日本とアメリカは中国が進める「アジアインフラ投資銀行」への参加を見送りましたね。
ところが日本のマスコミ、財界、政界でも「なぜ参加しないのか」の大合唱。「日本が孤立する」と。
まぁ、財界が懸念を抱くのはわかりますが、マスコミや政界も「参加すべき」ってどうなんでしょうね。民主党、維新、共産党が大合唱。
イギリスの参加表明にはびっくりしましたが、あとは雪崩というか総崩れというか世界の主要国が中国になびく姿にはいささか呆れています。でもま、ほとんどの国は「安全保障」には関係ないか、「融資を受ける側」でもあるし、既存の組織とは競合しない国々じゃないですかね。でも日米はまるで状況が違う。
とりあえず参加して、中から「監視」「発言」なんて言っていますが、理事会も常任ではないみたいだし、理事会の力もわからなく中国が中心に動くのが見えていて、それすなわち共産党主導なのに、そして金の半分を出す中国が他国の言うことを聞くんでしょうかね。今まで、そんなことができたことがあるのか。そもそも情報公開をする国じゃないじゃないですか。
私は中国を信用していないと言うのではなくて、中国には彼ら独特の「論理」があってそれがどうも今までの西欧社会中心の世界感覚とはズレがあると私は(多くの人と同じように)感じるわけです。そして中国は金が余っていてアジアに投資したいのではなくて、「投資と受注請負」がセットになっているであろうことは簡単に想像できてしまう。
これは中国がずるいとかそういうことではなくて、IMFや世界銀行、ADBが今まで何をしてきたのかしっかり見ているからですよね。
中国だって海外を舞台にしなければ駄目なのは明白で、彼らが力を入れている「高速鉄道」そして「原子力」などを売るためのお膳立てとしての「アジアインフラ投資銀行」であろうと勘ぐりたくのは当然だと思います。あと中国がアフリカで何をしているのか見れば、ああいう方向でアジアを影響下に置こうとしていると考えるのが順当。
そもそも中国は(日本主導)のアジア開発銀行(ADB)から総額の25.3%も融資を受けている。自分が中心に投資銀行をやるなら、まずそれを返済しろぐらいのことは言いたくなります。ODAも受けるなと。
ADBの内容。
中国のAIIBに関して。
今こそADBを強化するチャンスだ(アメリカが弱体化したことから)という青山氏。
18:30から。
この青山氏って「熱い」人で、「断定」したものの言い方をする人ですが、私は一目置いていますし、彼が出る番組はほとんど見るようにしています。関西でやっていたテレビ番組である「アンカー」って結構好きだったんですが、終了すると聞いてがっかり。
しかしまぁ、このAIIBにしろIMF、ADBにしろ、これらの実態って「恵まれない人たち」の弱さにつけこんで、「金を貸してやるからこれを買え」って面があるのを感じます。ODAもそう。なんだかんだ言っても「自国の利益」が最優先されるんですかね。でも「自国」が正面に出ると格好が付かないから「国際的な」「開発銀行」みたいな形にしているだけみたいな。他国を引きずり込むのはそれだけ資金を集めたいからではなくて、危険分散が目的みたいな気がします。
中国のAIIBは「迅速な融資」という謳い文句も気になります。これって「俺の一存で決める」と中国が言っているようで、不透明さが指摘されていますがその通りだと思います。中に入って口を出すにしても、口が出せる組織にはなっていないですよね。日米が参加すれば出資金はそれなりの額になるはずですが、中国のいいように使われて、また何か起きても他国のせいにするのは今も昔もまるで変わっていないわけで、下手すりゃ「日本のせいで・・・」と言われるのを想像しただけでげんなりしてきます。
日本はAIIBに参加したつもりでADBを強化して、「日本のやり方」を世界に示すほうが良いと思うんですけどねぇ。なーんていうとADBを仕切っている財務省が喜ぶだけか。(笑)