一勝負2PIPS抜ければ良いといつも私が書いている【意味】も段々とおわかりになって来たと思うのですが、そう考える事の【別のメリット】を書こうと思います。
まずテクニカルアナリストに取ってチャートは命ですが、これを「普通のローソク足」で見ていた場合、「急激な動き」「細かいおかず」「動きがないとき」も「通常のうねり」も全てそのまま表示されるわけですよね。
それを見ながら「脳でいろいろ判断する」わけですが、この仕事って私みたいにもともと動きが鈍い脳にはオーバーワークなんですよ。
だから「チャートに任せられるところは任せる」ような設定にするわけです。
練行足の良いところは
○ 大きな値動きは分解される
○ 小さな動きを排除できる
わけで、「値動きだけ追う」分には非常にやりやすいんですね。でもそういう手法じゃないと意味が無いわけですが、その練行足もいろいろあって何を選ぶかで変わってくるし、設定もいろいろ。
また「もっと見やすくする方法」もあって、試行錯誤して自分に合う設定、そして「妥協できる表示」にするわけです。
色変わりを付けてみるのもその一つですが、問題があります。
「見やすくすればするほど【正確ではなくなる】」
ってことなんですね。
これってロウソク足の動きに「移動平均線」を当てるのと同じことで
「大きな流れはわかるけれど、細かい動きには追いつけない。反転場所もずれる」
わけです。
だから様々なインジケータを使うにしても「何を使うのか」と「それの調整」によってまるで結果が変わってきます。
多くの方が興味があるであろうFX(USDJPY)を例にしてみますと、こんな見やすいチャートも出来るんですね。これはマレーシア時間の本日9月21日午後2時から4時ごろまでの2時間の動きです。
まずは普通の一分足チャート。
練行足。
これを見ると「40-50PIPSぐらい抜けそうな感じ」がするでしょ?反転する場所もわかりやすいし。
こういう動きだと40-50PIPSは無理にしても20PIPSぐらいは抜けるのは確かにその通りなんですが、「大きなうねり、波動、トレンド」ができれば、極端な話、「移動平均線」だけでも勝てるんですね。
でもその「大きな動き」はいつくるかわかりませんし、普通はもっと小さな動きが延々続くわけですよ。
そういう時に、上のチャートのような設定をするとどうなるのか。チャートを見ただけでは「たとえ10PIPSの動き」でも「簡単に取れそうに見える」んですわ。端から端までは取れないにしても、7-8PIPSは取れるような気がする。
ところがですね、「見やすくしたチャート」はそれのトレードオフとして「精度が落ちる」わけで、10PIPSの波動ですと「うまく乗れても4-5PIPSしか抜けない」んですね。理由は簡単で、実際の動きとずれているからです。ただし、それは「練行足の欠点」ではなくて「練行足を使って色々手を加えた【私のチャートの欠点】です。
つまり、もし5PIPS程度のうねりに乗ったとしたら、「勝てない」ことになります。大きく負けることはありえませんが、トントンで逃げられれば上出来となる。
どうしましょうかね。
ここがチャートづくりで一番むずかしいところなんですね。見やすくすればするほど、「細かい動きには対応できない」ことが起きますから。
でも大きな動きには「安心して着いていける」。
私が「2PIPSに拘る」のにはここにも理由もあるんですよ。
「大きく取れそうでも取れないことが起きる」わけですが、でも
「期待したほど抜けなくても2PIPSぐらいは問題なく抜けるように設定する」
ってことなのね。
これが私のチャートづくりの原点なんですよ。
もし私が「2PIPS程度抜いてもどうにもならない」という考えを持っていたとしたらこういうチャート設定はしない、できないわけです。
ところが「2PIPSでも取れれば万々歳」と考えれば、「安心してこういうチャートを使える」ってことなんですね。そして
○ 細かな動きを排除できる
○ 大きなうねり、トレンドが来たらしっかり取れる
わけです。
そして
○ 大きなうねりがある対象を選び
○ 大きなうねりが来る時間帯を選ぶ
ことを付け加えればもっと面白くなるってことなのね。
じゃぁ、2PIPSでも良いというのは「自分を騙すためか?」なんて思われると困るわけで、またトレードするたびに2PIPSしか抜けないと困るわけで(笑)、
「でも2PIPSしか抜けないとしても、【それを続けていれば】大きくなれる様な計画を練る」
ってことなんですね。だから一勝負5~10PIPS抜けることはいくらでもあるし、一日の目標が20PIPSだなんてことを言いつつ、一日100PIPSぐらいは抜けるように頑張るわけですよ。
でもそれを「目標」にしちゃうと駄目なのね。
あくまで「一勝負2PIPS、1日の目標20PIPS」と「低いところにノルマを設定する」ことによって、
○ チャートづくりに自由度が増える
○ 気軽にトレードできる
わけです。ここが重要なポイント。
練行足について何度か書いてきましたが、練行足をご存じない方は「おお~~面白そうだ」と思ったはずなんですね。私もそういう書き方をしてきましたし。(笑)
でも欠点もあるってこと。
見た目は綺麗なうねりに見えますが
○ ギャップ
○ 瞬時の大きな動き
も「なだらかなトレンドに見える」わけです。でも現実は甘くはなくて、その「そのトレンドに見えるものを取るのは【絶対に】不可能」なのね。
こういうデメリットもわかった上で調整をしないと意味がないし、それなりに調整していくわけです。そして大事なことは
「普通のローソク足、ティック足を【そのまま表示】して見比べて使う」
ということ。
ですから練行足は使うのが簡単に見えて簡単ではないのですが
「トレンドを見やすく出来るのは間違いがない」
のね。
ここのメリットとして面白いのは「大きな注文が大量に入って一気に動く場合には対応のしようがない」わけですが、「一瞬」ではなくて10秒~1分掛けて大きく動くときがあるじゃないですか。これは1分足で見ると「ヒゲも長い大きな陽線陰線」になりますが、そういう場合ですと「髭の部分も含めて練行足では大きなトレンドとして見れる」んです。ですから「その反転をつかむのも容易」なんです。1分足でもわからないことが練行足ではしっかり見えることもあるってこと。極端な話、20秒足よりも反転が早いこともあるのね。それはチャートの設定一つで変わりますし、またそんな速い動きに対応するための敏捷性がないとどうにもなりませんが。前に「ゲーム機のコントローラーを使って注文を出すのもあり」と書いたのはこういうことです。
今日の日記で書きたかったことは、私がなぜ「2PIPS(ティック)でもよい」と考えるのはこのチャートづくりとも大きな関係があるってことです。
「小さな値幅を抜くことが続く中で、【大きなトレンドが来るとごっそり抜ける】というトレードパターンになる」
ですから「銘柄選び」も大事ですし、同じ設定で何にでも使えるということもないのね。
また値動きによっては「(自分の設定した)練行足が使えない」ことが起きるので、その時には「ティック足」のチャートの方を重視するとか、ま、そのへんは臨機応変。
ただ間違いがないのは「日経225」みたいに「常時来る波動は50円(10ティック)幅」みたいな対象では【かなり難しいトレードとなる】と言っても良いと思います(それとうねりが少ないのも大問題)。ところが世の中には「普通の目の前の波動が20-30ティックぐらいある」ものもあるわけです。それもその動きが延々と続く。例えば「金(ゴールド)」がそれ。ここで2ティック抜きを狙うバカはいないわけで(笑)、こういう場合は「結果がまるで変わってくる」ってことなのね。そして当然、大きなトレンドも来るわけですから。でもゴールドはゴールドでまた違う難しさがあるのはDAXと同様。
あるいはBundのようにちんたらした動きの中で「確実に数ティック抜きを続けて、たまに10ティックぐらいのボーナスも出る」銘柄にするか。ティック数だけで考えるとBundは対象外のような気がしますが、「小さい値幅を確実に抜く」ことを考えたらBundは動きが緩慢なので良いんですね。そしてロットを大きくするのは簡単ですし、「ロットを大きくしても怖くない値動き」とも言えるわけです。DAXやゴールドの動きは面白いですが、ロットをちょっと大きくしただけで「おもしろさが恐怖に変わる」のね。度胸があって博打打ち的な性格の人には最適なんでしょうが・・。(笑)