上海もギリシャも今のところ一安心という感じなのでしょうか。
私は株式投資はしませんし、なおかつ長期投資はしない、いや私の技術では無理なのでやらないだけですが、今回の動きを見て感じたことを書こうと思います。
私が一番大事にしていることは、「損切りは確実にする」ってことなんです。ではどうやって損切りの位置を決めるのか。これは人それぞれ手法それぞれだと思うのですが、大事なことは「決めたことは守る」なんですね。
そういう意味で、今回の動きですが、もし私が日経225の先物で長期投資していてロングポジションがあったとします。
私は3種類のトレンドの見方をしています。超短期、短期、中長期で、それぞれTrend Magic、Doda_Donchian(一目の基準線)、そして一目の雲の改造版で一目改と(勝手に)名づけた雲。そして大きな流れをHMAでも見ています。これは位置関係で市場の力関係を見るのに非常に重要視しています。
これらと値の位置関係でトレンド判定をしているのですが、今回はそのどれもがトレンドの変換を示唆する位置まで値は突っ込んだわけです。
これって損切りなり撤退の値をどう計算しようと、私の場合ですと「間違いなく撤退」の位置まで落ちています。だから何を考えること無く「撤退」するはず。
でも結果的に戻したじゃないですか。ここなんですね問題は。
きっと撤退、あるいは損切りした人の99%は、しまった・・・と思うはず。この気持を乗り越えられる人ってかなり少数派だと思います。
でも大事なことは、「出るべきところで出られた自分を褒めるべき」だと思うんです。
今回のような動きを経験すればするほど、ここで投げたら失敗するという思いが蓄積されるんですね。損切りが難しいと言われるのはこういうことだと思うんですよ。
私の経験でもそうで、本当にマーフィーの法則ってあるんじゃないかと思うくらい逆に動くのね。投げればすぐに反発する。では反発するかと思うとそのままどんどん行ってしまう。こんなことの繰り返しでした。
でも、チャートを重視するのであるならば、ここは「売るしかない」と私は思いますし、私の手法だとそうなります。これはその人の手法によるわけで、こういう動きでは「逃げる必要がない」、「まだ様子見の段階」と判断する手法もあるんだろうと思いますが、どちらにしても大事なのは「決め事は守る」ことには変わりはないと思います。
もし今回の動きで、投げて失敗したと後悔する人がいたとしたら、その人はチャートを捨てるべきかもしれませんね。自分の決めた手法のとおりに動けないのなら見るだけ無駄ですもの。でも多くの人はそんなことを頻繁に行っているはず。私もそうでした。我慢に我慢を重ねて、もう駄目だと観念して投げたところが大底だったことは何度もあります。(笑)
大体、我慢をするってこと自体、おかしなことなのにそれに気が付かなくなるのね。「欲望」のせいだと思います。額が大きくなればなるほどそういう傾向が強くなるから困ったもんです。
そんなことを今回の動きを見て感じました。そういう意味で、非常に勉強になる動きだったと思います。
とともに、長期投資、日足でのトレードって難しいと再確認した動きでもありました。
長期で保持しますと、世界情勢、要人の発言、主要指標の発表、あるいは天災・人災で大きく動くことがありますが、それの予想は私には不可能だと思っています。でもそれが起きる。
この時にどう対処するべきかが私にはよくわからないのです。
それも私が短期投資、そして突き詰めると目先の動きを売買するスキャルピングしかしない理由でもあります。
今この時間にも市場はクネクネ動くんですね。面白いと思います。5分間の間に世の中に何の変化も無いのに値は動き続ける。
つまりこの動きは買い手と売り手の思惑、強弱だけで動いているんですね。これこそがチャート分析の得意とする部分で、力関係を見るだけで済むってこと。それだけ判断しなければならないことが減るわけですから、私にはそれがベストであると考えています。
力関係で値が動くという点だけを言えば、長期投資、日足で見る動きも同じなのですが、その力関係が「あまりにも多くの要素で変化する」のが日足の世界だと思っています。つまり、どれほど勉強してもギャンブルの要素が大きく残ってしまう。
世の中に何も起きていない、重要な指標の発表もない、そんな中でクネクネ動いている小さな山を狙い、「その山だけで勝負を完結する」ことが、我々弱小トレーダーの生きる唯一の道だと考えています。というか他のやり方は私にはわからない。(笑)
でもねぇ、ジジになると、頭の回転も悪くなるし、身体もピピっと動かなくなりますし、なんせ目に掛かる負担が大きいですから年寄りのスキャルピングって難しくなるんですね。困ったもんです。
ですからどうせ長期投資は自分には出来ないものの、数日間ていどのホールドで勝負する方法をどうしても見つけなければなりません。でもこれって手法だけじゃなくて、生き方、性格もそれに合わせて変えないとならない部分があるんですね。日足を見てのトレードとなれば、回数は激減しますし、私の基本的な手法は目先の小幅抜きですから、それなりの大きなロットを動かさないと「子供の遊び」になってしまいます。だからといって大きなロットを数日間抱えたまま「ゆっくり寝たり」「どこかへ出かけたり」そういうことって小心者には非常に難しい。
無理やりそれを乗り越えることは出来ないにしろ、どこかに妥協点があるんじゃないかと思いますが、何年探しても見つからず。(笑)
ちなみにチャート上で見る今後の予想ですが、全くわかりません。というか今の場所がどういう場所かと言えば、まさに「真ん中に立ってどちらに行こうか考えているような形」なんですね。基本的には「陰転したところを叩く」形にはなっていると思いますが、諸条件を考えると下降トレンドも出来上がっていませんし、陰転してきてもあえてショートする場所ではないと思います。
でもロングで入る場所ではないのははっきりしていると思います。これは「上がらないと読む」って意味じゃなくて、こういう形の時には「どう動こうが関係ない」ってことだと思っています。
トレードには「買う」「売る」「休む」の3つしかありませんが、チャート分析にも「読む」「あえて読まない」があるんじゃないでしょうか。
こういう形の時には、私は「俺の出番はまだまだ先だ」と思って他のことでもやっています。
これが長期投資の難しさでもあるんですね。自分がポジションを持っている限り常に読もうとするでしょ?そんなのわかるわけがないのに・・・
で、わからないのなら手を出さない、あるいは撤退であるべきなんですが、長期投資って「保持する」のを前提に考えるから逃げるべき時にも逃げるのが難しくなるんじゃないでしょうか。
あらゆる投資は「ポジションを持つ」ということのはずですが、「いかにホールドする時間を短くするか」という発想があってもよいと思うのです。私の基本は「ホールド時間が長ければ長いほどリスクは高まる」であって、一番良いのは「何もしないこと」なんですから。(笑)