あのミサイルは「限りなくICBM」だった。「大気圏再突入技術」もあった。さぁアメリカはどう動くのか。

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アメリカが言い続けてきたと【言われている】ことは

◯ アメリカ本土に届くICBMを作ったら許さない

◯ 大気圏再突入技術が完成したら許さない

◯ 核弾頭の小型化が出来たら許さない

今回の北朝鮮のミサイル発射に関して、アメリカは「ICBMではない」と言っている。中長距離弾道ミサイル(IRBM)との認識。

ところが今回のミサイルをIRBMではなく大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみている韓国の李哲熙(イ・チョルヒ)議員(共に民主党)が「日本防衛相と電話会談をした際、(IRBMという)韓国側の評価結果を伝え、これに同意した」と。日本側の稲田防衛相は「高い角度ではなく正常の角度で発射していたらICBM級の射程距離で飛行する可能性があるとの分析を出した。」と。

これって微妙なところで、韓国も日本も「ICBMだ」とは言わない。可能性に留まっている。

大気圏再突入技術に関しては、【配備したTHAADがミサイルを感知し、データ送信を傍受した】し「完成した」という見方の様子。でもそれが「危険だ」と言われていたのに世間はそれを騒いでいない。

(参照:韓国国防部長官「THAADレーダー、北朝鮮ミサイルを探知」)

核弾頭の小型化に関しては憶測するだけで確かめる方法もない。ただリスク管理をする方としては「すでにその技術は出来ている」と見るしかない。

トランプ氏に「北朝鮮が超えたら許さない【レッドライン】」があるとするならば、北朝鮮はそのレッドライン上にいると言って良いんじゃないですかね。でも超えていない。

このギリギリのせめぎ合いまでチキンレースは進んで来たわけですが、どうなるんでしょうかね~。

トランプ氏はアメリカ国内ではかなりうまくないことになっていて、支持率は続落。FBI長官を解任するなんてとんでもないことをしたし、その前FBI長官に「側近(前大統領補佐官(国家安全保障担当フリン氏)のロシア疑惑を捜査するな」という圧力を掛けていた(かもしれない)という報道も出てきた。当然、トランプ氏自身の疑惑もある。

かと思えば、ロシアの外務大臣との会談時に「ISに関する同盟国から得たトップシークレット」を話した(らしい)という問題も新たに出て来て、その同盟国はイスラエルであり、トランプ氏は「大統領にはテロリズムや航空安全対策に関する事実を共有する「絶対的な権利」がある」と言っている。

政治活動は止めると言っていたヒラリー氏は、それを翻して政治活動を再開したし、巷では「トランプ氏を辞任に追い込む動き」は活発になっていて、前にも書いたように「(ニクソンが辞任に追い込まれた)ウォーター・ゲート事件」とは比較にならない大問題だという学者も出てきた。

ま、確かにそれはそうかもしれなくて、ニクソンは「政敵の盗聴をしようとし、それがバレそうになった時に隠蔽作戦を行った」のもバレた。これって国内問題で、大したことじゃないと言えば大したことじゃなくて、でもトランプ氏の場合は「国家の安全保障」に関わる問題で、他国にも影響がある。

しかしまぁ、あの大ぼら吹きに世界は振り回されっぱなしですね。

日本からアメリカに輸入される鉄筋製品に200%を超える関税を課する動きが出てきたし、でもトランプ氏が選挙戦で言い続けてきたことで、100日になるのに何か実現したものってあるんですかね。それどころか新政権下のあちこちの人事がまだ決まっていなかったり。重要ポストは入れ替え、指名しても断られたり、そんなことの繰り返し。

気持ちの良い大ぼらに拍手喝采した選挙民からの支持も低下していて、支持率は40%を割ってきた。

彼の言動を見ていても、私には彼の「計画」とか「大志」が全く見えないんですよ。「どうしたいのかがわからない」わけで、それって本当に「アメリカが儲かれば良い」ってことなんだろうか。まさかと思うけれど本当にそう考えているのは見え隠れするわけだけど、やっぱりまさかって思いますよねぇ。

それも「目標」とかそれを実現する「計画」も無いようで、彼を見ていると【とりあえず皆がびっくりすることを言ってみる】ところから入る。爆弾宣言みたいなもので、でも彼はそれをやろうなんて全く考えていなくて、それは「周りの反応を見る」「それから何をするか決める」為みたいなところがある。だから実現不可能なことでも平気で言うんでしょう。でもその大ぼらを聞いて「スカッとした選挙民は多かった」ってことなんですかね。

選挙民も「スカッとしたかった」で終わるのか、それとも「実行するのを期待しているのか」は私にはわからず。でも世界的常識から言えば「言ったことはやる」んじゃないと困りますよねぇ。

いやいや、「口だけ」ってのが世界の常識なのかってのはフランスのマクロン氏もそうだし、韓国の文氏も同じで、「よいことだけの羅列」に聞こえます。あの日本の民主党が政権を取った時のことを思い出します。

これって中国も同じで、まぁまぁ大きな構想をぶちまけるけれど、内容はどうなんだ?って思うことばかり。中国が取ったプロジェクトもあちこちで破綻しているようで、それでいて「俺が一番」に変わりにはなくて世界の中心に中国があるように考えていて、中華思想そのものの本当にそういう世界を作ろうとしているのが見える。

ロシアにはロシアの思惑があって、常に何か企んでいるように見えるし、プーチンの立ち回り方は本当に上手いと感心するぐらい。

今回のミサイル発射に対して、安保理緊急会合が開かれて「更なる北朝鮮への制裁」を言っているのは日米だけで、中ロが「制裁に否定的」なのは見えているし、韓国では親北政権まで立ってしまった。

もしかしたら「日米」の考え方がおかしいのかもしれない、なんて気もしてきますし、日米と言っても相手はトランプでいつ何時どうひっくり返るかわからない。

そういう意味で、日本にも独自の動きが見えてきて、TPPはアメリカ抜きでやろうとプレッシャーを掛けているし、中国の「一帯一路」やあのいわくつきの「AIIB」にも日本が参加する道筋も示すようになってきた。これって本気だとは私には思えないのだけれど、「アメリカへのプレッシャー」であると共に「アメリカが勝手に動く時の保険」でもあるような気がします。そもそも日本は過去に「アメリカが日本をすっ飛ばして中国と繋がった」ことを経験していますし。

私には世界がめちゃくちゃに見えるわけで、こんなのは64年間の人生で初めての経験です。

そういえば、トランプの大ぼらの片鱗が見えるニュースがありました。こういうのはトランプに関する書籍をしっかり読んでいる人にはアタリマエのことなんでしょうが、トランプに関してはネットしか見ていない私には新鮮でした。

トランプは自分が所有する世界中のゴルフコースは「総額100億ドル」だと豪語しているそうですが、実際には全くそんな価値はないとの話。また彼自身それを裏付けるように、ウェストチェスターにあるゴルフ場の「固定資産税」が高く、安くしろとすったもんだやっている様子。彼は「実際の価値は評価額の10分の1だから税額も10分の1にしろ」と言っている。10分の1ですよ、10分の1。めちゃくちゃ。

これって彼が豪語する「総額100億ドル」は大ぼらで、実際は10分の1ぐらいだろうという話を「トランプ自身」が認めているのも同じ。(参考:トランプ大統領、もう一つの顔はゴルフ王)

トランプってなんだか子どもじみたところもありますよね。

「日本の上空を35機のF35が飛んだけれど、レーダーで感知されなかった。これがステルスの性能だ。凄い」なんてことも言っている。そもそも日本にF35が35機あるのかどうかもわからず(16機のはず)、もっと多くのF35が秘密裏に配備されているのかと心配する専門家まで出てくる始末。

その時その時、皆がびっくりするような大ぼらを口に出し、それで「注目を浴びる」という生き方をしてきた人なんだろうと、信じられないけれど全く間違いでもないと感じます。そしてその大ぼらに対して周りがどう反応するかを見つつ、自分が攻められるところを見つけるとそこを攻めていく。

つまり、最初に「計画」「予定」なんか無い人じゃないかと。

彼にはイデオロギーも信念も何もないという評論家がいますが、こういうことなのかと思ったり。

でも彼を「ビジネスマン」としてみれば、卓越した才能を持っているのかもしれないと思ったり。計画なんかなくて、「面白い業界」「勝てる相手」「相手の弱み(今回の対中国の動きがそれ)」を見つけるとそこに攻め込んでいくだけで、どちらに向かうべきかという方向性なんて持っていなくて「勝てればそれで良い」という考え方。

これって巷の青色吐息の弱小企業も同じで、私が生きていた世界がまるでそのままで、「何か儲かることはないか」といつも野良犬のように嗅ぎ回っているわけです。夢じゃ希望じゃ理想じゃなんてのは若者の特権で、「生きていくためにはどうするか考えないとならない」となれば、自分の夢(思い込み)こそが「邪魔」になるんですね。

でもそういうのが良いとも私は思っていなくて、理想や希望無しに「勝ちを追い求める生き方」って最低だと私は思うわけです。金亡者が集まる修羅場ってのがまさにそれなんでしょう。

そういう人間的な「いやらしさ」を私はトランプに感じます。

「なぜ日本はアメリカの車を買わないのか」というプレッシャーなんてバカ丸出しで、「日本で売れる車を開発しないのは誰か」を無視している。でもそんなことは彼もわかっているはずで「拍手喝采を受けるために国内向け」に言ってるんでしょうが、ああいう言い方をする。やらしいなんてもんじゃないですよねぇ。

でも「生き延びて」「勝たなければならない」のは世の中の鉄則で、ああいう嫌な奴だからこそアメリカはまた復活するのかもしれないと思ったり。

理想論ばかりで行動が伴わず、「戦略的忍耐」なんてわけのわからないことを全面に出していたオバマ氏よりはきっと良いのでしょう。

でもそれが日本にとって、我々にとって良いのかどうかは別問題。

 
 
 

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