サウスポートパークにあるパン屋ですが結構繁盛していて、美味しいのだろうと何気なく買ったサワードウブレッドが美味しくなかったと書きました。これがオーストラリアンスタンダードなんですかね。カランビンにある日本人のパン屋(Panya)が美味しいと商売もどんどん広がっているようですが、それもわかるような気がします。
さて、味見をしてこりゃ駄目だと思ったサワードウブレッドですが、もちろん捨てるわけもなく、ヨメさんの提案でしっかりトーストしてバターもたっぷり塗って食べてみました。
美味しい~~~~~~~~~ \(^o^)/
全く、全然、これっぽっちの問題なし(笑)。我が家ではこのレベルで十分。往復2時間を掛けてカランビンまでパンを買いに行くことを考えたら、近くのパン屋でこのレベルなら良いと思います。
結局は、我が家もオーストラリアンスタンダードってことなんだろうと思います。
海外で子供を育てると、彼らに取っては日本が外国になりますし、日本語も外国語。だから日本人として日本語や文化、習慣、そして価値観も日本のものを学んで欲しいと思っても所詮無理。どんなに家で頑張ろうが、厳しく育てようが、エッセンス程度は伝わるだろうけれど、所詮、人間って環境にどんどん染まっていくんですよね。そしてそれって子供だけじゃなくて親も同じ。食べるものもどんどんオージーに似てくるんでしょう。
今、フト思い出した日本人の夫婦。もうかなり前になりますが、ゴールドコーストに移住してきたものの、すぐに「ここで生活するのは無理」と引き上げてしまいました。食生活がどうしても合わなかったとのこと。麻布に住んでいたようなリッチな夫婦で、日本ではかなり良い食生活をしていたんでしょうね。若者でさえゴールドコーストは・・・って言うぐらいですから、良い歳してそれなりに口が奢った人だと、ゴールドコーストの食は責め苦に思えるのかもしれませんね。
だからどうしたって食材に制限があるものの、家で作ってどうにかするしか無い。もし料理が下手で、日本では食べ歩きばかりするような外で良い物を食べる習慣があったとしたらゴールドコースト生活は無理かも。
我々も日本から客が来ると困るんですよ。若ければ巨大ステーキとか山盛りの海産物で騙せますが、口の肥えた中年以降の人達が来るとドキドキもんです。「普段使いの店で申し訳ない」なんて言いつつ、良い店に連れて行くんですよ。お客も有難いことに、適当に感激してくれるので助かりますが、家に帰ってなんて話をしているのか。そんなことを考えるとこちらも疲れるばかりですので、ある頃から家でバーベキューにすることが増えました。
20年前って本当に何でも安かったんですよ。「伊勢海老食おうか~~?アワビにする?」なんてことが平気で言えましたし。当時、伊勢海老もアワビも1キロ28ドルぐらいだったんです。だから日本じゃまず見ることがないような巨大アワビでも2000円かそこら。ある時に、日本で懇意にしていた寿司屋のご夫婦が遊びに来たんです。その時もアワビじゃなんじゃ出したのですが、半端じゃなく感激してくれました。こんな大きなアワビ、うちの店でも使い切れないって。ちなみに日本だとこれで幾らぐらいします?と聞いたら、小売値で3万円は取ると。
でも我が家の原価は2000円。(笑)
ま、アワビはアワビでもいろいろあって日本と同じってわけには行きませんが、かつては日本から客が来るとそうやって誤魔化したもんです。
ところが今じゃアワビもイセエビも当時の4倍以上になっていて、高嶺の花。横目でちらっと見て通り過ぎるしかなくなりました。だから日本からの客の接待は本当に悩みます。親しい友人はこれまた困ることがあって、バーベキューなりそれなりで接待していてもそのうち「クイーンズランド州は海産物が有名なんだよね?」なんて言い出す。海産物って言ってもエビやイカのことを言っているはずもなく、要は「伊勢海老、マッドクラブを食べたい」って意味なんですね。勝手に行ってくれば?って言えないし結構、悩むわけです。中には一週間夫婦で我が家に滞在していて、自分たちだけでは絶対に外に出ないなんて友人もいたり、こっちは仕事があるし、来てくれたのは嬉しいけれど困ったこともありましたっけ。
昔話をしてもしょうがないですが、ゴールドコーストは物価ばかりがどんどん上がって内容的には大した変化はないんじゃないかと思ったり。ちょっと良い店が出来ても長続きしないのね。
先日も読者に教えてもらったある店に行くのを楽しみにしていて、予約を入れようと思ったら去年閉店ですと。こんな店が幾つもある。
でもま、今日のサワードウブレッドじゃありませんが、時間とともにオーストラリアの食べ物も美味しいと思うようになっていくんだろうと思います。25年。振り返ってみるとアッというまでしたが、我々はあらゆる点でどんどんオージー化しているのかもしれません。
こんな私達ですから、マレーシアへ行くと(食べ物に関しては)天国だと感じるのです。和食店に行っても、和食材店に行っても同じ。
私たちはもう日本の凄さを忘れちゃいました。って一般的な日本人が贅沢をするような40-50代の頃はすでにこちらにいましたし、日本の本当の良さも経験していないんでしょうね。断片的に日本の美味しいものを過去に食べたことがある程度でしかない。
でも最近はそれで良かったような気がするんですよ。美味しいものが世界にはたくさんあると、普通のものを食べてそう思えるんですから。
ああ、そうそう、サワードウブレッドですが、牛の頬肉シチューと一緒に食べました。パンもシチューも美味しかった~~~。\(^o^)/
右上にちょこっと見えるのがそのサワードウブレッド。ちゃんと役目を果たしてくれました。