またベトナムのフォー・ボー(牛のフォー)を作りました。
またかと思うでしょうが、前回は大量に作ったのにヨメさんは一口も食べていないとわざわざ置き手紙までしましたし、そりゃ悪いと思ってまた作ったんですよ。
でも今回は肉は「牛の頬肉」ではなくて「オックステイル」を使いました。だから全くの別物です。
またか~?ってのは日本的発想で、日本人だって外人からすれば「また白いご飯を食べてるの?お味噌汁も?」っていうのと同じなんですね。それに今回は使う肉が違うわけですから、この前のお刺身はマグロだったけれど、今日はカツオで全く違うものだ~~というのと一緒。(笑)
まぁ、冗談はさておき本当に別物のフォーボーになりました。私はやっぱりオックステイルが好きだ~~。頬肉ってちょっとクセがあるんですよ。だから濃い味のシチューにするには良いけれど、純粋なスープだけ比べるとオックステイルのほうが品の良い味がする、と思います。(グルメでもなくてベロの性能が悪い私は偉そうなことは言いたくない)(笑)
スープが透明でないのはご愛嬌です。圧力鍋を使うとどうしてもこうなりますが、本式でコトコトと煮込むと透明で綺麗、上質なスープになる。でもそれだと6-8時間は掛かってしまうのね。
スープを取るのに使った骨はこれ。牛の肋骨です。肉や脂、スジが付いていますので良い出汁がでます。しつこいと感じる人もいるかもですが。ゼラチンもばっちり。
これを一度茹でこぼして大量の水で煮込みます。調味料や野菜、スパイスのたぐいは一切なしで、ほんのちょっと日本酒を足しただけ。使ったのは手抜きの圧力鍋ですが沸騰するまで待ってアクを丁寧に取り除いてから圧力をかけて時間は一時間。
そのスープから骨だけ取り出して、そこにこれまた一度茹でこぼしした「オックステイル」を投入し、また圧力鍋で1時間。この時も沸騰するまで待ってアクを取り除いてから加圧。
この時にフォーの基本的なスパイス、そして玉ねぎ、ニンジン(フォーのレシピではこれは入れないのが普通)、ショウガのスライスを入れました。そして煮上がってから骨や脂、野菜の全て、スパイスも取りのぞき、肉も一度どけてスープを濾して、ニョクマムとパームシュガー、塩で味を調整してスープは出来上がり。
我が家で使う麺はこの二種類にほぼ決まっていて、私は細いビーフンが好み。ヨメさんと息子は幅広の米麺です。以前は生麺をつかっていたのですが、どうもうまく茹でられるずにベチョっとした感じになるので、茹で加減が調整できる乾麺を使うのが我が家の主流になりました。
フォーボーに入れる具材はこれら。オックステイルも多く入っていますが、やっぱり牛の赤身のスライスは必需品だと思います。赤いのはピーマンではなくて赤唐辛子の大きいやつ。絶対に無いと駄目なのはコリアンダー。フォーもベトナムの南部と北部では入れるものが違うそうで、南部は様々な香味野菜を入れるとのこと。北部は中華に近いらしい。
そしてフォーボーに添える調味料としてはこの3つ。海鮮醤(ホイシンジャン)とスリラチャ(ちょっと甘みのあるチリソース)、そしてヨメさんが考えたホットチリをニョクマムに漬けたもの。こういうものって実際にベトナムやタイにあるのかどうか知りませんが、ヨメさんが思いつきで作ったもので、ラーチューシーヤォ(ホットチリの醤油漬け)よりフォーには合うと思います。
そして我が家で使うニョクマムですが、いくつか試した結果こればかり使っています。またニョクマムはタイとベトナムと濃さが違うようで、その辺を知らずにレシピ通りの量を使うとおかしくなるらしい。ベトナムニョクマムのほうが薄いとのこと。
よくニョクマムとかナンプラー、魚醤、フィッシュソースとして売っているものはこのブランドのものですが、上の物のほうがかなり美味しいと思います。
美味しかった~~~。前回は一口も食べられなかったヨメさんも今回は満足したはず。
実はですねぇ、8リッターの圧力鍋で6リッターぐらい作ったんですよ。オックステイルも1.8キロぐらい。骨があるので賞味1.3キロぐらいだと思うのですが、先ほど見たらもう殆どなくなっていました。やっぱり息子がスープだけ飲んでいる様子。あいつもよっぽどフォーが好きなんでしょう。メルボルンで東南アジア人として6年住んでいまして、東南アジア料理にはうるさくて、使うライムまでこれじゃダメだなんて文句をいうやつ。メルボルンの食文化って凄いとのこと。シドニーもかなわないらしい。そんな息子が「オヤジのフォーは間違いなく美味しい」とお調子をこいてくれます。(笑)
ただちょっと気になったのはゼラチンが多すぎるかもしれないってところ。肋骨もゼラチンが凄いですが、オックステイルも半端じゃない。そしてスープとしては肋骨はパンチがあってオックステイルはいつも使う頬肉より上品な味。つまり肋肉とオックステイルのコンボは選択として間違っているかもです。多分、肋骨じゃなくて首の骨とか大腿骨のほうが良いかもしれない。
あるいは上品な人向けでは洋食でも同じみたいですが、若牛の骨、肉を使うのが良いのかも。もしかしたらベトナムでもそれが上質のフォーとされているのかもしれません。私は労働者風にパンチがあるのが好きなので肋骨派ですが。(笑)
美味しかった~~。ご馳走様~~~~。
ってやっぱりちょっと飽きたかも。(笑)
今度作るときは圧力鍋を使わないで真剣に作ってみましょうかね。8時間はかかるけれどスロークッカーを使えば放置プレイできるし・・・。
フォーの基本的なスパイスはこちら。
◯ スターアニス(八角)。これがPhoにとっては一番大事なスパイスとのこと。
◯ シナモンスティック
◯ クローブ(丁子・チョウジ)
◯ フェンネルシード
◯ コリアンダーシード
◯ カルダモン
これらを鍋で「軽く煎ります」。ふ~~っとアロマが出てくればOKで鍋に投入する。