牛肉じゃ豚肉じゃ鶏肉じゃと、買い物に行って美味そうだと思うと衝動買してしまいます。
これって昔からの癖で、そして肉に限らず何でもそうですが、それで問題らしい問題はでたことがありません。
つまり、肉を買ってきてもその日に調理はせずに、1日、2日は当たり前に冷蔵庫の中で寝かしているということ。
鶏の足が早いのはわかっていますので、鶏は早めに食べますが、牛肉なんて「どうするのよ~~」なんてヨメさんに言われますと「冷蔵庫の中で熟成させているから良いのっ!」なんて言っていました。
そういうオーストラリアでの習慣をそのままこちらで同じようにやっていたのですが・・・
冷蔵庫が臭う
特に鶏が凄い感じがします。買ってきたその日に冷蔵庫に入れておいても臭うような気がします。勘違いなぁ・・。
まして2,3日置いておきますと鶏はかなり凄いことになりまして、パックを開けるとかなり強烈な「危ない匂い」がします。でもオーストラリアではこんなことはなかったんですよ。ちょっと「ヌル」が出てきたな、程度の感じでした。
でもこちらのはそのまま冷水で洗いますと、水が真っ白になる。
洗ってから匂いを嗅ぐと臭い感じはしませんし、捨てようと思ったものの、とりあえず煮てみました。それが先日の「手羽の煮込み」なんですが(笑)、煮込んでいる最中は危ない匂いは全くしないので大丈夫かなと思うのですが、食べるとやっぱりイマイチなんです。
鶏を2,3日も放置するな!と言われそうですが、ゴールドコーストではその程度は大した問題じゃなかったんですよ。でもマレーシアではかなりの問題となる。(笑)
これは牛肉も同じで、ゴールドコーストの牛肉はかなり冷蔵庫で放置しても大丈夫。色の変化も大きくはない。
ところがこちらの肉はまるで常温で放置したようにすぐ茶色くなるような気がします。そして色の変化だけじゃなくてやっぱり臭うんですよ。先日はヨメさんがステーキ肉と美味しそうな肉がたっぷりついたショートリブを「臭い!」と言って捨ててしまいました。(T_T)
いや、臭くても食べるぞ~~~ってなことを言いたいんじゃなくて(笑)、ちょっと悪くなるのが早いんじゃない?
勘違いかなぁ・・・
マレーシアは暑いから・・という人もいたのだけれど、暑いのはゴールドコーストの夏も凄いんですよ。温度的にはマレーシアには負けない。ただ、湿気がないんですね。
じゃ、湿気が問題なのか?
この辺の理屈は私にはわかりませんが、姉の話を聞くと、マレーシアでは化粧品も古くなると異臭がすると言うんです。シャンプーみたいなものでも古いものは匂いが変わると。だから絶対に製造年月日はチェックしろと言います。
私はそういうことって聞いたことはもちろん、経験したこともないので、ホントかな~~と思っているんですが、あの肉の「匂いが出る早さ」を考えると、他のものも「痛むのが早い」のかもしれない。
また鶏で気がついたのですが、「血抜き」がうまくできていないものも結構ある様子。調理した後に「血の塊」が中から出てきたこともある。もちろん外側についていることもある。これじゃ臭くなって当たり前ですが・・・。
でもどうしてゴールドコーストの肉ってすぐに臭くならないんだろうか。流通段階から扱いが違うのかもしれませんが、逆に薬まみれなのかな?なんて思ったり。
ただ先日、鶏の処理の話を書きましたが、一般的には屠殺したあと、冷水に浸けて温度を下げると。これは業界なり団体、あるいは食品衛生法上の決まりがあるんでしょう。でもその冷水につけておくと「美味しくなくなる」と。
私はこの「美味しくなくなる」ってところが気になっていたのですが、「安全」もちゃんと考えないと危ないんじゃないですかね。大きな冷水プールに何十羽の羽もむしられた鶏が浸け込まれている状態を想像するとちょっと怖い感じがします。
だから「Air Dry」という冷気で冷やす鶏が存在するわけで、マレーシアの鶏も「一羽ずつパック」されたものにはそういう表記があるものが多い。
マレーシアの安全基準ってどうなっているんでしょうか。またそれ以上に、長い歴史の「慣習」があるはずで、日本やオーストラリアと「見た目は同じ」でも「安全性も同じ」と考えてはまずいはず。
生きている鶏を売っていて、その場で締めてくれる店もあるそうですが、そういう店で買ったところでまだ暖かい鶏をどうするのか。すぐに冷蔵しないと危ないんじゃないか。またきっちり洗浄しないと何がついているのかわからない。
卵が危ないと思うなら、その親も危ないのが当たり前で、扱いをきっちり考えないと危なくて食べられませんよね。匂いもしない、まだ新鮮。だから大丈夫ってこともないんでしょう。
私が調理の勉強をするのはいつもユーチューブだと書いています。それも外国人のが主流。
そういうのを見ていると、鶏をこれでもか!みたいに綺麗に洗ったり、あるいは韓国式では牛肉も冷水に何時間も浸けて血抜きをしたり、なんでこんなことをするの?って思っていたのですが、実際に自分が「アジア」に来てみて、そうする理由もなんとなくわかるような気がするんです。現代は良くなったにしても、「肉をきれいに洗う」という習慣を持ち続けている(アジア人の)調理人は多く存在する。
スーパーで並んでいる鶏や牛肉、豚肉を見ると、日本やオーストラリアと変わりがないじゃないかなんて思いますが、
それは見た目だけかもしれない。
こういうことを神経質に考えだすと、野菜も同じですよね。見た目は同じで安ければ喜んじゃうのが普通ですが、安いと喜んでいて良いのかどうか?
魚も同じ。
特に私たちは「生食」をする人種で、先日のNSKにしてもTescoにしても、「刺し身にして食べられるような魚はあるかな?」という目で魚を見ている自分がいます。
でもその時は「新鮮度」を見ているわけで、細菌だの寄生虫だのなんてことは一切考えない。
日本人の中にはNSKやTTDIで買った魚を「刺し身」で食べる人がいるのはブログを見てもわかります。
大丈夫なんだろうか・・。
おれは「朝市、卸売市場の魚しか生で食べない!」なんて人もいるはずですが、あの卸売市場で「生きの良い魚」なら安全なのか。
そもそもアジアは水がダメだっていうじゃないですか。水は飲まなくても、氷とか(水で洗った)サラダでさえも腹を壊す人はいくらでもいる。
でも、それを見ても安全かどうかはわからない。
買ってきた魚を流水で綺麗に洗い、まな板や包丁などの調理道具にも注意をはらい、そして刺し身にすれば大丈夫なのか。
私はこの辺が全くわかりません。
ただあちこちの和食店に行って、「地元の魚がありますか?」と聞くことがあるんですが、「ない」という答えばかり。本当かよ?って思うし、特に「アジ」なんかは地元の魚じゃないかななんて思うわけです。「イカ」とかも。
和食は高いということは誰でも納得していますから、日本から空輸されたものを扱うのが一番安全、確実ってことなんでしょうが、もし地元の魚が全く問題がなければどの店も使うような気がするんですよ。
うーむ、そういえばある店の板前さんは「卸売市場」には行くと言っていたっけ。でもそれ以上の詳しい話を聞けるほど人間関係がまだ出来ていませんが、プロから見たマレーシアの魚事情ってどうなっているんですかね。
今日みたいな脅かすようなことを書きますと、ドキっとする方もいらっしゃるかもしれませんが、まぁ、これもまた「自己責任で」というしかないんでしょうね。ただ問題は「XXXさんが買ってきて作ってくれた刺し身」の場合。
全く無防備でそれを食べるのも問題はあると思うものの、でも安全は重々考えて慎重に作ってくれているはずの刺し身なのに、「私は刺し身が苦手なもんで・・」なんてウソを付くのも考えもの。(笑)
私はというと、昔から「お腹が丈夫」で、友人6人と食事に行き、私以外は食中毒で大変なことになったなんてことがありました。病院に行ったのもいる中で、私だけはなんともない。ま、昔から世界のどこでも平気で生物を食べますし、生卵も平気ですが、たった一度だけ、韓国の済州島で「屋台の刺し身」を食べて死にそうになったことはあります。(笑)
あたるのが怖くて食えるか!!って信条があるわけじゃないですが、好奇心のほうが前に出る私ですから、ま、その内、NSKでもどこでも食べられそうな「アジ」はトライしてみようと思っています。アジがあれば他の魚はなくても良いくらい(嘘)、アジが大好き。
それとですねぇ、私が「低温調理」に凝っているのはご存知だと思いますが、これもちょっとちゃんと考えないと駄目だと思うんですよ。
だって牛肉を55度で長時間キープなんてやるわけですから。でも55度って実は安全圏じゃないんですね。まだ危ない温度帯で調理するケースが多いのが低温調理。
サルモネラ菌の場合。
0-8度 増殖しないが死なない
8-15度 徐々に増殖する
15-30度 かなり増殖する
30-38度 激しく増殖する ← ここがピーク
38-40度 かなり増殖する
40-60度 徐々に増殖する ← よく使う温度
60度以上 5-10分で死滅する
100度 数秒で死滅する
私は今までスーパーで牛肉を買ってきて「ユッケ」を作ったり、ステーキも「ベリーレア」どころか「生か?」みたいな状態で食べます。牛のたたきも大好き。
ま、細菌は「外側に主に付く」わけですから、日本の「ユッケ規制」みたいに外側を切り落せば良いのかもしれないし、ま、ステーキでもローストでも外側はしっかり焼きますから、「細菌が外側だけに」ついているなら大丈夫なんでしょう。
ただ、低温調理する前に外側の殺菌をしないと、低温調理=細菌の培養となるわけで、かなりの注意が必要となるんでしょう。
マレーシアでは今までみたいな「おまじない的」な殺菌方法では危ないのかもしれない。
ちょっと殺菌の温度に関して書いた日記がありますので、興味がある方はこれをどうぞ。
低温調理と食の安全:何度なら安全なのか? | dabo_gc