今回の安全法制論議、採決に関してはいろいろな意味で鬱憤がたまります。説明不足のままの強行採決もそうですが、本当に議論するつもりがあるのかと思うような反対派の動き、プロパガンダ。私としてはどっちもどっち感があります。
では国民が「内容に関して」どう思っているのかというと「良くわからない」が本音であって、誰しも不安がありますからそこを煽られれば、「やめとけ」となるのも当然だと思います。だからといってそういう現状であるなら「やめておこう」と簡単に言えないのが責任ある立場のはずで、強行採決に向かうのでしょう。
あまりにも基本的なことさえ理解されていない面があるのは大問題で、またそれが国会でも議論されていないと安倍さんも判断したのでしょう。国民向けにテレビに異例の長時間出演で説明をした。
これをぜひ見たかったのですが、ユーチューブにありましたので紹介します。
非常にわかりやすいと思いました。まずはここの理解を国民が持たない状態では何も始まらないのでしょう。
ただし、何人かの質問者が出ていましたが、この番組の基本は「安倍さんが安倍さんの考えを説明」しているだけで、決して議論ではないということ。また番組はフジテレビであって、テレ朝ではないという点(笑)。ま、そういう意味でも「安倍さんの考えの説明」以上の何ものでもない番組。でもまずはそこをしっかり抑えるのは大事だと思いました。ここを理解せずに、言ってもいないこと、考えてもいないことをああじゃこうじゃ煽って「お化けが出るぞ」的な話は無意味だと思います。
でもここから先に進む必要もあるわけで、ここに岡田議員、あるいは辻元議員がいたらどういう展開になったのか、その辺も興味があるところです。
それと私が思うところは、この安倍さんの主張はその通りなんだろうし、それ以上のものではないと信じたいのだけれど、私は政府には不信感を持っているし、それが確定的になったのは福島の原発事故でもあるし、安倍さんの基本的な考えは理解できたとしても、本当にそれに沿った法律なのかどうかがわからない。
国会では法律論に終始していてわかりずらいという指摘もあるんだろうけれど、そこが大事だと思うんですよ。本当に言っていることと法律の内容が同じなのかどうか。
これって我々の日常でもそうだけれど、法律とか契約のややこしい点があって、何か起きるときってその辺の理解、一語一句の解釈の差で「まさか」ってことが起きますよね。また安倍政権が未来永劫続くわけでもなく、どんな政権が立っても「今の安倍さんの考え」を引き継ぐかどうかはわからない。その政権が右よりだろうが左よりだろうが、その法律の解釈によって何でもありになる危険性もあれば、やるべきことをやらないのもまずいと思います。
評論家の佐藤優氏が面白い表現をしていたのが忘れられません。あるモールの中のビルの中に入って3階を歩いていて、隣の建物とは通路で繋がっていて、フト気がついたらそのビルでは4階だったみたいな。
今回の法律はそういうことがあっては許されないと思うし、法律論としてこれで大丈夫なのか、まだ全然足りないのか(そういう論者もいる)、その辺の理解も私としては深めたいと思っています。