我が家はいろいろ問題を抱えていて、今のままチンタラ生きていくわけにはいかず、大雑把な方向性は見えているものの具体的にどうするべきなのかを相談することにしました。
昨日はシドニーにいる次男坊と電話でいろいろと話し、その結果を踏まえて今日は長男と私と二人でいろいろ相談。ヨメさんはその中に入らず。我が家のヨメさんは「毎日の生活の中でどうあるべきか」考える人で、長期的な展望をなぜか持たない人だから。
一杯飲みながら話そうということで、日本式焼肉屋のJFXへ。
今日は雨が降っていたせいか空いていました。最近、この店では「店内」では焼肉ができなくなって(排気の関係)、外で焼くしか無いのですが、やっぱり雨が降っていたから客が敬遠したんでしょう。いつもは一杯なのに。
まずはビールで乾杯。生ビールはオリオンビールとアサヒがあって、まずは安い方のオリオンで乾杯。でもやっぱり「アサヒの方が美味しくね?」ということで2杯目はアサヒ。そして、その後のために焼酎をボトルで注文。水割りです。
このJFXという店は「オーストラリア産和牛」を置いているんですが、やっぱりまるで違いますねぇ。美味しい。
一番美味しかったのはこれ。ハラミです。
次に美味しかったのはこれ。中落ちカルビ。
この店って本当に変わっている店で、サービス内容が抜群。スタッフの気の効き様たるや日本では当たり前なのかもしれないけれど、オーストラリアでは逸脱しています。それもマニュアルに従ってという感じじゃないのね。一人ひとりが「あるべきサービス」を考えているのがわかる。伝わってきます。
その辺がオーストラリア在住としては非常に気になる点で、どうしてこういう風になるのか今日はちょっと聞いてみました。当然、オーナーの田中さんは「サービス精神旺盛」なんだけれど、どうしてそれが店長を始めスタッフに行き渡っているのか。定期的にミーティングを開いて「それなりに厳しい教育」をしているんだろうと客としては思うのですが、スタッフに聞いてみるとそうでもないらしい。
土日にミーティングはやるとのことですが、どうも「自立しろ」「自分で考えろ」という点に重きがあるらしく、細かいことをああせいこうせいということはないと。では実際にどう「動くか」に関しては「先輩スタッフ」が教えてくれるとのこと。
流石ですねぇ。オーナーとか店長が教えるのではなくて「先輩スタッフが教える」ってところに感心しました。スタッフの多くはワーキングホリデーとか学生のバイトであって、専門の「正社員」は少ないはず。でも一人ひとり全員がこの店では「サービス業のプロ」に見えるんですから。
つい先日、こちらのスーパーで買い物をした時に、セルフサービスでの会計システムで機械が誤動作するんですよ。それで何度も近くにいたスタッフに助けてもらったのですが、彼女は「一言もしゃべらず」「ニコリともせず」「目も合わさず」機械が動くようにするだけ。
ま、合理的といえば合理的で、その面倒を見るのが彼女の仕事なわけですが、「最低限の事だけ」をしようとしているのがはっきりわかります。
オーストラリア、特にゴールドコーストって観光業が盛んで、大学ではそっち関係の勉強をする学生が結構います。「ホスピタリティ」ですが、一体、学校では何を教えているのかヒジョーに興味があります。「客はどうしたら喜ぶのか」をホスピタリティ学部で教えているのかどうか。これはどこのホテルへ行っても感じることで、「最小限の必要なこと」を「手際よくこなす」のが彼らの仕事だと考えているフシがあります。
でもオーストラリアで求められるのはきっとそういうレベルで、「客を喜ばす」「また来たいと思わせる」にはどうするかという、「日本では当たり前」のことを知らない人たちばかり。
面白かったのはこのJFXの新米スタッフと話をした中で、彼はこれからこちらの大学で「ホスピタリティ」を学ぶつもりだとのこと。彼が一体何を得られるのか私にはわからないんだけれど、「君が講師になってサービス業のポイントを教えてやったほうが良い」かもしれないね、なんて笑い話になりました。
こちらの高級ホテルのフロントにいるような人も、手際よく仕事をこなしているようには見えるのだけれど、我々日本人が大事にする「暖かさ」を感じることはまず皆無と言って良いと思います。流れ作業を的確にこなしているロボットにしか見えません。
そんなことを長男と話したり、世界は「ゲーム理論」で動いているとか、その考え方を学ぶ必要があるねとか、そんな話題が中心で、結局、今日の「家族会議」の結論は
「JFXって美味しいし、良い店だ」
で終わり。 (笑)
大事な話があるときには喫茶店みたいなところのほうが良いかも。
でもこの店って本当に「色んな意味で」大した店だと思いますわ。