圧力鍋って使うのが難しい・・

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久しぶりにビーフスープを作ることにしました。もちろん「スープの素」的なものは一切使わずに、大本のスープも牛骨から取る。でも手抜き、時短で「全て圧力鍋を使う」ことにしました。

でもなんだか美味しくないんですよ。牛のフレーバーが完全に飛んじゃってる。「肉をケチったな?」みたいな味。

途中でやる気も失せて・・・

牛骨は「韓国っぽい味」が出る「肋骨」を使いました。脂が半端じゃなく多いのが気になりますが、脂は後で取れば良いし、ここから味がでるんでしょう。

これは最初に流水で綺麗に洗います。これはどんな牛骨を使う時でもお約束で、ノコギリで切ってありますから「骨のカンナ屑」が付いているんですね。それを綺麗に洗う。ただ「韓国風」みたいに水に数時間浸けるということはしません。

これをオーブンでしっかり焼きます。脂がごっそり溶け出てきます。

焼いたものを水から圧力鍋で煮ますが、圧力をかけてから弱火で1時間。冷めてから骨やら味の抜けたスジ、肉は全て捨てます。

そこに牛肉を入れてまた煮込むわけですが、煮込み用の安い肉をこれまたしっかりオーブンで焼きました。

これをスープの中に入れてまた圧力をかけて10分。その間に野菜も(手抜きで)オーブンで焼きます。

肉入りスープが入った圧力鍋の蓋が開けられるまで圧が下がったらこの野菜を入れて、また10分。最初から肉と野菜と一緒に圧力鍋に入れると「野菜は溶けるほど」で「肉はまだ硬い」様になって、「こちらを立てればあちらが立たず」みたいに思うから。

それぞれの煮込み時点でハーブやスパイス類を好きなように入れますが、基本的には「圧力鍋では香りが飛ぶ」のはわかっていますので、最初は適当にしておいて、ここから本格的に味を付けていくわけですが、この時点で、「なにこれ?」みたいな味。牛のフレーバーが非常に薄い。牛骨も肉もかなりの量なのに・・。

ま、しかたがないのでこれに「ブラウンソース」を作って(バター・小麦粉を茶色になるまで炒める)足して、これも手抜き時短で「トマトペースト」を入れて煮込み、そろそろ出来上がる時の状態が一番上の写真です。

「良い匂いがするねぇ」なんて様子を見に来た長男が、(勝手に 笑)味見をして、「牛の味が薄いね」とすぐに指摘。orz

こんな経験は今までになくて、どうしてだかわからず。

一つ言えることは、今回は全て圧力鍋を使ったってこと。今までは牛骨スープは(手抜きで)圧力鍋を使っても、肉を入れてからの煮込みはスロークッカーを使ったり、あるいはガス台で「コトコト状態」を保って数時間煮込んでいました。それと比べると「味の違い」がはっきりしています。入れるもの、味付けはいつもと殆ど変わりがないのに不思議です。

圧力鍋では香りが簡単に飛んでしまうのはわかっていたものの、牛のフレーバーまでここまで飛んじゃうとは想像していませんでした。

でも昔はいつもそうやって食べていたわけで、近年、調理に凝りだしてから「圧力鍋は使わない」ようになり、その違いかと思ったり。真剣に作るときには(たとえばベトナムのフォー)牛骨もコトコト煮込みますから。

やっぱりそこが違うのかなぁ・・・。

そりゃ圧力鍋で同じ味が出るなら、圧力鍋を使わないのはアホってことになるわけで、拘る料理人が圧力鍋を使わないというのもわかります。特に、まさかと思いましたが、あのストリートフードみたいなベトナムのフォーのスープってどんなレシピを見ても数時間掛けて「ちゃんと見張って面倒を見ながら」つくるんですね。私は初めてフォーの作り方を勉強した時に、このこだわり方って「コンソメスープと同じだ」って思ったくらい。

ま、圧力鍋を使うと「濁るのが普通」ですが、それは良いにしても「味、香りが飛ぶ」というのを今回もしっかり確認したという結果でした。

また「出汁を取る」「柔らかくする」には手早くてよいですが、その反面、「雑味も出る」「素材の味が抜けちゃう」「形が崩れる」ってこともあるはずで、(私には良くわかりませんが)上品な味にはならないのかと思ったり。特に、圧力鍋で「長時間」火を入れればそれは間違いがなさそう。

圧力鍋って「素人には良い」ような気がしていましたが、実は逆で、かなり使うのは難しい調理器具じゃないかと思ったり。素材の組み合わせとか時間とかきっちり考えないとダメなんでしょう。時短が出来ると同時に、変化も早いわけで、なおかつ「途中で様子を見れない」から、素人には難しいはず。少なくとも私には難しいと感じます。

その点、スロークッカーっていわゆるバカ◯◯◯みたいなもんで、スイッチを入れて放置するだけで結構美味しいものができるのね。「加熱はゆっくり」「コトコト煮る」ってのを勝手にやってくれるわけですから。カレーなんか、「次の日の美味しいカレー」が最初から食べられる。

私の課題としては「圧力鍋を使いこなす」前に、「ちゃんとしたものを作る」ことが大事で、その後、少しずつ「時短」「手抜き」を考えて圧力鍋を導入するべきであって、巷で言われている「圧力鍋を使えば簡単」ってのは大嘘だと思いました。あるいは消費者を馬鹿にした言い方かも。「あんたのベロにはこれで十分」みたいな。

そういえば「圧力鍋は難しい」というのを若い時に経験したことがあるのを思い出しました。母が昔やっていた新橋の店ですが、ある時に「大きな圧力鍋」を入れたんです。100リッターぐらいの糞でかい奴で、これで豆を煮るんですが、結局フニャフニャしたものと芯が残るものが出来て、どうやっても駄目で使うのを諦めたことがありました。

私がいつも見ている動画レシピはプロの調理人、あるいはかなりの腕の素人のが多いのですが、まず「圧力鍋を使う」ってのが皆無に近いんです。で、「圧力鍋」を検索語句に入れると出てくるのは素人のものが圧倒的に多い。「プロ」の語句を足して検索しても出てくるのはごく少数。あるいは「プロの素人向けのレシピ」だったり。

「プロは圧力鍋を使わない」というのではなくて、「使うポイントをわかっている」ってことじゃないですかね。彼らは素人みたいな使い方をしているわけじゃないんでしょう。

ま、私としては「圧力鍋は極力使わない方向」で行くのが勉強になると思ったり。手抜き、時短を考えるのは「ちゃんとしたものが出来るようになってから」かもしれない。

 
 
 

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