蒸鶏が好きなのは異常なほどだと自分でも思います。このブログには「低温調理」をキーワードとして見る読者がそれなりにいらっしゃいますが、そもそもなぜ私が「低温調理」に興味を持ったかのルーツはまさにこの「蒸鶏」だったわけです。
中華で食べる蒸鶏って美味しいですよね。それは「海南チキン」であり、「紹興醉雞」であり、「白切鶏」であり、場所が変われば違う味付け、違う名前のものがありますが、「蒸鶏」という点では同じで、この蒸し方(多くは蒸さずに茹でる)が半端じゃなく難しい。
何度も書いていますが、鶏の部位として「胸」「腿」「皮」がありますが、それぞれの「丁度よい火の入れ方」がそれぞれ違うわけですから、程よくつくり上げるプロの腕前は本当に凄いと思います。
蒸鶏が好きな方は多くいらっしゃって、「家でも・・・」と思うわけですが、多くの方は失敗する。当たり前だと思います。ネットを見てもそれがわかりますし、あるいは「妥協」している。
素人がどれだけ頑張っても無理って言えば無理で、どこかで妥協しないとならないのは当たり前のこと。
でもねぇ、そういう考え方って私には通じない。(笑)
ということで悩みに悩んだ挙句、「パーツごとに火を入れれば良い」という単純な解決策を見つけて、それでやってみたら今までとはまるで違う物が出来ました。ただパーツごとに分けて調理しますから、お皿の上に綺麗に並べるのは不可能。でもま、その点は妥協するしかありませんし、私の大きな欠点として「並べるのが下手」というのがあります。これはそもそも「絵心」もありませんし、センスの問題でこればかりはどうにもならないと思っています。いつかちゃんと学べることがあれば変わるのかもしれませんが・・・。
今回は、(メチャクチャ安い)鶏皮を別に買ってきたのですが、ちょっと厚手の皮でしたので、お湯にちょっとオマジナイの酒を入れ、30分ぐらい茹でました。そしてその後、氷水に入れて一気に締めます。これが皮をプリプリにする一番大事な所だと思います。
胸肉は嫌いですし、腿肉を使うわけですが、私が一番美味しいと思う「ドラムスティック(下肢)」の部分を使いました。骨は自分で外しますが、この部位で最近の蒸鶏調理法を試すのは今回が初めてでした。
肉は「紹興酒」と「少々の醤油」を入れて丸一日冷蔵庫で寝かしました。これに大した理由は無いのですが、私が欲しているのは「美味しい蒸鶏」であって、それが海南チキン、紹興醉雞である必要は無いわけです。ですから「こういう味、風味だったら美味しいだろう」という自分勝手な趣向を最優先させました。
寝かしたその鶏肉は68度で1時間「低温調理」をしました。なぜこの温度にしたかですが、見た目を重視しています。この温度以下ですとどうしても仕上がりが「ピンク色」になりますから万人向きではないんですね。私は多少ピンクのほうが「火の入れ方が上手い」ぐらいに思いますが・・。(笑)
漬けダレに浸かったままで低温調理をします。醤油は少々しか入っていませんが、肉にほんのり色が乗り、味も薄く付いています。これが常温になったところで、茹でて締めておいた鶏皮を合わせてそのまま冷蔵庫で寝かします。最低4時間ぐらいでしょうか。
食べるときにはそれを温かいお湯に「袋ごと」入れて常温にします。それで準備完了。
切ってみますと、68度でもうっすらピンク色が残っているのがわかります。でもこの程度なら我が家では「文句をいう人」はいません。(笑)
これをこのまま食べても良いのですが、「白切鶏」でよく出てくる、「ショウガ+ニンニク+葱+塩」にかなり熱く熱した油を注ぎ入れ、ジュワジュワジュワ~っとさせたソースがありますよね(名前は知らない)。あれが好きなのであれを作りました。
これも常温にまで下げればOK。蒸鶏の上に乗せて出来上がり。皮は適当に切って、横に乗せるだけ。
美味しい・・・・・・・・・・・・・・・・・・
きっと私が作った蒸鶏としてはこれが最高だと思います。肉がドラムスティックであることも美味しさのポイント。
実はこのドラムスティックには皮が付いています。本来、この皮は68度1時間ではなんとなく「生っぽい」感じになるのですが、皮が薄くその感じはありませんでした。
この料理のポイントは「いかに皮を美味しく食べるか」という点だと思っています。私がそもそも鶏皮が好きであるからかもしれませんが、この蒸鶏も「北京ダック」と同じように「美味しく鶏皮を食べる料理」という考え方があってもよいと思います。え?と思う人も多いと思いますが、そもそも蒸鶏に皮がなかったら美味しく感じるかどうかそれを考えてみればわかるはず。
ま、単に好き嫌いの話でしか無いかもしれませんが、もし「皮はなくても良い」というのならこの料理は簡単だと思います。好きなように味をつけて、茹で過ぎないようにすればそれで出来上がりですから。
皮ですが、鶏が大きかったり、地鶏の場合は「厚くしっかりしている」んじゃないでしょうか。スーパーで買うようなブロイラーは「促成飼育」みたいなもので肉質は柔らかいですが、味も薄く、また皮も薄い。でも大きな鶏、地鶏やマレーシアのカンポンチキンで作る場合、皮の調理が難しくなるはず。ちょっとやそっと茹でても脂も強くネチョっとしたゴムみたいになるはずですから。でもその場合は「長く茹でる」「圧力鍋を使う」のは良いですし、あるいは「油で炒める」のもありかもしれないと思っています。そしてもちろん、氷水に入れてしっかり締めないと、プリっとした食感は出ない(気持ち悪い毛穴も締まる)。
だから「皮は別に調理」というのも絶対ではないし、その皮を見ながら判断するしかないと思います。
今の時点では大きな鶏や地鶏の類が手にはいりませんが、マレーシアでは美味しいカンポンチキンがあるのはわかっていますので、早く試してみたいです。
このやり方で作れば美味しいのができるはず・・・。楽しみ~~~~~~~。
ところで、ネットで「中国蒸鶏の種類」が書いてあるサイトを見つけました。それぞれ微妙に違うんですね。きっとこの中に自分に合うのがあるはず。次回はこれを参考にしてユーチューブでレシピを探し、今までとはちょっと違う味のものを作ってみようと思います。