実際にこの先、円高になるのか、戻るのか、横横になるのかは私にはわかりません。ただ円高方向に動いているという「前提」を作るということ。つまりトレンドが変わったと「する」ということ。「変わった」のではなく、あくまで自分の中の問題。
これで行動を決めることが出来るわけで、そろそろ変わるだろうとか、もうこの辺だろうか、勝手に考えて売ったり買ったりするとわけのわからないことになって、常に新しい情報で右往左往することになるはず。
逆に、今までトレンド変換すると予想しなかったのか?と言われそうですが、はい、その通り(笑)。私が使っているチャートでは転換点をかなり正確にだすものがありますが、それは危険信号だと私は捉えていて、トレンド転換の確認に関しては、私は遅行サインであるDoda_Donchian、あるいは一目均衡表で言う基準線を重視します。これで動きがわかるのか?ではなくて、そういう風に見るという決め事なだけ。
それが絶対だということではなくて、あくまでそれを基本に見ているだけ。
しかし、ある場所での為替談義を聞いていたんですが、やっぱり相場は難しいと痛感しました。上だ下だ、横横だと動く中でそれに乗って利益を出すことは出来たにしても、では資産をいつ円転するべきかとか、どのくらいマレーシアに移すべきかとか、そういう場合は動かす金額の桁が違うわけですから、なかなか思うようにはいきませんね。
読みには絶対の自信があったにしろ、行動に移せるかどうかはまた別問題。
そういう時にささっと動くという点で、私のオヤジは凄かった。全金融資産を豪ドルに変えたり、そういうことを平気でやる人。でもそれって思惑通りに動いた場合は良いのですが、外れると悲惨。またアホなオヤジは母に土下座して許しを請うて、ある時、「どうしても勝負したい」と全金融資産を株に打ち込んだことがあります。若いころにそれで破産した元相場師のオヤジですが、結局同じ事の繰り返しになりました。
母は良く許したと思いますが、くすぶって歳を取るだけのオヤジより目が輝く男でいて欲しかったのだろうと思います。でも結局大変な金額を飛ばし(ど素人と同じで損切りできず)、オヤジは半病人みたいになりました。眠れないと医者から睡眠薬をもらい、これでは効かないとどんどん強いものにして、挙句の果ては酒飲みではないのに酒と飲んだほうが効くと言い出して、一時は幻覚が見えるようになり、挙動不審に陥りました。当時は80前でしたが、家族全員がオヤジの死期を覚悟したほどです。
今では90近くになり、歳なりの挙動不審ですが(笑)、相場の怖さをオヤジを見ていると思い出します。小遣い稼ぎはできても大勝負はできないし、またするべきでもないし、歴史に名が残る人たちはその勝負に勝った人たちだけ。でも一家離散だ首をつったなんてのはいくらでもある話で、これから相場はどう動くの、上だ下だと、馬鹿なことをしているとさえ感じます。
私もリーマンショック時にはもう俺は終わりだと思いましたが、また値は戻ってきて過去のことは忘れてしまう。(笑)
相場で勝つには相場の動きに乗るだけでいい、先を読む必要はないなんて私はいつも書いていますが、それって小遣い稼ぎレベルの話しであって、では全金融資産を動かせるかというと、そういう度胸の欠片もありませんし、それどころか10%さえも動かせない小心者です。
結局、最後まで勝ち残れるかどうかが問題なわけですが、私の知る限り、度胸があって生き残った人は一人もいません。でも「一時期」すごい人はいくらでもいるのね。ま、相場にかぎらず実業の世界も同じですが、どうやって稼ぐのか以上に、どうやって生き残るのかのほうが難しいと思います。
そんなことをいつも考えている私ですが、このブログでもたまに紹介するポーのスクーターさんというオプションで資産を作られた方がいらっしゃるのですが、彼はケロッと明確な答えを私に言うんですよ。
正確な言葉ではありませんが、「儲けたあとは減ろうとどうなろうと良いじゃないですか」ですと。
やっぱりこの人は普通じゃないなと思った瞬間なのですが、こちらとしてはチビチビ稼いでやっと増やしたものをそう簡単に損するわけにはいかないんですね。だから悩むわけですが、でも彼は私の問題点を見抜きながらもそれを指摘しなかっただけだと思うのですが、「減らしたくないなら積極的にやるしかないでしょ?」ということなんでしょう。私みたいに「減らしたくはない」「でも大きな額を動かすのは怖い」なんてのを見抜いて、しょうもねーやつだと思ったに違いありません。 (笑)
相場の手法を学んだり、変更したりは努力でどうにでもなりますが、つまり「相場で食う」ぐらいのことは誰にでもできると思うのですが、大きな資産を作ったりそれを守れるか否かは「性格」に依存するのだというのが今の私の結論。で、性格を変えるのは何よりも難しい。
だから私は自分の性格を変えようとか、そういう努力をするのはやめることにしました。チマチマした性格なのはもうどうしようもありませんから、今後もそれで行くしかないと諦めました。ただ相場の世界と向き合える間はチマチマ貯めこむことに専念しようと。(笑)
そして相場で食うというのは、裏山に生えるキノコを採取して生きるのと同じような、小さな漁船で鯖じゃ鯵じゃ釣って生活するのと同じようなもんですが、多少は耐えられるぐらいには増産してみようとか、大きなコストを掛けないヘッジはやっていこうとか、そんな感じ。
しかし相場との付き合いは離れたりどっぷり浸かったりでもう40年になりますが、私が目指していたのは「勝てる手法の開発」。でもまさか自分の性格が全てを決めているなんてことは想像もしなかったです。でももしかしたら私のこのチマチマした性格だからこそ、ブツブツ言いながらも生きていけるのかと思ったり。
そういう意味で、相場の手法こそまるで違いますが、相場との付き合い方に関してポーのスクーターさんから学ぶことは多く、今度またじっくりお会いして、何かブレイクスルーがあるかどうかお話させてもらおうと思っています。
相場にどっぷり浸からないにしても、海外に出れば嫌でも為替と付き合うことになりますし、皆様も良きアドバイザーとの出会いがあることを願っています。でも今買いだの売りだのいう人とは距離を置くべきでしょう。