毎日毎日、あれやこれやと調理実験をしていますが、やっぱりこれって調理実験であって料理ではないと思います。
実験そのものは面白くて、今までありとあらゆる実験をしてきましたが、嘘のようだけれど同じものを同じように作るというのは一度もやっていません。常に違う調理方法、調味料を変えたらどうなるかとか、そんなことの繰り返し。まさに実験でアイデアや検証したいことは山のようにあってきっと一生掛かっても終わらないと思うのですが、「料理」として考えると最悪。
私が毎日食べているものは「実験の終わった残骸を食べるような」そんな気がしてきました。
今日の昼ごはんですが、ヨメさんが「豚を焼くけど食べる?」と聞いてきました。「うんうん」と素直に反応。(笑)
ここのところ冷蔵庫冷凍庫の整理を中心にやっていますが、実験ってテーマがあって必要な素材がありますから、余り物とか在庫だけでやるのが難しいんですよ。だから余計なものをどんどん貯めこむことになるわけですが、在庫整理となった場合、実験より「料理する」という感じになってくるんですね。
でもそうなって初めて自分には料理の才能がないというのがよく分かる。(笑)
ヨメさんが作ってくれた昼ごはん。なんてことのない(冷凍庫に寝ていた)ポークチョップを焼いたものですが・・・
これを目の前にしてしばし考えこんでしまいました。
在庫の冷凍ポークチョップを焼こうと決めたにしても、自分にここまで出来るか。私は実験は面白いものの面倒くさがり屋ですから、ほとんどワンディッシュ調理になります。下手をすれば豚肉を焼いて、そこらにある野菜を乗せるだけとか。出来るならキャベツの千切りもしたくない。
別に手のこんだものがあるわけではないですが、なぜこういう風に作ろうという発想が出て来るのかが私にはわからないのです。余っているものをうまく使っていると思いました。納豆って場違いみたいですが、糖質制限を(一応)続けている私のことを考えて「ご飯代わり」なんでしょう。でも全体的には辻褄が合うようにポークチョップも和風味。
これ、完璧な糖質制限食。栄養価のバランスも(炭水化物をのぞけば)良い。
これって簡単なようで、実は頭のなかでどれだけ計算して作ったかというのは、自分でやってみるとよく分かるわけで、私にはたったこれだけのことも出来ない。やろうと思っても何を使ってどうするべきかがわからない。
今、長男はメルボルンの方に遊びに行っていますが、早く帰ってこないかなぁ。
私が実験したものは息子に食べさせて、私はヨメさんの作ったものを食べる。なーーんてね。(笑)
それと今日のこのお昼ごはんですが、味付けは美味しいんですよ。ポークチョップはオーブンで焼いて、うまい具合に(フライパンでは付けようのない火で焼いた)焦げ目も付いているんだけれど、肝心要のポークチョックそのものが美味しくない。またヨメさんは私みたいな肉食系のライオンタイプではありませんから、牛肉も赤いと駄目。豚肉もピンクは駄目なんですが、これまた低温調理したみたいにばっちりミディアムで柔らかく焼けている。
これも不思議なんですね。肉の塊じゃありませんから、いちいち芯温なんて計るわけもないし、ヨメさんが温度計を使っているのは結婚してから今まで見たこともありません。でもどうして見えないオーブンの中で自分の思うように焼くことが出来るのか。それも使ったオーブンはこの前買ってきたばかりで、ヨメさんが自分で使うのは今日が初めて。
それともっと不思議なことがあるんですよ。
オーストラリアに来て24年、ヨメさんはこちらの素材が悪いと文句を言ったことが一度もありません。(昆布と海苔、若干の調味料だけ日本から取り寄せてくれという程度)
なぜ?
「問題ないから問題ないよの」
みたいなことしかヨメさんは言いませんが、なぜ日頃から素材の悪さに文句ばかり言っている私とこうも違う?
料理ってやっぱり私には別世界なんだろうと思うばかりなり。あ~~、いやになる。