「動くゴールポスト」はアメリカも同じ。それが見えた北のミサイル発射。

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「動くゴールポスト」っていうと韓国をすぐ頭に浮かべる方が多いと思いますが、アメリカも同じだと今回の北朝鮮の「ミサイル発射」で感じました。

アメリカが言い続けてきたことは

◯ 原爆の実験
◯ ミサイル発射

この「ミサイル発射」が私にしていると動くゴールポストに見えます。

◯ ミサイル

◯ 大陸間弾道弾(ICBM)

その後に言われているのは

◯ 大気圏再突入時の技術の完成
◯ ICBMに原爆を搭載する小型化技術の完成

ICBMじゃなければ「アメリカの脅威ではない」というのはわかります。でも日本にとっては十分な脅威。すでに日本全国は射程距離に入っていますから。でもこれは中国も同じで、北京はいつでも狙える。でもアメリカには関係ない。

今回のミサイル発射ですが、高射角で打ち上げられ、飛距離より「高さ」が今までと違う。高度2000キロをオーバーした。新型ミサイルと言われていますが射程距離としては4000キロで、グアムが射程距離内だと言われている。

ところがですね、アメリカはこのミサイルを「ICBMではない」と言い出したんですね。そりゃ上に向けて撃ったのだから距離は出ない。だから「大陸間弾道弾ではない」と言えばその通り。

じゃ、射角を低くして撃ったらどうなる。グアムやアラスカは危ないんじゃない?

それと面白いのは、このミサイル発射に関するニュースや評論を見ても「大気圏再突入時の実験かもしれない」ということは誰も言わないんですよ。これっておかしくないか?

ICBMは高高度(大気圏外)に打ち上げて、それが大気圏に再突入する時の「衝撃や高温に耐えられるか」ってのが大きな問題(宇宙ロケットも同じ)で、この技術がないと大気圏再突入時に燃え尽きるか分解してしまうのでしょう。これじゃ攻撃には使えない。ICBMの意味がない。

この技術は「まだ北朝鮮に無い」「これが出来るとヤバイ」ということは広く言われていたのに、今回のミサイル発射では「大気圏再突入時うんぬん」ということを誰も言わない。おかしいでしょ?今回のミサイルは間違いなく大気圏外にまで出て、大気圏内に戻ってきて日本海に落下したんですから。

私は、今回の実験こそがその技術を確かめる実験だと、打ち上げを聞いた瞬間思ったわけですよ。だから大騒ぎになるだろうと。

ところが世間では「この高高度に打ち上げたミサイルの落下スピードはマッハ10に達するので、THAADでなければ撃ち落とせない」ということばかり言っている。(発射角度を高くしてミサイルの落下速度を上げ、迎撃を難しくする「ロフテッド軌道」)

それって「大気圏再突入に問題なく成功した場合」の話じゃないんですかね。

これに成功したの失敗したのかってのは私にわかるわけもありませんが、少なくも「空中分解した」「燃え尽きた」という報道はなく、日本海に落下したと言われているので、成功したのかもしれない。ただ、高温になれば弾頭への影響もあるわけで、その辺はセンサーを摘んでいればわかるはずで、そのデータ通信は行われていたはず。

その辺は日米韓でもきっちりモニターしているはずで、「再突入時の実験」ではなかったと結論づけているのかもしれない。

もしそのセンサーのデータ送信をアメリカが関知すればアメリカは黙っていないはずで、再突入に成功したのか失敗したのかは「センサーによる監視。そしてそれのデータ通信」がなくてもわかるように、北朝鮮はミサイルそのものを作れるんじゃないですかね。「再突入後の動き」でそれがわかるようにするのは可能だろうと。

どちらにしてもあれだけアメリカは北朝鮮を脅かしながら、「まだレッドラインは超えていない」という風に持っていきたい【意思がある】と私は感じました。やっぱり戦争をしたいわけじゃないんでしょう。当たり前の話ですが。

でもこのまま放置で良いんですかね。

習近平は、彼が力を入れている、そして将来の中国、世界が変わることになるかもしれない「一帯一路」の世界大会が開催される時のミサイル発射。

これで「習近平の顔に泥を塗った」ことになるのは間違いがなくて、「メンツ」を異常なほどに大事にする習近平は、「習近平の顔に泥を塗った」という世界の報道には我慢が出来ないはず。つまり「習近平は全く北朝鮮をコントロールする力がない」と言われているのと同じなんですから。

北朝鮮の後ろには中国がついているというのは過去の話で、お坊ちゃまと習近平はかなり仲が悪いのは見えていて、最近は北も「中国」という国名を挙げて批判するように変わってきた。

習近平にお坊ちゃまをコントロールする力はないとこのブログに書き続けていましたが(元は河添恵子氏の持論)、それは最近の評論を見ると多くはそういう風に変わってきて「習近平に期待しても駄目」とはっきりいう評論家も増えてきた。そして北とつながっているのは「北部の胡錦濤派」であって、習近平の宿敵。それも広く言われるようになった。

結局、今までの「北と中国」という繋がりは、「北と胡錦濤派」であると言うべきで、これは朝鮮戦争以来の繋がり。

そういう意味では、習近平はトランプみたいにギャーギャー騒がないけれど、北朝鮮というのはまさに「中国の脅威である」のは間違いがなさそう。だから強権を使って胡錦濤派を黙らせて北への制裁を強化したばあい、「北の脅威の度合いはアメリカ以上になる」のかもしれない。

当然、そのまえに「胡錦濤派との全面対決」になるはずで、今年の夏に開かれる「党大会」を前にして習近平にそれが出来るのか。下手をしたら彼の「中国のレジェンドとなる夢」は消える。

この辺を考えていくと、「北朝鮮を繰っているのは中国の胡錦濤派」である可能性すら出てくるわけで、話はかなりややこしくなってくる。

でもまさにそれを狙っているのがトランプであり、前々から言われていた「トランプは中国潰しをする」というのと合致する。

この北朝鮮問題は、もしかすると「アメリカvs中国」と見るのが本筋かもしれない。

ある評論家が面白いことを言っていました。今では北が中国に取っても脅威なのは間違いがないのに、「なぜ習近平は北朝鮮に軍事介入してお坊ちゃまの首を取らないのか」という話。それができれば話は一番スムーズで、それこそ「習近平は世界のヒーローになれる」のにと。

彼にはそんな力もないし、北とつながっているであろう胡錦濤派を抑えることも出来ない。

そんなことは百も承知のトランプの「真の計画」があるような気がしてきます。

だから「アメリカのゴールポスト」も動かすし、そもそも北朝鮮を自ら叩くなんて考えはないのかも。でも脅しを全面に出すのは「習近平に対するプレッシャーを掛けるため」であって、アメリカ自身は「北を攻撃する気はない」のかもしれない。あまりにもリスクは大きすぎるし。

だとしても「そんなことは習近平はわかっている」はずで、やっぱり彼がどう動くのかってところまで追い込まれているんじゃないでしょうか。

そういえば習近平の宿敵である胡錦濤派ですが、前から「アメリカは中国マネーでずぶずぶ」と言われていましたよね。クリントン夫妻もその疑惑があって、それを知らないアメリカ国民はいないと言われるぐらい。ウォール街も中国ベッタリだと言われていますが、「中国マネー」とは「胡錦濤派のマネー」であるらしい。

「北朝鮮問題」とは「習近平の野望を打ち砕くためのダミー」の部分もあるんじゃないですかね。アメリカ国内では胡錦濤派の方が圧倒的に多く、それとトランプがつながっている可能性すらある。中国に精通していると言われるトランプの娘の中国人人脈を調べていくと何か見えてくるのかも。

ここで習近平が馬脚を表して潰れようが、結果的に北朝鮮をアメリカが攻撃することになろうが、アメリカにしては「どちらに転んでもOK」ってことになりはしないか。

やっぱりアメリカが投げたボールを習近平が受けて、彼がそれをどうするのか、これが最大の焦点だろうと思って見ています。それと出来ることなら「北朝鮮との繋がりは歴史がある胡錦濤派は何をしようと考えているのか」、その辺も調べてみようと思っています。

 
 
 

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