鶏にしてもオックステイルにしてもスープは「白湯スープ」にしたい場合、やっぱり圧力鍋は駄目ですね。
今まで何度も圧力鍋で作ってきましたが、
◯ 白濁しない(乳化しない)
◯ 色が汚い
事が起きる。
白濁しないのは私は「温度が高くなりすぎだから」と思っていて、つまり白濁ってのは「油と水が混ざって乳化している状態」なわけですが(マヨネーズと同じ)、温度が高くなりすぎると「乳化剤として働くゼラチンが変性する」んじゃないですかね。圧力鍋で作ったスープをハンディプロセッサで撹拌してもきっちり白濁しない感じがしますし。
また色が汚いのは、私の場合は「骨」を使うことが多いのですが、骨の中の茶色の部分(特に鶏)の部分が溶け出すんじゃないかと想像しています(多分違う)。
その辺が薄々わかっていましたので、最近は圧力鍋を使わずにスープを取るようになりましたが、時間は掛かるけれどスープがうまい具合に白濁するのがはっきりわかりました。
例えば、同じような材料を使ってもこれだけの差が出る。これはオックステイル。
圧力鍋。ちなみにこのスープをハンディプロセッサで撹拌しても(ほとんど)白濁しません。
普通の鍋。
このように牛の場合は「圧力鍋を使うと白濁しない」ことが頻繁に起こります。
でも鶏の場合は圧力鍋でも乳化しますが、色が悪くなる。
こんな感じ。同じような鶏ガラ、モミジを使ってもこれだけ違いがある。
圧力鍋。
普通の鍋。
面白いですよね。これだけ差が出るなんて。当然、鶏の「黄色い脂」が付いていたら黄色くなるのは当たり前だけれど、同じ素材を使ってもこれだけ違う。
また鶏の場合ですが、圧力鍋みたいに高温になったり、あまりグツグツ似ていると「雑味も出る」ような気がします。ですからやっぱり「鶏の場合は圧力鍋は【駄目】」ってことじゃないですかね。
鳥の場合は「コトコト」か「コト・・・コト・・・コト・・」ぐらいにして長時間茹でるのが良いのかも。ただプロの中には「長時間茹でては駄目」という人もいる。この辺は私にはわからず。
ただ「コト・・・コト・・・」みたいな温度ですと、「スープが撹拌されない」ですから白濁しないんですね。つまり「パイタンスープ」じゃなくて「清湯スープ」を作る時には温度を低めでじっくり茹でるってことなんですね。
では雑味も出ないように温度を低めで煮込んで、「なおかつ白湯スープにするにはどうするのか?」という疑問が出てきますし、ネットで調べるとここで結構悩む料理人もいる様子。中には有料で教えるなんてプロもいたり。でもここは科学的に考えればゼラチンが多い素材(モミジや手羽)を使うということと、あとで「撹拌」すればOKってことですよね?
また「白湯スープ」の作り方で、「鍋のフタをすると白濁する」「蓋をしないと白濁しない」なんて説明もあって、プロの世界でも古くからそう言われていたのかもしれませんがこれも科学的に考えると理由はすぐにわかるわけで、「鍋のフタをする」と温度が高くなりますから、「グツグツ煮る」つまり「撹拌されている状態」になるってこと。でも蓋を開けていると温度が低くなって「コトコト状態」になって「スープは撹拌されない」、だから白濁しないってこと。
◯ 高温でグツグツ煮ると雑味が出る。
◯ 高温でグツグツ煮ると「白濁しない(乳化しない)」ことがあったり、色が汚くなる。
◯ 乳化させるためには乳化剤が必要で(例えばゼラチン)、撹拌すると乳化する。
この辺の理屈さえ抑えておけば、「白い白湯スープ」も「透明な清湯スープ」も自由自在に作れることになりますね。
私は透明で上品なコンソメスープって余り好きじゃないんですが、あれを作る時にも「火を弱めてかき回さない」のが鉄則ですから、上の理屈その通りってことですよね。
でも残念ながら、特に鶏の場合、どうやってら「もっと雪のように綺麗で真っ白な濃厚な白湯スープ」を作ったらよいのかわからない。(T_T)
I have no idea.