世の中いろいろ考える奴がいるもんだ。商売のネタ

古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

皆さん、キックスターターってご存じですか?

自分が新しい商品とか商売を考えても自己資金でやるのは大変だし、それに投資してくれる人を探すのってほぼ不可能に近いのが普通。でも今の時代、ネットでそれができるんですね。

自分のアイデアと事業計画を出しておくと、それに賛同した人が投資をしてくれる。金額は様々で、1ドルなら「ありがとう」だけ。10ドルなら「情報提供」。20ドルなら「T-シャツ」。100ドルならその製品。200ドルならオプションを含めたフルセットとか。

これって面白いと思うのは、出資者は実は「投資家ではない」んですね。単なる支援者と予約注文を出してくれる客でしか無い。現時点では構想だけしかなくても、将来それが来年でも再来年でも欲しいと思う人は金を出す。結構いいじゃん、頑張れよという人は少額の「応援金」みたいなのを出す。

当然、商品もない予約販売ですからそれなりの割引はあるわけですが、これはアイデアを出した方としては非常に有難い。それこそお客様は神様状態。(笑)

今回面白いものがありました。日本の企業ですが、「宙に浮く盆栽」を開発した。

私も一つこういうのがあっても良いなぁと思って見ていたんですが、これってこう言っちゃ悪いけれど、技術的に大きな問題があるとは思えないし、製造が難しいとも思えず。つまりアイデア勝負なわけですが、このエアー盆栽に投資した人はなんと3499人。総額約78万ドル。1億円近い金を集めた。この企業が集めようとしていた金額は8万ドル。ほぼ10倍のお金が一瞬にして集まったってこと。日本の地方の企業ね。

この出資者の内、実際に製品ができたら届けなくてはならない投資家(?)がどのくらいか計算はしていませんが、大した原価にはならないはず。

キックスターターのこの企業のページはここ(クリック)

良い時代になりましたよね。

私は昔から中小企業のオヤジで、アイデア一つで勝負してきましたから今の時代を生きる人達が羨ましくて仕方がありません。いいアイデアなら世界中の人がそれに出資してくれる。でも実態は単なる「いいね」でお金を出してくれたり、その商品じゃなくてTシャツかそこらを送って終わりだったり。つまり、商業としての投資家、出資者じゃなくて「応援者」に限りなく近くて、企業にとってのリスクは非常に少ない。

こういうシステムだと、詐欺師も当然出てくるはずで、うまい話を並べて金を集めて逃げちゃったなんてことが起きるのかもしれないし、あるいは予定とは違う粗悪な製品を作って「やっとできました」と送りつけてくるかもしれない。ま、そんなことはこのキックスターターを主催している企業も考えていて、詐欺師を排除するシステムがあるんだろうけれど、不可抗力ってあるわけで、たとえば工場が被災したとか、リーダーが大病に罹ったか、そりゃいろいろ考えられる。つまり、将来起きるかもしれない不可抗力を「最初から想定する詐欺師」がいた場合にはそれを事前に把握することは出来ないんじゃないですかね。

私が気になっていた小型のドローンを作るという企業があって、その製品って画期的だったのでやっぱりかなりの金を集めたんです。ところが出来たものはろくでもないもので、こんなはずじゃなかった・・みたいな。あれは結局どうなったんだろうか。製品は一応作ったわけで、でもそれが期待したほどのものじゃなかった、なんてのは「投資者は泣き寝入り」になりますよねぇ。普通の商品だって、良いと思って買ったらわけのわからない中国製ですぐに壊れたなんてことはあるわけですから。また壊れたならワランティもあるだろうけれど、「思ったほどの性能ではない」場合はどうなるんでしょうかねぇ。

そういう意味でも企業にしてみると、努力する甲斐はあるし、でも普通の商行為みたいにクリアしないとならないハードルは低い、あるいはない場合もあるわけで、こんなんでお金が集まったら楽勝なんてもんじゃないと思うんですよ。

しかし、このシステムって凄いと思う。若者が夢を叶えるには最高のツールじゃないですかね。夢を見た若者に、その夢を叶えさせてやりたいという人がお金を出して、億の金が集まっちゃうんですから。下手をすれば、それが製品化された後、その支援者だけに製品を渡して、「これで終わり」というビジネス設計をしたほうが商売としては面白いかもしれない。下手に金が集まったからといって会社を大きくして製造量も多く、営業マンも・・なんて余計なことをすると赤字になったりね。

このエアー盆栽ですが、価格は230ドルかそこららしいのですが、彼らが集めた87万ドルを売上と考えると、なんと3800セットぐらい売らないとならない。もしゼロから自己資金でこの仕事を初めて、3800個売るってかなり大変だと思うんですよ。でも製品もない時点でその売上が確保できているってなんなんだこれ?って思いません?

スタート時に金が集まって、それは決して借金でもなければ後で経営に口出す投資家の金でもなくて、応援者と予約販売の客でしか無いとしたらこんな面白い仕事ってないですよねぇ。

私が若いころ、こんなシステムがあったら絶対にやってるわ。良い物を作れたり、良いアイデアがあっても埋もれてしまうのが普通で、こういう時代になったって凄いと思う。

しかしこのエアー盆栽。一つ欲しいなぁ。(笑)

 
 
 

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。