原油価格の暴落が激しいですが、なぜこんなことになったのか色々言われているものの真相はわからず。
WTI Weeky Chart
WTI Monthly Chart
今まで言われてた主な理由はサウジの動向。いつもなら下落しそうなときにはサウジが減産し需給バランスを取って価格維持をしていたのが、今回はサウジが減産しない。また他国は収入が減るわけですから増産へ動くところもある。またイスラム国が闇市場で大量の石油を破格値で売っているのも下落に拍車をかけていると。
サウジが減産しないのはアメリカのシェール対策。また世界各地でシェールガス・オイルの埋蔵が確認されていて、各国がそれの開発に動くのを止めようとする意図があると。
確かに石油の代替エネルギーなるものは石油の足元にも及ばないと過去に言われていましたが、力をつけて来たし、将来的にも有望なのかもしれませんね。日本のメタンハイドレードも同じ。
今日はちょっと違う解説を見つけました。これもかなり有力ではないかと思うのですが、「アメリカの対ロシア政策」によるものだという話。
原油価格はもう上がらない、20ドル台まで下落も=中原元日銀委員 ← クリック
昨年来の原油急落について、市場では価格主導権を握りたいサウジアラビアによる政治的な思惑との解説も聞かれるが、中原氏は「純粋に需給要因。エネルギー価格が高くなり過ぎると経済を冷やすため、原油価格には天井がある。サウジも十分理解しただろう」と述べた。
まぁ、真偽の程はどこにあるのかはわかりませんが、石油先物の「下げトレンドの中の高いところ」は安心して売れる状態に見えますので、短期売買でもこのチャンスにガッツリ利益を出せるかもしれませんね。
ただそんなことは世界中の投資家が考えていることですから、調子に乗っているといつかまとめて「売り側」を刈り取る動きも必ず出てくると思うべきで、注意が必要なんでしょうね。
昔から言われていることは「石油は難しい」という話。石油をコントロールしているメジャーが莫大な利益を出しているのは当然ですが、彼等は「価格決定権」も持っているわけで、先物市場にも大量の資金が流れているということ。つまり今回の下げでも「売りの主役」は彼等かもしれない。「現物と先物」と両方で利益を出す恐ろしい(羨ましい)集団。
私が忘れられないのは、2008年の石油が暴騰している時に、ゴールドマン・サックスだったかなぁ、メリルリンチだっか、「目標値は150ドル」だとかなりの強気の読みを発表したんですね。その後、1ヶ月かそこらで大暴落。あの時にもごっそり「刈り取られた」投資家がいたんじゃないでしょうか。