これから書くことは「ジジババのロングステイ」とは全く関係なく、「若くして海外に出るケース」の話です。そこのところは勘違いなさいませんように。
たまに思い出したように「海外脱出を簡単に考えるな」的なことを書きますが、初めての方からメッセージを頂きました。
子供のために出ようと考えている方なのですが、私のブログを読んで「簡単に考えすぎていたようだ」と思ったとのこと。行こうと思っている先はマレーシア。
この方が単に「留学」程度の考えなのか、それともマレーシアで成人させてそのまま住んでいたければそれでもよいと考えているのか、そこのところまでは書いてありませんでした。
これって「行ってから考える」ことのように思う人が多いのかもしれませんが、それは大きな間違いなんですね。先に考えても後に考えても同じで、「永住権がなければただのお客様」でしかないわけです。もちろんMM2Hでは就労の自由もありませんし、社会保障も全くなし。
マレーシアの永住権があるとどうなるのか私は知りませんが、少なくとも「就労の自由」があるのは素晴らしいと思います。永住権がなければ就労ビザを取るしかありませんが、それは「取ってくれる就職先を見つける」ということで、「職業選択の自由がある」とは私は思いません。
では「起業」あるいは「自営業」も良いかもしれませんが、子供にどれだけの才能があるのかどうか。
またそれがうまく行っても「継続」は簡単ではないし、もし病気や怪我でもして働けない状態になったらどうなるのか。それの想定は無駄ではないはずです。かなりの資産を持っていても同じで、資産とは「紙切れ」ぐらいに思うべきで、大事なのは「資産の多少」じゃなくて「稼ぐ力」なんですね。「これだけあれば十分だと思ったのに・・」とどれだけ悔やんだ人が過去にも現在にも存在するか。
何を基準に考えるかですが、「もしも自分や家族、こどもにも「障害がでる」ようなことがあったらどうする?」という仮定は良いかもしれません。
「その時は帰る」ではなくて「そういう状態で生きていくなら日本より良い国はないのか?」という発想が大事だと思っています。
そういう状態になったらうまくない国に行く場合は、「いつか引き上げるのが前提」になるはず。稼ぎの根本である「就労の自由」さえない国ならなおさら。
子供が育つスピードって恐ろしく早いですし、学校のこと、言語のこと、文化や習慣のことも考えて「先手を打たないと間に合わない」のが子育てだと思います。その時になって慌てても「流される」だけ。ですからかなりの長期になってもよいという前提だとしても、「いつでも帰れる準備」は常に必要だと思っています。
日本で「地方から東京へ」、あるいは「東京から地方へ」と拠点を変える人は多くいますが、日本国内の場合は「帰る時を常に想定しながら生きる」ことはないのじゃないでしょうか。またその必要も無いのかもしれません。でも国外の場合は「いつまでもそこで自由に生きて良い」という権利、あるいは許可がない限り、そして万が一の時のセイフティネットがなければ安心はできないわけで、国外の場合は「永住権」が必須だというのはそういうこと。
永住権の取得は難しいと考える人は多いですが、でも外国にいる「外国生まれ」ってサービス業やタクシーの運ちゃんにも多いですがほとんどが永住権を取っているんですね。もし本当に「永住権は取れない」ぐらい難しかったらそういう人たちはいないはず。
「日本から出たいから出る」「その国に行きたいから行く」のは個人の都合でしかなくて、相手国にしてみると「冗談は勘弁してくれ」ということなのをきっちり自覚する必要があるんじゃないでしょうか。またもし「どうしても永住権取得は無理」という結論が出たら、「長居はできない」と考えるしかしか無いんじゃないでしょうか。
自分が永住権を取るのは無理でも「子供には取らす」という考え方もあるわけで、アメリカで子供を産もうとする女性は多くいますし、あるいは目的国に留学させてそこでどうにか永住権を取らせると考える親も結構いるんですね。
で、子供が永住権を持つと「親を呼び寄せる権利」も出来るのが普通で、それで自分も永住権を取るという手を真剣に考えている人もいる。
永住権欲しさに「永住権・市民権を持っている人と結婚する」人はかなりの数いますし、またそういうアングラビジネスもあるんですね。
それだけ海外においては「永住権」が大事で「基本的人権は永住権がなければ守られない」ぐらいに考える人は多いし、実際にその通りだと思います。
海外で一番大切なのは?
命。
その次は?
ビザなんですね。
その辺を簡単に考えているってことは将来に関しては「夢」を持っているだけで、「現実」を見ていないってことだと思います。
私が今日書いたことは、「海外在住組」にしてみると「常識」だと思っています。でもマレーシアがらみだと、私が異常みたいな雰囲気なのね。おもしろいと思います。 (笑)
「簡単に行ける」のは良いことじゃなくて、それは「簡単に恐ろしいことが起きる」ってことだと思っています。
でも最初から「足掛け」のつもりでいれば全く問題なし。子供の数年の留学に付き添って行ったのと同じですから楽勝でしょう。楽しい思い出がたくさん出来るんじゃないでしょうか。