糖質制限は簡単だけど難しい

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糖質制限を始めた方からメッセージを頂戴しました。

「私も糖質制限食を始めてみましたけれど、難しいですね~~~」

とのこと。

以前にも似たようなメッセージを頂戴したことがありますが、糖質制限をする理由も程度もわかりませんのでなんとも言い様がないのですが、私としては

「血糖値を上げないのは簡単」

だと思っています。「糖質」を食べなければ上げたくても上がらないんですから。ただ、糖尿病の方とか、他に病気を持っている方のことは全くわかりません。このブログでの話は、ダイエットのためのとか糖尿病予備群で血糖値を低く保ちたいというレベルでの話。これが大前提なのは忘れないで下さい。

でも

「糖質制限を続けるのは難しい」

とも思います。その理由ですが

○ 糖質の低い食べ物は限られている
○ 市販されているものにはごっそり糖質が含まれているものが多い
○ 糖質の低いものばかり食べても満足しない、よって長続きしない

ただ方法はいくらでもありますし、近年は糖質制限が一つの流行りになっていて、糖質の低い「糖質制限用の食材」も市場に出回るようになったので楽にはなっていると思います。でも

○ 糖質制限用の食材は高価である

ということもあって、やっぱり大変。

それでもやろうと思う、というかやらねばならない人はやるしかないわけで、やってみれば道はいくらでも開けると思っています。また前にも書きましたが「食欲に変化が出る」のは間違いがなくて、それは「食欲が減る」というのとはちょっと違う、まさに「変化」としか言いようのないことが起きるはずです。これはアトキンス式でも言われていて、多くの人はそこを読み飛ばしがち(そこに言及しない)ですが、大事なポイントだと思っています。

つまり、「慣れればどうにかなる」と思うのです。

ではどんなものを食べれば良いのかですが、誰でもまずは食材のGI値を調べるはずなんですね。GI値って?と思う人は糖質制限は出来ないと思って良いくらいで、食材によって「糖質の含有量」「血糖値を上げるスピード」が違って、また食材によっては「血糖値を下げる作用のある物質」を含んでいたりして、結構ややこしいですが、まずは「大雑把に」「どんな食品にどれくらい糖質が含まれているのか」を知らなければどうにもなりませんね。ここがスタートだと思います。

でもそれは本当は違っていて、糖質制限をするにあたり、一番最初にやらなくてはならないことがあると思っています。それは

「血糖値を計る測定器を手に入れる」

これがなくては始まりません。これがないと、地図もGPSも無いのに知らない土地を運転するのと同じことが起きてしまいます。そういう場合にどうするかというと

○ 地元の人に聞く
○ 勘に頼る

しかないのと同じなんですね。自分の血糖値を計ることなくして「自分がどうなっているのか」は絶対にわからないわけです。ただ不思議なのは、こんなアタリマエのことをしない人が大多数だということ。これはネットの糖質制限関連のサイトを見てもそうですし、私の周りを見ても同じです。中には「糖尿病なのに持っていない」人までいるくらい。

ではどうやって調べているのかというと、「定期検診」で見るわけです。それは「空腹時の血糖値」であり「ヘモグロビンA1c」であったり。

これじゃ何もわからないのと同じだと私は思うんですよ。地図が無くて運転しているのに例えれば、東京から青森に行くとして、自分は仙台にいるのか、まだ東京都内をぐるぐる回っているのか、埼玉あたりにいるのかのチェックをしているだけで、では今、これからどの道を曲がってどう行くべきかはわからないんですね。

でもGPSがあれば全てはわかるのと同じで、血糖値の測定器はMUSTなわけです。

これさえあれば逆に面倒なことを覚える必要がないと言っても良いくらいで、書籍もネットも読む必要がないし、自分が思いつくまま食べても、食後に血糖値を計れば、どうするべきかはすぐにわかるんですね。その経験の蓄積が大事であって、「理屈」はどうでも良いことになります。

以前に「玉ねぎは血糖値を下げるのか?」に関して書きましたが、これも自分で食べて、自分で計ればすぐに答えは出るんですね。どこの誰が、たとえ医者だろうが「下がる」と言っても、自分が食べて下がらなければ「玉ねぎを食べると血糖値は上がる」というのが自分にとっての真実なわけです。

こういう経験の蓄積をするべきであって、「知識」はいくらあっても「何の役にも立たない」ということを最初に確認することが大事だと思います。

実際に血糖値を計りながら食べるようになってもどんどん疑問が出てくるはずです。

それは「上がるはずなのに上がらない」とか「上がらないはずなのに上がる」とかそういう食べ物がかなり多いんですね。その代表だと思うのが「蕎麦」「玄米」だと私は思っています。蕎麦や玄米は良いと信じている人がたくさんいますが、実際に食べて自分の血糖値を調べたら「全然駄目じゃん」ということが多い。

でも蕎麦や玄米は良いという人が嘘を付いているのかというと、そうじゃないんですね。「上がりづらい」のは間違いがないわけです。でもその程度が問題で「大して変わりはない」というのが現実でしょう。これは上に書いた玉ねぎも同じで、「玉ねぎには血糖値を上げない作用がある」のは間違いがないわけです。でも目に見えるように「血糖値が下がる」わけじゃない。

結局これって巷の栄養談義に似ていると思うんですよ。トマトにはビタミンA,C,H,Pやリコピンじゃなんじゃが含まれていて、抗酸化作用がどうのこうのと言われますよね。こんな話を聞くと「トマトを食べなければいけない」みたいな感じになるわけですが、これって「ほとんどすべての食べ物に共通する」ことだと私は思うんですよ。どんな野菜でも肉でも魚でも「特筆すべき素晴らしい栄養素」があるのが普通。

つまり、突き詰めれば「どれを食べても体には良い」ということで、「危険なもの」さえ食べないようにすれば、あとは普通に食べていればよいってことじゃないの?と私は思うわけです。

あれが良いとかXXXに効くなんていう話が巷には氾濫していますが、多くは「販売促進」であったり、「近視眼的なある一点を強調しているだけ」にしか思えないのです。そして実際に、それを食べても「良くなった実感」はないんですね。でも食べ物なんてそんなもので即効性があるはずもない。

ところがですね、糖質に関してはすぐに結果がわかるんですね。

食べたらすぐに体が反応して血糖値は上がってくる。即効性があるどころの話ではなくて、食べて30~60分でピークが出るくらいに早く体は反応する。

この我々が持つ消化吸収のメカニズムって驚くほど強力で、でもそれがあるから生きていけるわけですが。(笑)

ですから、「何を食べれば良いんだろう?」「食べないほうが良いものは?」と悩む必要もまるで無いってことなんですね。計ればすぐわかるんですから。

でも逆に、血糖値の測定器を持っていない場合はどうです?疑心暗鬼が延々続くだけですよね。「大丈夫なはずだ!」とか「これは駄目!」なんて「事実を知ること無くああじゃこうじゃ考える事がいかに無意味であるか」を考えるべきだと思うんです。

目を開けば目の前にあるものが見えるのに、目をつぶったまま、「自分の目の前にあるのは何か」とああじゃこうじゃ考えるのと同じですよね。

ですから「血糖値を計る測定器を手に入れる」のが一番最初にやることだと思うわけです。

逆を言えば、計りもしないでああじゃこうじゃという意見は無視するべきだというのもわかるはず。これはネットの中の多くの情報がまさにそれで、「どこかで仕入れた知識を書いているだけ」がいかに多いのかがわかるはずです。ヤフー質問箱やOKWaveがまさにそれ。また糖質制限のことに関して書いているサイトの多くもそれ。

でも中には、実際に測定しつつ、「自分ではこういう結果」だと書いているところもありますから、そういうところを中心に見るようにしないと「わかったつもりで、実は何もわかっていない」状態が続くだけだと思います。

前にも書きましたが、どこの病院か忘れましたが、その病院では「糖尿病の治療方法は、患者に血糖値測定器を渡し、毎食後血糖値を計り、その数値と何をどのくらい食べたかの記録を残させるだけ」というのをテレビで見ました。

これを見た時にはなるほどと思いました。ああせいこうせいと細かいことを言っても駄目なんですよね。でも実際にはそういう細かいことがわからないと糖質制限なんてできないわけで、さてどうするか?

人間て不思議なもので、その数値を毎食ごとに見ているうちに、いつの間にか「何を食べたらどうなるか」がわかるんですね。そして自然と血糖値が上がらない食事になっていく

糖質制限をしていて気をつけないとならないことですが、たまにインチキをしたくなるじゃないですか。アイスクリームを食べたいとか、ケーキ、羊羹を食べたいとか、あるいはラーメンでも天丼でも良いですが、「これ一回ぐらいは・・・・」と誘惑に負けてしまう事が多い。

ところがですね、その後に、実際にどのくらい自分の血糖値が上がるのか見ると、「あああ、やっぱり駄目だ」といのをはっきり自覚できるんですね。でも計らなければ、自分の体に何か変化が見えるわけでもないし、「たまにはいいじゃん」という癖がついてしまうのが普通でしょう。(ダイエット目的の場合は、これをやるとそこでリセットが掛かってまた最初からやりなおしになる。日数をかけてケトン体が出るようにしてもそれが元に戻ってしまう)

そしてやっていくうちにわかることとして、「野菜はいくら食べても大丈夫」というのが嘘なのもわかってくるんですね。なぜか私も含めて「野菜だけ食べていれば健康」みたいな信仰があると思うのですが、血糖値に関して言うとそれは間違えていて、ニンジンなんて恐ろしいくらいに上がります。もちろん芋などの「でんぷん質」が多いものも「こんなにあがるのか?」と思うほど上がる。

それと調味料も同じで、大さじ一杯のケチャップの恐ろしさもわかるようになるんですね。

と同時に、「豆類」って本当に大丈夫なのもわかって嬉しくなったり。(笑)

つまり、いかに自分の中の「常識だと信じているもの」がいい加減かというのが、自分で血糖値を測ることによってはっきりする。

そしてまた、血糖値がかなり上がるニンジンでも、スープで食べた時とサラダで食べた時とまるで血糖値の上がり方が違うのにも気がつく。

私はここは非常に大事なポイントだと思っていて、GI値でその食材の性質がわかっても、「調理方法」で全く違うんですね。

これも考えてみれば当たり前の話で、流動食みたいな、離乳食みたいな、あるいはスムーズなスープ状にしたものって「糖質を煮だした液体」と同じで、あっという間に消化吸収されるんですね。砂糖水を飲むのと同じ。

でもそれに比べて消化が悪い調理方法だと、血糖値の上がり方もおだやかになるのがわかる。

この辺のことは「スープは糖質制限の大敵」という日記に書きました。(クリック)

また、マレーシアは「糖尿病大国」ですが、マレーシアのサイトで「スープ、出し汁は飲むな」と書いてあったのが忘れられません。その理由は明確に書いてありませんが、スープや出し汁は「砂糖水と同じ」、そして「消化吸収を助ける」からだと思います。

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また若いころにスタイリストをしていたヨメさんに聞いた話ですが、「ダイエットするモデル達」は「食事時に水分を摂らない」と聞きました。本当かよ?と思うし、いまから30年以上の前の話ですし、その頃の流行りでもあるのかもしれませんが、それを聞いた時に私は「理にかなっている」と思いました。(モデルたちは「食べない時」には水分を大量に摂るらしい)

要は「お腹の中で消化吸収が悪いようにする」ってことなんですね。いや、これは言葉が悪いでしょう。「時間を掛けて消化するように」しているというべきか。

ここも大事なポイントだと私は思っていて、普通「消化吸収が良いものは良い」という信仰がありますよね。でも糖質制限では逆になるはず。

時間を掛けて消化吸収すれば、それだけ糖質は徐々に回りますから「急激な血糖値の上昇はない」わけで、「インスリンもそれなりの分泌をする」のでしょう。ちなみにダイエット目的の場合は「いかにインスリンを分泌しないか」がポイントであって「血糖値が高いと太る」のではないんですね。「インスリンが脂肪を作る」という考え方の上に立脚しています。また血糖値が低いと「脳は飢餓状態だと勘違いする」わけですから、脂肪分解に拍車が掛かるという考え方。

とにかく「血糖値の測定器を手に入れる」のが一番で、測り続けていると毎日毎日発見があります。そしてそれの積み重なったものが「【自分にとって】間違いのない事実」となるわけで、それなくしてはいくら書籍を読もうが、医者の話を盲信しようが、あるいはこういうネットの中の情報をみようが、「それは所詮【他人の話】」でしかないというのもわかるはず。

そして他人が大丈夫なのものでも自分では駄目、またその逆があるのは(理由はわからないにしても)自分にとっての事実は間違いなくわかるはず。

自分にとって何が事実なのか、それを知らずして糖質制限はできないし、遠回りを延々続けるだけだと思っています。でもそれでもいつか目的地につけるのなら良いと思うのですが、世の中を見ていると「糖質制限をしている【つもり】」の人が多いのがわかります。

ダボは相変わらず生意気だと思うでしょうが、私はどう思われようとかまいませんし、とにかくまずは「正確に調べる」ことから始めた方が良いんじゃないでしょうか。

計測器ってこんな感じのものです。決して高いものではなくて数千円からせいぜい1万円台のはず。ただし、指を針で刺して血を出してそれを計るわけですから、気になる人もいるとは思いますが、決して痛くもないし、蚊に刺されるよりかは楽なはず。(笑)

どこの薬屋でも売っているはず。

また血糖値を計ることによって「運動がどれほど効果があるか」もはっきりわかります。つまり、「いつ食べるべきか」とか「いつ運動をするべきか」というのもわかるようになるんですね。例えば、腹ぺこのままで運動して食事をするべきか、それとも食後30分から運動するのとどちらが良いのかなんてこともすぐわかる。またどのくらい変化があるのかという細かいことまでわかるわけです。

またどうしても甘い物を食べたいときには、食事とは一緒に食べず、血糖値が低い時を狙って食べて、次の食事までには血糖値が下がるようにすれば良いわけです。同じように、甘いモノじゃないにしても血糖値が上がるものをどうしても食べたい場合には、血糖値が上がらないものと組み合わせるとか。それは理屈ではだれでもわかりますが、実際に何をどの程度どう混ぜて食べたらどうなるのかという細かいことまで、自分で計ればわかるようになるんですね。

で、そんなことを何ヶ月か続けていれば、いちいち計らなくても今の自分の血糖値はどのくらいか、この食事を食べたらどのくらいになるのかもわかってきます。

また血糖値をどの程度管理したいのかも人それぞれで、ダイエット目的でもある私としてはそれこそ110以下に抑えたいぐらいですが、180を超えなければ良いとか、150までとか、そういうアローアンスがあるのなら糖質制限にはかなり幅ができるんですね。白米は駄目、ラーメンも駄目なんて真剣にならなくても、ほどほどにすれば目標は達成できるはず。でもこれもまた計らないとわからないんですね。

そして私ほど徹底的な糖質制限は必要がないにしても、それを数ヶ月かやってみると、糖尿病予備軍も治ってしまう、あるいは糖尿病も良くなるのかもしれない。これに関しても自分の結果をこのブログに書いていますが、確信は無いにしても、血糖値が極端に上がらないような体になっているようです。ですから予備軍の方は「まだ大丈夫だ」と思うこと無く、また「糖質制限をやっている【つもり】」でもなく、一度真剣に糖質制限をやってみるのは無駄ではないと思っています。

だからやっぱり計らないと。

それとダイエット目的の場合は、血糖値をかなり低い状態で維持しないとうまくなくて、これって「想像」でやるのは難しいと思います。なかなかうまく行かない人の場合は、どこかで気が付かずに糖質を多く摂っているケースがあるんじゃないでしょうか。私の場合は、「糖質は一切摂らない」ぐらいの気構えでやって、やっとどうにか制限以内に保てるという感じです。砂糖なんか論外で、ケチャップ大さじ一杯、片栗粉大さじ一杯がどれほどの糖質を含んでいるのかは、測ってみるとすぐにわかります。それと上にも書きましたが、「野菜なら安心」と思うのは大きな落とし穴。

私が書いたことってややこしいと感じるかもしれませんが、「血糖値の計測器を持てば」すぐにわかるようになることばかりです。

 

 
    

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