日本はこれからどうなるんでしょうか。メディアはなんとなく明るい未来を書くようになっていますが、本当なんでしょうか。
また、未来ではなくて過去、現在はどうであったのか、私はこの辺をしっかり見直す必要があると思うんですよ。私が一番腹が立つのは「消費税増税」で、財政健全化には「増税」と「支出削減」しかないような論調が大勢を占め、国民だって、そりゃそうだよなと思ってしまう方向へずーーっと動いてきたこと。
でも経済成長があれば財政は健全化の方向へ向かうわけで、でも確かに難しいことではあるのだけれど、せっかくやっとのことで光明が見えてきたところで「増税せよの大合唱」。アベノミクスがうまく動き出して、さてこれからという時に世論は増税と支出削減にしか向かわないのは異常だと思っていました。日本がうまく動き出したところでそれに水を指すような消費税増税。これはメディアも政治家も評論家も揃って「影響は微小」と言い続けてきた。(黒田さんもそれを言っていたのは大問題だと思います)
でも今の停滞の根本は消費税増税だとしか言えないわけで、それも多くの人が認めるようにはなってきた(認めないシンクタンクもあった)ものの、ではあの当時に「増税すべし」「影響は微小」と言っていた人たちは何の責任も取らないし弁明もなし。
安倍さんが強行(?)した選挙も、大義がないと言われていたけれど、あれは私は「政権vs財務省」の戦いで、選挙ではっきりさせないとならない問題だと何度も書いていましたが(政権vs財務省の構図が見えない人には無駄なことにしか見えない)、やっぱり「財務省」に問題があるというのが最近浮き上がってきた様子。財務省は1つの省だと思ったら大間違いで、中国で言えば共産党のような力を持っている組織で、メディアも政治家も評論家も財務省には逆らえないシステムが出来上がっていると感じます。
日本政府の(日本のではない)借金も必ず「総額」でいうし、「国民一人あたりの借金」という言い方をして国民に危機感を与える。でも借金があれば資産もあるのは企業も個人も国家も同じなのに、そこのところは隠す。
また自国通貨で国債も出せないギリシャと日本を同列に語ってみたり。本来国の借金とはなんなのかの知識を歪めて広めようとしている意図を感じてしまいます。
日本の国債も売られると大騒ぎしたのに売られて下落することはない。いや、その内・・ではなくて、どうして今まで売られないのかの理由をはっきりする必要があると思うわけです。つまり日本の借金は莫大でも内情はたいしたことではないというのを世界は知っているからでしょう。
またとても不思議なのは、円高当時、日本はかなり円売り介入をしましたよね。その後、円安になっているということは為替特会は莫大な利益を出しているはず。円安で誰が一番儲けたかというとそれは日本そのもので約20兆円の利益が発生したのに、誰もそれに手をつけろとは言わない。そしてそれを言うのはタブーの様子。
どうも日本の危機を煽り、「増税」と「支出削減」が大目標の財務省に沿った動きばかりが目立つこの数年間、最近、我々一般でも「何だかおかしいんじゃない?」というのは感じている。
中国のアジア開発銀行も「バスに乗り遅れるな」というけれど、そもそもそのバスはちゃんと走るのか?という問題があるわけで、日本とアメリカが参加しなければAIIBは資金調達コストがADBなどより1%は高くなるとのことで、このままでは「高利貸し」になってしまう。だから中国はなんとしてでも日本・アメリカを引き込みたいわけで、でも最近のニュースでは「中国の拒否権」があり、「理事会は常駐しない」などわけがわからない状態。これに乗れるわけがないのに、早く乗れという声が後を絶たない。
そんな中で、一体日本の何が問題なのか、問題だったのか、これからどうあるべきかの面白い討論会がありました。出席者は私にしてみると皆さん凄い人ばかりで、本当に勉強になりました。
宍戸駿太郎(筑波大学名誉教授・国際大学名誉教授)
高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
田村秀男(産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員)
野口旭(専修大学教授)
松田学(前衆議院議員)
三橋貴明(経世論研究所所長・中小企業診断士)
渡邉哲也(経済評論家)
三橋さんや渡邉さんもこの数年で力をつけてきましたし、こういう人たちがもっと大きな声が出せるような環境づくりが大切だと思いました。
細かなミクロ戦略の話ではなくて、マクロとしての日本がどうなっているのか、どうあるべきかを考えるには良い対談だと思いました。ややっこしい細かな話は皆無で、非常にわかりやすい。