相場に関する情報は常に取っていますし、雑誌はアメリカの「STOCKS & COMMODITIES Magazine」を昔から購読しています。近年はオンラインで読めるようになっていますが、最新の動向、ストラテジーの紹介とかかなり詳しい内容。
Technical Analysis of STOCKS & COMMODITIES – THE TRADERS’ MAGAZINE – Learn to Trade
この会社からメールが時々入るのですが、ウェビナー(オンラインセミナー)の紹介がありました。どんな内容かわからないのですが、「3つの大きなミステイクとそれの対応」みたいな感じ。
5分以内にそれが始まるとのことでしたので、ちょっと見てみたんですよ。
そうしたら初心者用で、こりゃ失敗したかなと思いつつ、見ていたわけです。内容は次の3つ。これにどう対処するか。
1 エントリーが遅すぎる
2 エグジットが早過ぎる
3 エグジットが遅すぎる
ま、よくあるパターンで、そうならないようにどうするべきかという内容なんですが、私としてはこういうセミナーにしても書籍にしても「良い例だけだして、こうすれば勝てる」みたいなものが圧倒的に多いので、これもその類だと思ったんですよ。「いかに嘘をつくか、騙すか」というのを楽しみにして見ていました。(笑)
ところがですね、結構内容はまとも。(笑)
それどころか、チャートを出してローソク足の動きを示しながら、「この時点で何を普通考えるか」というのを順を追って説明するんですよ。これがぴったしカンカンで思わず笑ってしまうくらい。つまり、私がいつも書く「欲望(greed)と恐怖(fear)」が入れ代わり立ち代わり出てくるわけですよ。その心の動きをチャートを見ながら説明するんです。
この欲望と恐怖があるから負けるってことを私はいつも書いていますが、実際にどういう場面でどういう欲望、恐怖が出てくるという説明を聞いたのはこれが始めてで面白いと思いました。そして、その心の動きって初心者も上級者もプロも同じなんですね。でもそれをどう乗り越えるのかってのをみんな「経験」で理解している。またそれが理解できない人は必ず負けるし、理解していると思っても「正確に理解し、対応策もはっきりしているか」と問われれば私だって「いい加減な部類」かもしれない。
だからここは「絶対に守るお約束」を決めないと駄目なんですね。例えば1番の「エントリーが遅すぎる」ことに関しては、欲望が出てきてどうしても買いたくて買いたくて我慢が出来なくても、「ストキャスが80以上は絶対に買わない」というルールで抑えこむことが出来る。
ま、そんな感じで単純なルールを示すセミナーでした。チャートで使うのはローソク足、単純移動平均線2本、ストキャス2本、ボリンジャーバンドだけの非常に単純なチャート。あああ、これはアメリカの株式のデイトレです。でもま、チャートの読み方、心の動きはたとえ日経225の日足を見ても同じなはず。
60分のウェビナーで視聴者は500人ぐらいいたのですが、これ、聞いてよかったと思いました。
そしてこのウェビナーって、これ以上詳しく知りたい人は「これを買え」っていうよくあるパターンなのですが、それが149ドルですので、買うことにしました。こういうわかりやすい教え方をするのなら、そして私が見ていた限り、大事なポイントを突いていていて「嘘がない」「作り話がない」のがわかりましたので、こういうメンターについて学んだらかなり早く上達するはずだと思ったのです。
私が息子に教えるより、この会社の教え方のほうがはるかに上手いはず。(笑)
基本中の基本でしかありませんが、何よりも難しいのがその基本を覚えることなんですね。
結局、トレーダーの自分自身の中には「実は3人存在する」とはっきり自覚するのが一番最初に知ることなんですね。自分は自分だと誰しもが思っていますが、こういう文章を書いている自分、読んでいる自分、あるいはトレードを勉強したりチャート分析を学ぶ自分を「これが自分だ」と誰しもが思っている。
ところがトレードをすると、全く違う自分が二人、それも必ず、初心者でもプロでも出てくる。それが「欲望(greed)と恐怖(fear)」の二人。
これが自分の判断に「狂っているとしか言いようが無いほどの影響を与える」わけですが、私はそれを「耳元で囁く声」の様に認識していたんです。
でもこのセミナーでは「その二人が出てきて、自分を乗っ取る」という言い方をする。つまりそこに本当の自分はいなくなっちゃうんですね。この言い方って的を得ていると思うし、そういうふうに認識することが「いかに欲望(greed)と恐怖(fear)が自分を邪魔するのか」という自覚に繋がると思いました。
「自分の中には3人のトレーダーがいて、入れ代わり立ち代わり出てくる」
これが実相で、こういう状態だというのをはっきり自覚するだけで、「欲望(greed)と恐怖(fear)」を抑えこむことが出来る様になるかもしれない。そして、「絶対にしないこと」のルールをはっきり作る。
私の中でぼんやり考えていたことをこのセミナーでははっきり、わかりやすいように説明しているのは勉強になりました。チャートを示しながら、ここでgreedがでてくる。ここではfearが出てくる。そしてここではfearが強すぎて頭は思考停止になり祈るばかり。そしてここではパニックになって・・・なんていう説明は本当に笑っちゃいましたよ。その通りですから。
だから「ちゃんとインジケータをみろ」ってことなんですが、これも誰しもが経験しますが、普通にチャートを見ている時にはちゃんと分析もできるんですね。でも出撃した瞬間、「値動きばかり見てインジケータは見ない、無視する」みたいになるのは「全てのトレーダーに共通する」ことだと思うんです。これをいかに乗り越えるかがポイントであって、どんなチャートを使おうが、どれほどややこしく素晴らしいシステム、手法だろうが関係ないんですね。
その辺は「経験でカバーする」というのが私の考え方なのですが、これって説得力もなければそこを教える、学ぶことって不可能だと言っても良いくらい。私がこのブログでいろいろ書いても、「これで理解できる人はいないんだろうな・・」なんて思いながらいつも書いていたわけです。
でも「欲望(greed)と恐怖(fear)」を抑えこむ「必ず守るルール」をはっきり決めれば、誰にでもできるってことになる。
ま、考えてみれば当たり前ですが、今日、このウェビナーを見て、私はそこに気がついたことが私の何よりの収穫でした。ではどういうルールを作るのかってのは私にとっては二の次なんですが、初心者には間違いなく有益で、知るべき内容だと思いました。
ですから、この先は有料ってことになっていましたが、この会社の教え方、考え方は私は全く間違えていないと思いましたし、まだその先は見ていませんが、そこから私も学ぶことはあるだろうと期待していますし、息子に「これだけは何がなんでも全て理解しろ」と伝えれば、私はかなり楽ができる。(笑)
その基本があって、始めて細かい手法の話に入っていけるんですね。
実は先日、私はもう配布をやめたダボチャートですが、どうしても欲しいという方がいらっしゃって、私も断る理由がありませんからお送りしました。その方も「質問はしないし、御迷惑は掛けませんから」と書いていたのですが、私が「一切の質問は受けません」という条件をなぜ付けたかというと、いわゆる「この自動車はどうやって運転すれば良いんですか?」みたいな質問が多いからなんです。
私としては「このハンドルのキレが甘いと感じるのですが、何か良い方法はないか?」と聞かれれば、どのインジケータを増やしたらよいかもとか、パラメータの設定をこう変えたらどうかとか話ができるわけです。あるいは「エグジットのタイミングをこのインジで見ようと思うけれど、どう思うか?どういう動きをした時にそのサインだと見るべきか?」とかそういう細かい質問ならいくらでも答えられるんですね。
またその方は「この1年、勝てないで困っている」という書き方をしたので、「勝てない人がこのチャートを使っても勝てないかもしれない」と返事を書きました。つまりチャートのセッティングより大事なこと、基本中の基本があるわけですよ。それがわからないから負けているはずで、そうだとしたら私のチャートもまるで意味が無いんですね。
でも今日、私が受けたウェビナーの内容みたいに、基本的なことを理解すれば勝てるはずだし、もっと勝つには?という段階に入った人には使いみちがあるダボチャートだと思って自画自賛しています。
ま、ダボチャートのことなんか忘れちゃって構いませんが、トレードをするなら最低限この程度のことを理解していないと「絶対に勝てない」ような内容をこのウェビナーの会社は教えてくれるかもしれない。
この会社のファウンダーはアメリカ系中国人のようですが、20年前はやっぱり勝てなかったと。そして試行錯誤の後、「守るべきルール」を自分の中に作ったんですね。そうしたら勝てるようになった。その内容は難しくややこしいわけでもなくて、でも「欲望(greed)と恐怖(fear)」を抑えこむには十分であったということだと私は理解しています。
このウェビナーに誘うメールに、良い言葉が出ていました。
Remember, hedge fund managers and millionaire traders are not born. they’re made.
これこそが大事なところで、なぜ私がブログにトレードのことを書き続けるのか。こういうことなんです。勝つのに必要なのは才能でもなんでもないってことなんですね。
Alfa7 Trading Academy
勝てなくて悩んでいる方、これからトレードをしたいけれどどこから何を学んだら良いのかわからない方。もしかすると、絶対ではないですよ、もしかするとこの会社の「基礎を学ぶメソッド」は有効かもしれない。試してみる価値はあると思います。
この内容は、トレードで生活する、一財産作るっていうのでもなく、「為替交換をする時に見るべきポイント」も同じなわけで、またたとえ毎月の収入が10万円増えるだけで生活がガラッと変わる人たちはたくさん世の中に存在するはずですし、あるいはそこそこの経験と実績がある人でも、初心に帰って学ぶ、自分を点検するためにも役に立つと思います。
人生を変える種はどこにでも転がっている。
さて、天国に行くのか地獄へ行くのか・・・・・・。
この辺は、資金管理、建玉管理でどうにでもなるわけで、下手をすれば何百万何千万も損するんじゃないかなんて心配は無用だと思います。
でも競馬でもやるようなつもりで、また「今年の暮れには円がいくらになっているかわかるようになりたい」「日経平均は2万円を超えるのかどうか知りたい」みたいな【神様にでもなるようなバカなこと】を考えている人には絶対に勝利の女神は微笑むことがないのははっきりしていると思います。
「ややこしいのはどうでもよくて、要は円高になるの?円安なの?」「株はどの銘柄を買えば儲かるの?」なんてことに興味がある人に明日はない。(笑)