オックステイルは大好物で・・・って大好物ばかりなんですが、これに関してはほぼどうやればいいのかはわかってきました。でもそれは洋風であり、韓国風というか、シンプルな味付けでは過去に失敗した経験があります。(前回失敗の巻はここ)
なぜ失敗したのかが結構気になっておりまして、それを確かめるためにも今回のオックステールはシンプルな味にしようと思っていました。
シンプルな味付けでも大成功したこともあります(ここをクリック)。この違いは何かというと
最初に焼いて焦げ目を付けたか否か。
これだけだと思うんです。他に思い当たるところはありません。でも焼き目を付けないだけでこれほど違うというのがどうも納得行かないのです。結構韓国人の韓国料理レシピを見て作るのですが、オックステイルスープに関しては、韓国風では焼かないんですね。また焼肉屋で食べるコムタンスープも焼かない。
だからどうして私のが美味しくないのかがわからないのです。成功した時には焼いていますし、ミレポアもきっちり入れましたが、それは違う作り方なんですね。
ということで、今回は
○ ミレポアは使う。
○ 焼かない。
という、前に失敗したのと同じことをしてみました。でも今回は慎重にどこかやり忘れたことがないかきっちり考えながら作りました。
出来たのはこれ。
これってオックステイルスープじゃない?そうそう、そうなんですよ。オックステイルスープではない。
なぜかというと、「失敗したとおりにやったらやっぱり失敗したから」。(笑)
今回もオックステイルとは別に、スープ用に「牛骨」も手に入れました。かなり気合を入れまして、骨も肉も(韓国風に)流水に約2時間浸けて血抜きをします。これが結構出るんですね。びっくりするくらい。
なおかつ骨と肉を一度茹でこぼします。4,5分煮ました。そして流水で洗い、目立つ脂肪分は落としました。
下湯でした骨。
下湯でしたオックステイル。
まず骨だけ圧力鍋に掛け、約2時間煮だしました。塩味がついていないので美味しくはないですが、動物臭もなくそこそこ良いスープがとれたはず。
このスープにオックステイルを入れて煮こむわけですが、本来は焼いて焦げ目をつけるんですね。でも今回はあえて焼かずにやってみました。ミレポアも焼きません。ハーブ類は胡椒のつぶ、ニンニク、ショウガ、そしてベイリーフぐらい。
圧を掛けて約40分の調理後。
野菜類は全て捨て、出来る限り油も捨てて味見をしたのですが、やっぱり美味しくない。塩を入れて味を出しても、なんだかつまらない味なんですよ。こんなのがお店で出てきたら暴れるだろうと思うくらい美味しくない。
でもま、今回の実験課題は「失敗を再現する」ことでしたから、そういう意味では「大成功」。(笑)
やっぱり「焦げ」がどれほど重要なのかがよくわかりました。それがあるかないかだけで天と地の差があります。これが本日の結果。
で、この美味しくないのをどうしたら良いかとなれば、やっぱり洋風にするしかありません。
小麦を炒めてスープを入れ、そこにトマトペーストじゃ赤ワインじゃと入れて、当初の目的とは全く違う洋食に変身です。別の鍋にスープを作って、その中にオックステイルを入れて煮込んだのがこれ。
それを更に盛って食べたのが一番上の写真ということ。
でもね、やっぱり美味しくないんですよ。美味しく無いというより、「大事なものが抜けている」というのを強く感じます。そしてそれは「焦げ」。メイラード反応ですね。これをいかに使うかが洋食のポイントだと思うのですが、でも和食でも同じ。もし焼き鳥に、あるいは焼き魚に焦げがなかったら全く美味しくないのと同じ。
煮こむのに焦げが必要なのか?って素人の私は思いますが、焦げこそが「調味料の概念がない洋食」の大事な大事な調味料なんだろうと思います。
「焦げ」はメイラード反応ですが、焦げは茶色。醤油もミソも茶色。メイラード反応としては同じことなんですってね。だから和食では焦げをあえて使わなくても醤油や味噌を使うってことは結局基本は同じなんでしょう。
メイラード反応に関しては、私がいつもブログに書く「関西食文化研究会」をご覧になったら「かなり」理解が深まるはず。
イベント情報 料理のプロ、必見!「関西食文化研究会」第七回イベント メイラード反応とは何か? 6月26日日曜日
料理界の重鎮が集まり、かなり深いレベルの話し合いがなされています。必見!
今日は焦げの重要性を再確認した調理実験ですが、まだ疑問が残ります。
なぜ、最初に焼かない韓国料理は美味しいのか。これはヨメさんが作るオックステイルも同じで、ヨメさんも焼きません。非常にシンプルで白濁した美味しそうなスープに仕上がります。
不思議だ・・・・・。
どうやったらあれを作れるのか、さっぱりわかりません。白濁(乳化)させる方法じゃなくて、美味しく作る方法。