日経平均をどう読むべきかというご質問を頂戴して、それに関して先週書きました。
現時点のチャートの読み方:日経225【相場】 | dabo_gc
この中で書いたことは二通りの読み方。一つは「デイトレならそのまま下げると読むのが普通」、もう一つは「日足の場合は陽転する可能性を読む必要がある」と。
ただし、日足の陽転時にロングで入るのは「逆張りでギャンブルとなる」とも書きました。
この日記は質問があったから書いたわけですが、その質問を頂いたかたらメールがありまして、「ギャンブルをしました」とのこと。(笑)
私が書いたこのパターンに賭けたんですね。
結果論としては成功なのは間違いがないのですが・・・。
イギリスの離脱で下げたのは「一時的なショック」と見ることが出来る。そしてこの状態を安倍さんも黒田さんも放置しないだろうと書きました。でもこれは「読み」なのか「希望」なのか「常識」なのか、そこをどう考えるべきなんでしょうね。私は基本的にはチャートの情報のみを重視しますから、そもそも今回の下げの理由がイギリスのEU離脱だろうが、安倍さんが何を言おうが、世界のどこで何が起きようか「関係ない」という立場です。
つまりチャートの力関係だけを見れば、下げ方向が続くと読むのが正解で、環境の日々の変化が直接目の前の値動きに出てこないデイトレの場合は、下方向の圧力が高いと読んで間違いがないと思います。ただ日足の場合、毎日世界のどこかで何かが起こり、重要人物の発言一つで流れは変わる。日足の場合はそれを無視できないわけで、日記を書いた時点では、今の小さな下げ波動は上昇トレンドに変わった修正第二波の動きで、上昇第三波が来る可能性を考えなければならず、またトレードの基本として上昇第三波は(大きく動くことがあるので)必ず乗るべき波動だとも書きました。
ところが私のチャートでは大きな上昇トレンドに乗ったとは読まない位置なので、私の手法だと「出撃はない」と書いたし、出撃すればそれは(流れを無視する)逆張りであってギャンブルとなると書いたわけです。
でもご質問を頂いた方は私とは手法、ルールが違うのでしょう。出撃したそうで、大当たりだったと。(笑)
御目出度うございますと言うしか無いのですが、ここで大事なのは「成功したからOK」「失敗したから駄目」という考え方で良いのかどうか、ここをどう考えるべきかを熟考することが大事だと思ってまたこの日記を書いています。
正直な所、私もこれに関して明確な答えは持っていません。ただし自分で作ったルールは常に必ず守ることは非常に重要であって、そのルールを壊すことは「なんでもあり」となって、ルールを持たないのと同じことなんですね。またもし「順張り」が基本だとして、「逆張りもする」ということだと、一体基本戦略はなんなのか、それも崩れてくるように思うわけです。
ただし可能性があれば、ルール違反と考えるのではなくて「斥候隊をだして様子を見る」という考え方もあるのも間違いがない。
ただこれは、出撃時のロットを決めている場合には思いつかない方法で、出撃する度に「どのくらいの大きさにするか」考えるタイプのトレーダーだったら、「いつもの半分、3分の1」でトライしてみるとかとそういう考えが出てくる。メールを頂いた方がどのくらいの大きさで出撃したのかはわかりませんが、ここで「勝負をかけた」と「斥候隊で様子を見た」のでは、同じ出撃でもまるで意味が違うわけですよね。
斥候隊で様子を見たのであるなら、私も良い手だとは思いますが、一発勝負を賭けてみたのだとすると、これはやっぱりギャンブルでしかないし、そしてそれに「勝ったことが後々の負けに繋がる」という考え方を無視してはならないと思っています。
つまり「勝てばなんでも良いんだよ」というふうになるってことなんですね。もしチャート分析を基本に考えるのであれば、ルールを厳格に決めることが大事ですし、ルール違反をする場合は「例外」とするべきで、「これもルールのうち」と考えると自分をコントロールすることができなくなると思います。
ルール通りに動くのが大事だとすれば、「ルール通りに出て負けた」のは失敗じゃないんですね。これを失敗だと思うとやっぱり自分のルールを無視するように必ずなる。また「ルールでは出撃なのに何もしなかった。それが結果正解だった」ってのも駄目なんです。これが癖になるとやっぱりルールを無視するようになりますし、「ルール通りに出撃したら負けた」のが【良いこと】だというのを絶対に忘れちゃ駄目なんです。
ましてやルールでは「出撃なし」なのに「出撃して成功した」となると、この成功体験は後の自分にどう影響するのか。
ただ、「逆張りはギャンブル」と私は書きましたが、これは私がそう決めているだけの話で、「こういう場所では逆張りをする」というルールも存在するわけです。それこそトレードの基礎中の基礎である「グランビルの法則」でも「平均線との乖離が大きい場合の逆張り」はルールとして存在するわけで、平均線との乖離じゃないにしても逆張り出動のルール(ボリンジャーバンドだろうがストキャスだろうが、あるいは複数のインジを使ったつっこみ買いのルールとか)があるのなら、それはそれでOKということだと思います。
チャート分析で重要な事は「勝った負けた」ではなくて「ルール通りに出撃/撤退」が出来たのかどうかだと思います。
まずこれが基本中の基本で、しかし結果的にルール通りでは利益がでないとすれば「ルールを見直す」ことが大事で、ルール通りに自分が動けないとしたら、「どんなルールを持っていても無意味」となるわけですね。
もし今回のような値動きでも出撃するルールを作りたいとしたらどうするか・・・。
私は短期トレーダーですので、見逃しは失敗にならないんですね。いつでもチャンスは巡ってくる。ところがもし日足を見てのスイングトレーダーだとしたら全く違うルールを作らないと駄目だと思います。私の手法だと、日足を見ているだけでいつになっても出撃サインが出てこないルールになってしまう可能性があるから。
私はかなり昔、株をやっているころ(225の先物は無かった)はインジケータはRCIが主流でした。それを複数本並べてレインボーにして、順張り逆張りどちらでもありの手法でやっていました。オシレータにのめり込むと逆張りこそが面白くて「最高に気持ちの良い勝ち」がたまに出るんですね。大きなトレンドの変換場所も当たったりしますから。ところがですね、そんな経験が重なると「逆張りこそが醍醐味」と自分では意識していないのに、そう思い込んでしまう。「トレンド転換を当てた~~」なんて喜ぶ人が多いでしょ。あれと同じ。
こうなると酷いもんで、下げトレンドの中の「戻し」ばかり(上昇は逆)狙うようになるんですよ。ある日ある時フト気がつく、ながーーい下げトレンドの中で自分が出撃するのはその中の小さな戻りだけだったなんてね。でもそれでも勝てるから困るんです。その戦略が間違いだって気が付きませんから。後になってチャートを見て、「なんでこの長い下げトレンドなのに俺は買いだけしかしていないんだ?」とフト気がつく。馬鹿丸出しです。
ま、そんな時期もあって、やっぱり「トレンド追従型」でやろうと心に決めたわけです。ですから、逆張りをすると「あの過去に戻る恐怖」があるんです。(笑)
ま、どんな手法がベストかってのは私にはわかりませんが、「自分が納得できる手法」であることが大事で、他人様のそれは全く関係ないんですね。自分の性格や経験を加味して「これがベスト」という手法、ルールを決めて、「そのルール通りに動く」のがやっぱり生き残る唯一の方法だと思っています。
トレードの結果とは勝ち負けではなくて「ルール通りに動けたか否か」が何よりも大事。これがわからないで「勝った負けた」と年中ドタバタしている人が大半なのはおわかりになるはず。これで勝ち組に残れるはずがないですよね?ルール通りに動けるようになって「ルールを磨き上げていく」作業に意味が出てくるわけです。
なぜ欧米には「自動運転」に拘る人が多いのか。こういうことなんですね。流石論理的な人たちの考えることだと思います。ただ、私としては手法やルールを自動化(デジタルで表現)するのは非常に難しいと考えており、コンピューターより自分の脳みそを信じようと思っています。でもルール通りに動けないならなんの意味もないってことですね。
でもまだその続きがあるんですよ。ルールも複数持つようになるし、今度は複数のルールが出すサイン、おりなす模様、パターンを見るという次の段階がある。あるルールでは出撃サイン、あるルールでは何のサインもでない。さてどちらのサインを取る?こうなってくるとまさに脳みそじゃないと判断は出来ないんじゃないですかね。サインそのものが出たと判断するのかしないのか、そしてそれに乗るべきか否か、そこも問題になってくるんです。ですから出撃サインは「見逃しはOK」としても「撤退サインは必ず従う」とか新しい決め事も作り、それで勝率を上げていくというのが私の考え方です。
それが出来るように作ってあるのが私のチャートです。
しかし、あの先週のあの時点で私に質問メールが来たというのは、流石、微妙な場所であるというのがわかる方なんだろうと書きましたが(私が試されたのかな~~? 笑)、なおかつその後、しっかり反転を捉えて勝った。
ギャンブルをしましたと謙遜してらっしゃいましたが、どんな手法、ルールをお持ちなのかヒジョ~~に気になります。
脱帽です。どんな考え方でどんなルールをお持ちなのか、是非、私に勉強させてください。よろしくお願いします。m(_ _)m