「マレーシアの金持ちが海外に出ていく多さ」は中国に次いで二位ですと

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マレーシアの金持ちが海外の「永住権」を取る多さは中国に次いで二位ですと。2016年のニュース。

Malaysia losing millionaires at world’s second fastest rate (ここをクリック)

これって人口に対してなのか、お金持ちの人数に対してなのかはわからず。

オーストラリアにもマレーシア人って結構いて、でもシンガポール人、香港人よりは少ない感じ。ただ私が知っている彼らは決して大金持ちってわけじゃなくて、いわゆる移民として渡ってオーストラリアで仕事をしている人たち。マレーシア人というより、マレーシア系オーストラリア人というべきか。

そういう人も入れると1957年から合計200万人が海外に出たと。マレーシアの人口って1970年代は1000万人ちょっと、今は3000万人を超えていますが、200万人が海外に出たってかなり多いと思いました。

またマレーシアには就労者が入る年金みたいなのがあるそうで(Employees Provident Fund (EPF))、去年(2015年)には解約率が23%増加したと。これは海外への移住が進んでいるかららしい。

我が家が今借りているコンドのオーナーも中華系マレーシア人ですが、家族とともに拠点をオーストラリアに移すから「自宅を貸す」ことにした人。我が家とは真逆。(笑)

日本人はロングステイ先としてマレーシアを選ぶ人は多いですが、それって移民、永住とは違うわけで、資産も収入も日本に依存しているせいぜい長くても7-10年のちょいの間の腰掛けロングステイがほとんどですよね。でもマレーシア人は将来生きていく場所として海外を選ぶ人が増えているという現象。

でもこれって昔からそうで、「稼いだら海外に出る」「海外で稼ぐ」人たちってアジアには非常に多いわけで、さもありなんと思ったり。

マレーシアの場合は「ブミプトラ政策」も関係しているんじゃないかってのは我々にも見えてきますね。教育や就職でマレー人は優遇されているけれど、中華系インド系はいろいろあるようで海外に活路を見出そうとしている話は良く聞きます。

ではマレーシアにビジネスの将来性が無いのかというとちょっと違うと思っていて、でもそれは外国人だからわかるのかもしれないと思ったり。海外を基準にして考えると、「今後のマレーシアで伸びるビジネス」が見えるんでしょうし、そのノウハウを持つ個人や企業はマレーシアに参入するんでしょう。でもそのスキルがない場合、あるいは単に「給料取り」だとした場合、海外に目が行くのは当然だと思ったり。例えばオーストラリアに渡るだけで、所得が5倍10倍になる人はいくらでもいるんでしょうし。

オーストラリアは物価が高いと言うけれど、それってそれなりの生活をしようとするからそう思うわけであって、安くあげようと思えばいくらでも安く上がるのは日本と同じで、そして子供の教育や医療、年金を含めた社会保障の分厚さを考えれば、海外に出ようと考える人が多いのは納得。

しかし、中国についでマレーシアが多いってのは意外でした。

というか、海外に出るにはそれなりの基礎、資金等がないと駄目で、昨今のマレーシアの発展が逆に海外に出るキッカケとなったのかもですね。

フト、昔、仕事でスリランカに良く行っていた時の話を思い出しました。スリランカって格差が凄くて大金持ちは大金持ち、でも一般人は貧乏みたいな感じでしたが、ビジネスの繋がりがある友人の家(個人が所有するホテル兼自宅)に泊まっていたときです。そこには下男下女がわんさといるのですが(従業員というより下男下女)、私につきっきりで面倒を見てくれた青年がいたんです。

給料を聞いたらなんと月給1700円ぐらいだというのでびっくり。「オーストラリアに来たら良いのに・・」と思わず言ったところ、なんと「私はオーストラリアのパスポートを持っています」と。スリランカ人だと思ったらオーストラリア生まれのスリランカ人だったのね。「どうしてオーストラリアへ行かないの?」と聞いたところ、「オーストラリアへ行く金が無い」っていうんですよ。

そんな程度のお金なら私が貸しても良いわけで、それを言ったところ、「家族がスリランカにいるし、この生活は決して苦ではないから」ですと。

でも私から見ると彼らの生活って悲惨で、ホテルに寝泊まりしているんですが、ちゃんとした彼らの部屋なんかないんですよ。キッチン横の「土間」に皆が寝ていたり。そして真夜中でも主人に呼ばれればそのまますっ飛んで主人のところに行き、「なんなりと、ご主人様・・」みたいな感じで直立不動(絶対に主人の目は見ない)。そこで主人が何を言いつけたかというと、我々が飲み会をしている席に「扇風機」があったのですが、「その扇風機の向きを変えろ」と指示した。(@_@)

お前がやれよ~~と思ったのですが、そんなことでもいちいち下男を呼びつけるのね。

これって奴隷と一緒じゃないかと思ったのですが、彼にあとで聞いてみると、「うちのご主人様は非常に良い人で、今は幸せです」と嘘か本当かわからないことを言っていましたっけ。

これって30年以上前の話ですが、まさかマレーシアもそうだったなんてことは無いのでしょうが、「豊かになりたい」と海外に出る人ってアジアにはごっそりいるんでしょうね。また地元でガッツリ儲けた人はお金を海外に出して、「いつでも逃げられるようにしている」という華人とあったこともありました(インドネシア、フィリッピン、台湾)。

私がタックスヘイブンに昔から興味があるのはこのブログに何度か書きましたが、その手の銀行の顧客はやっぱりそういうアジア人が大多数だと、担当の日本人銀行マンから聞いたことがあります。

お金がない人たちは「豊かさを求めて海外に出る」。持っている人は持っている人で「海外にいつでも逃げられるようにしている」ってのが私が長年持っていたアジア観なんですが、今、多くの日本人がロングステイでアジアに出て、またアジアに働きに出る若者も多い。ロングステイはまだ理解できますが、日本の若者がアジアに出て現地採用を選ぶというのが未だに私には理解できません。日本で働く以上に稼げるのか、将来設計はどうなっているのか気になります。

かつての日本人はやっぱりアジアの小国で、海外に仕事に出る時には「給料の良い外国」に出る、いわゆる「出稼ぎ」が普通だったのに、今は違うんですね。

豊かな海外を目指す人もマレーシアに多いのでしょうが、私の息子の親友のマレーシア人がオーストラリアの大学を卒業して海外の企業で働いていたものの、自分にノウハウが出来てからマレーシアに帰ってきて、まだ20代なのに不動産開発の会社を立ち上げて頑張っていたり。

こんな私も、かつては想像もしなかったマレーシアで再出発を考えているんだから、世の中っていろいろで面白いですね~~。まさにボーダーレスの時代に入っているんだとは思いますが、「海外に出ることは良いことなのか」という点ではそれぞれですし、様々な問題が無視されて「海外~~~♫」という人たちも多いのはちょっと違うんじゃないかと思ったり。

問題があればすぐ帰れる人たちは良いにしても、帰ってから生活が維持できるのか、老後はどうなるのか考えると我々日本人はこれから苦難の道を歩くしか無いみたいな気がしてきます。

今ではGDP世界3位になりましたが、かつては「一人あたりのGDP」もアメリカを抜く勢いで「ジャパンアズナンバーワン」なんて言われて皆が浮足立っていた頃もありましたね。全国民が「自分は中流だ」と思っていたのもどんどん変化して「下流老人」だとか「老後破産」なんて普通に言われる時代になった。でもそれって「日本が輝いていた時代を生きた人達」がそうなっているわけで、今の若者たちの将来を考えるとゾッとします。

 
 
 

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