ナマモノばかり食べているダボが何を言う?って思うかもしれませんが、私は食べない方が良いと思っているんです。マジです。
ローカルの魚の刺し身、牛肉のユッケ、生卵を食べることをブログに書いていますが、頭の隅に「書くべきことは書いたほうが良いかな」と思っている矢先に、ブログ友達のりこよんさんがブログにその危険性(アニサキスに関して)を書いていました。彼女は医療関係に長らく従事していた方ですから、耳を傾けたほうが良いと思います。
まずアニサキスですが、最近、日本でアニサキスでやられる事例が増えているのはニュースでやっていましたね。ではマレーシアでは?
生食が一般的ではないマレーシアでそんなこと誰にもわからないわけで、「間違いなくアニサキスはいる」という前提であるべきだと思うのです。
じゃ、どうすればよいのか?
これがわからない人はまず自分で魚を買ってきて刺し身にして食べたら駄目なんですね。またお店で刺し身を食べても同じで、ローカルの板前がちゃんと「見ているかどうか」は誰にもわからない。
そもそも彼らがアニサキスを知っているのかどうかも疑問。
少なくともアニサキスは「目視でわかることが多い」ってことなんですね。だからアニサキスがいればそれを取り除く。
えーー?って思うかもしれませんが、和食店でアニサキスがいたなんてのは「普通」だと私は思っています。また「釣り」が趣味だった人は「うんうん」て思うかもしれない。
実はオーストラリアは「アワビ」が特産品として有名なんですが、これが結構、虫がいるんですよ。だから板前の友人は「肝は生で食べるな」って言いますし、肉に「虫が通ったトンネル」があるのもよくあること。
でもそんなのを怖がっていたら何も食べられないんですね。虫がいたら「除去するだけ」の話。(笑)
昔、キャベツに青虫がいてもそのキャベツを捨てるなんてことはしなかったわけで、邪魔者がいたらどければOK。
ただ、誰も「アニサキスがいたから除去した」なんて言わないんですね。そんなもの食わせてるのか?なんて言われたくありませんから。もしかしたらアニサキスがいた話ってタブーなのかもしれない。
だから我々としては、【海外で】自分で刺し身を作るにしても、店で食べるにしても「いるかもしれない」という前提でいるのは大切だと思っています。
「よく噛めば良い」ってなことを言う人もいますが、アニサキスって結構丈夫な虫で噛み切れないんですよ。これはアニサキスを触ってみればわかる。ただし、傷をつけることは可能で、アニサキスは傷つくとすぐに死ぬらしいですから、良く噛めば良いってのはハズレじゃないのかもしれない。(笑)
でも問題はアニサキスだけじゃないわけで、他の寄生虫がいたり、雑菌がついてる可能性は大いにあるのがマレーシアのナマモノだと思うんです。
「日本の常識は海外に持ち出すな」ってことがよく言われますが、食べ物がまさにそれだと私は思うわけで、「生食を前提にしていない流通システム」であることだけは絶対に忘れちゃ駄目だと思うんです。これは生卵も牛肉も同じ。
ここが日本との大きな違いで、マレーシアで言う「フレッシュ」は「彼らのフレッシュ」であって「日本人の新鮮」とは全く違う。扱い方も違うわけで、「新鮮でも危ない」のがマレーシアを含む海外のナマモノじゃないですかね。
だから海外では「生(フレッシュ)よりかは冷凍のほうが安全」だと私は思っていて、最近の冷凍技術は凄いですから、生で下手に流通させるくらいなら冷凍の方がはるかに良いと思っています。ここは非常に大事で、日本人には「ナマ信奉」がありますが(特にジジババ)、それは百害あって一利なしかもしれない。
シャケを刺し身で食べる人は多いようですが、その時に「フレッシュのシャケ」を選ぶ人が多い様子。私はこれは逆であって、産地で冷凍されたものを手に入れるべきだと思っています。そもそも40年前までは「シャケの刺し身」は危なくて誰も食べなかったじゃないですか。だから当時は「凍らせたルイベ」だったでしょ。シャケには寄生虫が多くいるからなんですね。今でも日本で捕れた天然モノを刺し身では食べないはず。(マイナス20度以下で冷凍するとアニサキスは死滅する)
近年、シャケを刺し身で食べるのが普通になりましたが、あれって「刺し身で食べても大丈夫なシャケ」が開発されたから(養殖物は大丈夫と言われている。あるいは極低温で冷凍する)それが普及したのであって、どう育てられたかわからないシャケを「生食の習慣のない国で刺し身にする」ってどういうことなのかきっちり考えたほうが良いと思うわけです。
そんな経緯も知らないマレーシアの板前が、そこらにあるシャケを刺し身にして大丈夫なのかは疑問。当然、我々とて同じで「フレッシュサーモン」とは一体何なのか、それを突き詰めて考える必要があると思うんです。
これは「売っている時に冷凍してある」という意味じゃなくて、流通過程で冷凍されているものが良いという考え方です。多くはそれを解凍して店舗で並んでいるはずですが、「ホンモノのフレッシュ」は危ないんじゃないですかね。でも「冷凍されたことがない」という意味でのフレッシュをいう業者もいるはずで、それを我々が「フレッシュで新鮮」だと思ったら勘違いも甚だしいってことじゃないでしょうか。
卵に関しては、生卵は食べないという人は多いみたいですが、サルモネラ菌の多くは「殻の外側」についているのが普通で、生で食べるかどうかより「卵をどう扱うか」が重要なはず。素手で触ってそのままだったり、その手で他の料理をしたらアウトなのは子供でもわかるはず。
逆に「半熟卵も食べない」という人がいて、随分非科学的な人もいるんだなと思ったことがありました。要はですね、「殺菌すれば良い」わけで、その方法、殺菌するのに必要な温度がわかれば、「リスクはどうにでもコントロール出来る」わけですよ。
日本の卵が安全なのは「サルモネラ菌がいない」のではなくて、殺菌してあるからでしょ?どうやって殺菌しているのか?
普通、そんなことは誰も考えないはずですが、海外に住むのであればそれは常識だと私は思うんです。海外に出たらその地の言語をしゃべらなければならないのと同じように、日本語で押し通すこともなければ、「日本の常識はこうだ」なんて言う人もいないのと同じ。
その辺がわかっている場合、【海外において】実は安全なのは「家食」で、「外食のほうが危ない」んですね。どう扱っているかわかりませんから。これは生卵に限らず、刺し身やユッケも同様。マレーシアには「とりわさ(ササミの生)」を出す店がありますが、私は絶対に食べない。
また焼鳥のレバーだって同じで、火を通し過ぎたら美味しくないものの「火の通しが足りなかった」らどうなるのか。ましてやいつのレバーだからわからないんですから。
レバーを職人が焼くのではなくて、焼肉屋みたいなところで客が焼く場合も注意で、「リスクがわからない人が焼く場合」はどれほど危険か考えないと駄目なんですね。実際に、レバーを焼かせる(皆さんが知っている有名な)店で何度か食中毒が出たのは業界の人に聞いたことがあります。
私はユッケが大好物ですが、店では絶対に食べないし、他人が作ったものも食べません。だから自分で材料を選び、自分で調理したものしか食べませんし、「それを家族にも食べさせない」ようにしています。
これは私流のリスク管理で、自分では大丈夫だという確信があったにしてもそんなのは単なる「思い込み」でしかないと自分で自分を疑うことも必要ですし、「もし万が一」のことが「家族全員」に起きたら大変なことになるんですね。だからリスクを取るのは私一人で十分。(笑)
だから他人へは絶対に薦めない。
うちのヨメさんは胃腸が弱いので、私が食べてもなんともないのに調子が悪くなることが頻繁にあります(私の丈夫さが異常なのかもしれないけれど)。こういう個人差って間違いなくあって、その時の体調にも左右されますが、他人様がどういう人でどういう状態かなんてわからないわけですよ。
ナマモノじゃなくてもあたる経験は私のヨメさんがしまして、ワンワールドホテルに泊まった時に、私がイオンの前で売っていた「焼き鳥」を部屋で待つヨメさんに買っていったんです。
すぐに食べたのですが、ヨメさんは「ウッ、だめだこれ」とすぐに吐き出しました。それでもあたってしまって、マレーシア滞在中の6日間、酷い目に合いました。
だから「(私は)大丈夫だとは思います」とは言えても「(貴方が食べても)大丈夫でしょう」とは言えないんですね。家族や他人を喜ばせたいと思う気持ちはあるけれど、私には「何かあったときの責任」は取れません。
私の両親は90を超えましたが、もしヨメさんがあたって数日苦しんだあの焼鳥を両親に食べさせたとしたら、本当に死んじゃうかもしれないって思いました。
だから刺し身や生肉に限らず、海外では「水を飲んだだけであたる」「サラダであたる」ことさえ多いわけで、食あたりに関してはかなり気を使わないとかなり危ないはず。
「あたったことがある?」と聞くと、経験者はかなり多いようで、「東南アジアだからしょうがない」と思っている人もいたのにはびっくりです。注意をすれば危険性はかなり減るのに。
なるほど・・と思った例ですが、私の姉がどこかの店で「鶏のスープ」を食べたときです。スープなのに「ちょっと温度が低いな・・」と思ったものの、味的には問題がなかったのでそれを食べたとのこと。
これが大あたりだったと。
ちょっとでも臭うと思ったら食べない、捨てるのは当然のこととして、どんな管理がされているかわからない「ナマモノ」「火が十分に通っていないもの」「生ぬるい状態(雑菌が運動会をしている)で出されたもの」は食べないのが良いと思います。
これって実は牛肉も同じで、「俺はユッケは食べない」という人でもステーキや焼肉は食べるじゃないですか。でも「焼き過ぎは美味しくない」と多くの人は言う。では「真ん中が赤い、あるいはピンクの牛肉」は安全なんですかね。
これがわからないとしたらリスク管理は全く出来ないんですよ。
私は低温調理の趣味がありますから、結構危ない温度を使います。殺菌どころか「菌が増殖する温度」です。ステーキで言う「レア」って雑菌が繁殖する上限前後でかなり危ない温度なんですね。ましてやその温度で長時間ホールドすると「熟成効果がある」なんてそれをやるんですが、これってかなり危ない。
でも今までは【牛肉に関しては】問題がありませんでした。それなりに気を使って素材選びもしてきましたから。つまり菌がついているとすればそれは「主に外側」であって、肉の深部にはいないのが普通と考えられるわけですから、どうすればよいのかはおのずとわかるはず。
それでも豚肉を55度で長時間ホールドしたら、ものの見事に腐ったことがあります。これは板状の肉を【巻いたモノ】でした。肉の塊なら大丈夫でもこのように【巻いたモノ】は危ない理由はわかりますよね?だから安い「結合肉」なんてウェルダンじゃないと危なくて食べられないわけです。
だから基本的にはローストビーフやステーキの真っ赤かのレアやミディアムレアはほぼ大丈夫なのはそういう意味(菌がいるのは殆どの場合外側)であって、しかし「温度的には全く殺菌にはなっていない」のが事実なんですね。
でも面白いもんで、ステーキはレアやミディアム・レアで食べるのに、半熟卵は怖くて食べないとか。(笑)
半熟卵を作る温度ってかなり高いんですよ。もしそれが肉ならウェルダンになる温度。当然、菌がいたにしても死滅している「はず」なんですね。
理屈では分かってもねぇ・・・って思う方がほとんどだと思いますが、その理屈を理解せずに、情緒で判断すると「必ずいつかあたる」と私は思っています。大丈夫なものの大丈夫な理由がわからずに、「大丈夫なはず」という思い込みで決めるわけですから。とどうじに、安全なのに「危ないかもしれない」という気持ちはいつまでも続く。
これらの「食の安全」に関する知識って海外では絶対に必要で、その意識の低い人が危ない目に合うってことじゃないですかね。私がワンウタマのイオンの前で買った「焼き鳥」であたるなんて想像もしなかったのが、まさにその油断。私の油断のためにヨメさんが犠牲になりました。(笑)
危なさそうなものは買わない、食べないのは当然として、でもそれを言い出すと食生活は面白くなくなるわけで、「安全に関する完璧な知識を持つことは不可能」にしても、ある程度はそれがないと「食べたいものが食べられない」、「大丈夫だと思ったのにあたった」なんてことが起きるんじゃないでしょうか。
私はそんな海外生活はバカらしくてやってられないので、「雑菌、寄生虫などのリスクと共に生きる」と決めています。
これって食べ物じゃなくても同じじゃないですかね。投資がまさにそれで、「儲かりますよ」という言葉をほんとうに信じちゃう人もいれば、「投資なんて絶対にしない」という人もいる。
「リスクがないところに利益も喜びもない」というのが私の基本的な考え方です。ポイントは「リスクから逃げる」のではなくて「リスクをどうコントロールするか」じゃないんですかね。
ま、自分の好きに生きるのが一番ですが、「それが自分にとって良いことかどうか」は別問題だというのはしっかり自覚するべきだと思うし、私も常に自問自答しています。
そして「答えを出した自分のことも疑う」のが私の生き方。(笑)
食あたりでも投資の失敗も同じで、「油断した時にやられる」ってことなんですね。
だから家族にも他人にも「大丈夫ですよ」とは絶対に私は言いませんし、でも「私はこう考えてこうやった」ということは書きますし、自分もリスクを取ってやってみようと思うのはその人の自己責任の問題。
それとですね、私は「食あたりの危険」って「素材ではない」とも考えています。それが無いとは言いませんが、多くは「調理環境」が原因なんですよね。そして外食だとすれば店の衛生管理がどうなっているかとか。日本の寿司屋でも「まな板をふく布巾」をいつまでも濯がずに使っているとか、カウンターが蒸れ臭いなんてことがあるわけで、そっち方面も気にしないと駄目ですよね。
生卵は怖いから食べないのは良いにしても、卵の扱いに注意していないとするならサルモネラ菌はキッチン全体に広がるんでしょうし、いつかあたるのかもしれないし、それに無頓着なら、「頭隠して尻隠さず」と同じってことでしょう。
私は生卵は平気で食べますが、卵の殻は絶対に舐めないし(笑)、卵を布巾やまな板の上には乗せないし、卵を触ったら必ず手を洗います。でもないか・・。(^_^)v