台湾のことをブログに書いたことってあまりありませんが、私にとってはかなり気になる「国」です。
なぜかって?
好きだから。(笑)
若いころに集中的に台湾へ行っていたことがありまして(仕事)、当時は世界がどんなものかなんて全くわかっていませんでしたが、台湾って日本と繋がりが深いせいか、「日本とはまるで違う外国」って感じを私は持っていません。文化的にも価値観にしても私は日本に近いと思っていますし、私の中ではずーっと「台湾は親日国」というイメージを持っています。東日本大震災の時には台湾からは突出した莫大な額の支援金が送られてきたのもそれが理由だと思っています(ある宗教団体の動きが噂されていますが)。
でも過去には中国が台頭してきて、台湾を国際社会から追い出して、というか飲み込んでしまって、それをどの国も認めてしまうという恐ろしいことが起きた。日本ももちろん台湾を一つの国家として認めておらず、中国の一部という認識。
私は国際社会の縮図がここに出ていると思うんです。強い奴が勝つ。単純明快なルール。(口だけの平和主義者はこれをしっかり見て欲しい)
でも今でも私は台湾の国民は中国の一部になるのが良いとは思っていないはずだと思っているんですが、でも今の総統は本土出身の外省人で国民党の中国寄りの人。それも信念があるんだかないんだかわからない、ちょっと変わっていると私は思うんですが、国外に出ると中国べったりの発言をし、国内向けには「そんなこと言ってないよ」とシャーシャーという人。今までの総統とはちょっと違うタイプ。
中国よりで、中国にはリップサービスもすれば中国が喜ぶこともする。もちろん反日の言動をしますし、そういう運動を後押しするし、中国に合わせて「抗日戦争勝利70周年」も大々的にやる人。ま、抗日はそれはそれで良いと思いますが、それは台湾としての問題であって、中国と歩調を合わせる必要は全く無いはずなんですね。
独立派と親中派が台湾の中に存在して、どちらが本当の民意なのかって良くわからないと思うのですが、そもそも台湾というのは中国の一部、領土というより「原住民」がいた国で、決して漢民族に支配されていた島ではないんですね。そんなところに日本が入っていき、日本風に台湾は統一され発展したわけですが、もちろん漢民族もいる。蒋介石が毛沢東と戦い、負けて台湾にごっそり連れて逃げてきて台湾を制圧し中華民国を作ったんですから。これこそが私は台湾の悲劇だと思っていて、これは本土の中国人による台湾の植民地化と言って良いはず。でも本来、彼らは毛沢東の中国とは敵対するはずだったのが、時代の流れでいつのまにやら「中国人」としての共通性をだして、中国にすりよるようになってきた。もちろん中国から流入する人達も増え、どんどん中国色に染まっていった。
でも私が感じる台湾って、俺達は台湾人であって中国人じゃないという人が多いと思っていて、台湾独立を願う人達が多いと感じていますし、そういう方向性が自然だし、そうあるべきだと思っています。
でも今の総統は中国べったり。
ところがですね、来年は総統選挙があるんですね。そして独立派の民進党の力が強い。これって私は非常に良いと思うし、是非頑張って欲しいのですが、中国にとってはとんでもない話で、中国寄りの国民党、またあまりにも中国寄りで支持率を下げた国民党の総統候補に変わって、マイルドな中国寄りの候補が第三の政党から出てきた。
これもまた中国の指示というか、絶対に民進党に勝たせるわけにはいかないという動きの現れだと思いますが、国民のムーブメントは「台湾独立」だと思います。でもそれを絶対に許したくない中国があからさまに何かをやる可能性すら考えられる状態とも言えるはずで、天安門事件にしても、民主化は何が何でも阻止する。海外メディアが見てようと押し切るあの国ですから、場合によっては武力による制圧だってありうるかもしれない。もし次の選挙で台湾独立の声が国民(島民)の声だと世界に広まったら、それを取り返すのはまた何十年掛かるかもしれない。香港どころか中国全土にそれが伝播する。また一度でも独立できる、俺達の将来は俺達が決めることが出来ると確信した人たちを変えるのは、今の状態の維持よりも難しくなるはず。つまり次の総統選挙の結果によっては大陸の制度の崩壊にも繋がると思うのです。
台湾との統一は中国の悲願、というより絶対にやらなくてはならない「核心的利益」でこれは国が存続するための絶対条件だという中国の意志を過小評価してはならないと思います。(尖閣も核心的利益だと言うようになっている)
中国は国内に問題を抱えていて、それを抑えこむのにてんてこ舞いしているからこそ、時期的にも台湾の独立派が勝つなんて絶対に認められない。これはチベットでもウイグルでも同じで、独立運動に火がついたら大変なことになる。もちろん国際世論も他の国も民主主義国家が多いですから「新しい総統」の言う方向性を支持するしかありませんから、中国には大問題。
このまま民進党が逃げ切れるのかそこも疑問ですが、逃げ切りそうになった時に中国が黙ってみているとは思えず。統一を中国が急ぐ可能性がある。ですから尖閣や南シナ海の動きもそれだけで見るのではなくて、壮大な計画の一部として見なくてはならないはずなんですね。
安倍さんが急いでいるのもそういう背景があるんだろうと思うんですよ。でもそれを絶対に口には出来ない。台湾独立派、親日派の李登輝元総統が頻繁に訪日しているのもなぜ?裏に何かありそうな感じがするのは私だけ?
世界は台湾を国として認めていない。ということは中国が台湾に軍を進めることがあってもそれは「内政問題だ」と言われれば世界はそのとおりと言うしか無い。でも台湾はそれに反撃するのかどうか。台湾はそれなりに軍備を持っているけれど当然本土に勝てるような軍備ではない。もし反撃したら日米は駄目って見ているのか、それで良いのか。李登輝元総統は日本に何度も来て何をしようとしているのか。今の総統は中国寄りですから、ソフト統一を狙えるけれど、独立派の総統が出てきたら話はガラッと変わるはず。
地域の独立ということは国家への反逆、転覆、動乱、なんでも言い訳は付けられますし、侵略ではなくて鎮圧だと言われれば、他国は手出しは出来ないと思うんですよ。台湾を国として認めていないのだから尚更。つまり統一は世界が認めた既定路線だってことになる。
そんなこともあって、これから台湾の動きは注目したいし、独立派には頑張って欲しいと願っています。
台湾のそういう情勢がわかる動画を紹介します。台湾の今後の動き一つで、東アジアに何かが起きるかもしれない。注目しないわけにはいかないと思うのです。
面白いのは二派の総統候補がどちらも女性だということ。
しかし、この台湾を見る目で沖縄を見ると、ちょっと違う物が見えてくるんですね。私は沖縄は日本だと思っているし、沖縄人とかそういう人種は存在しないし、全く同じ日本人だという意識があります。でもこれって、東京出身で自分の中に「故郷」なるものがはっきり存在しないからそういう風に感じるのだと思うようになりました。
沖縄の左翼、それも沖縄出身の人たちの話を聞いていて感じるのは、日本人であるけれど、自分たちは沖縄人でもあるという意識があるのね。こういう感覚って私には皆無で、そして彼らは沖縄はかつて琉球という独立国で、日本に飲み込まれた歴史を決して忘れてはいない。こういう感覚って都会に住む日本人にはわからない感覚で、また本土の会津だ薩摩だというのとも違うのね。
小国は大国の間で上手く泳ぐしか無いけれど(韓国も同じ)、かつては力によって制圧されることがあったけれど、もし時代が今だとしたら琉球王国は存続していたかもしれない。それこそ、大国の間に入ってうまく立ち回れる可能性すらある。政治の世界のキャスティングボードを握る小政党みたいに(韓国が狙っているのもそれだと思っています)。
沖縄には政府は莫大な金を出しているけれど、もし沖縄が独立国家となったら、そんな金は「はした金」になるかもしれないわけで、あの地理的なものを見たら、それこそ胡麻をスリスリご機嫌を伺わないと大変なことになる。また独立する根拠も無くはないわけで、そもそもアメリカが沖縄を統治した権利がどうなっているのかがちょっと変というか、国連から委託された統治ではないんですね。そしてアメリカにそもそも沖縄を日本に「返還を決める権利」があったのかどうか。また中国はサンフランシスコ講和条約には参加していないわけで、全く違う解釈を言える立場でもある。
これじゃ中国の入れ知恵に呼応する沖縄の人たちが出てきても全くおかしくないですよね。それこそ韓国じゃありませんが、無理やり併合された、侵略以外の何物でもない、今こそ独立すべきと考える人がいてもおかしくない。
私が台湾独立を応援するのなら、沖縄独立も応援しないとならないような気がしてくるんですよ。少なくとも沖縄独立に反対することは出来ないと私は思っていて、それは彼らが決めることかもしれない。
でも沖縄独立を本気で言い出したら、内乱罪、外患誘致罪に問われる前に間違いなく主導者は抹殺、暗殺されると思いますが。そしてそれがまさに今の台湾の状況にも思えてきます。たとえ民意がそちらを向いていたとしても。もし私が中国サイドだとしたら、今の台湾をそのまま放置していたらただのバカだと思いますもの。もし民進党が勝ったら中国の野望は何十年も後退するし、火の粉は大陸にも飛んでくるでしょうし。
台湾にしてみれば、来年の総統選挙は国家百年の計の大事な年になるはずで、それだけに中国は絶対に台湾の大転換を阻止しないとならない。李登輝元総統が頻繁に来日するのも何か起きるのを予感しているからかもしれない。当然日米の協力が必要で、安倍さんも安全法制の成立を急ぐ。
それとですね、海外の紛争に巻き込まれたくなくて腰が引けているのがはっきりしているオバマ氏が大統領の間に、中国はやるべきことをやってしまったほうが良いと考えるかもしれない(中国の南シナ海での暴走は間違いなくそれに原因があるはず。ロシアのウクライナも同じ。)。次の大統領になったらまた積極的に海外に出るアメリカになるかもしれないし。来年の台湾の総統選挙。これって大きな転換の引き金になるかもしない。でもまだ中国には決行するだけの実力は無さそう。
でもそうだからこそ、今なら中国が出てきても叩ける可能性があるとすれば、力を付ける前に叩く機会をつくろうと考える人達もいるかもしれない。その為に中国が動かざるを得ないように、上海株の暴落とか、国内を不安定化させるように動いてる組織もあるかも。私は国際政治ってそこまでやると思っていて、戦前(大東亜戦争)のコミンテルンやアメリカもそのように動いていたと思うのです。でもオバマにはそれだけの根性も指導力も無さそう。でもペンタゴンは考えるかな?今なら叩ける。でも今後のアメリカの既定路線の軍縮が進んだら手が出なくなる。そしてそれさえも中国サイドは読んでいる。これが国際政治じゃないんですかね。
それのキーワードは台湾の総統選挙。これを注視していたら裏で動くなんらかの力が見えてくるかもしれません。まかり間違えばこれが戦争に発展する可能性大だと思っています。だからこそ最近中国は日本に軟化してきたような態度も見せるし、安倍さんもそれに応えようとしていて、なんらかの調整を模索しているんじゃないですかね。戦争をしたい国は無い。でも国の存続を考えた場合どうしても手に入れたいものがある。さてどうする?
最近の中国の動きを単なる経済問題だけで見ると大事なところが見えてこないんじゃないでしょうか。台湾問題。これがポイントのような気がします。
どう思います?