私自身は現時点で存在する仮想通貨(というより暗号通貨)の将来性があるとは全く考えていませんが、トレード対象としては面白いと思っているのはいつも書いているとおり。
ただこれの扱いに関しては各国様々で決して世界的に自由に売買されているわけじゃない。
そこでマレーシアがどう扱うつもりなのか。それが気になっていました。マレーシアは法定通貨であるリンギットに関しては非常に閉鎖的な管理をしていて世界から見れば「自由市場には出ていない通貨」ですよね。世界中どこでも交換できる通貨ではない(小さな両替商が扱うのは別の話)。
そんなことがありますので、マレーシアは暗号通貨に関しても神経質になるんじゃないかと思っていたんですよ。FXにしてもかつては「違法である」という見方もあってトレーダーは結構混乱していた時期がありましたし。でも海外の取引所、証券会社を使えば問題なくできちゃうわけで、それもあってかマレーシア国内にもFXの取引ができる証券会社ができるようになった。
どうもマレーシア政府は「通貨としては認めないけれど、資産としては認める」方針のようで、我々マレーシア在住者が暗号通貨の売買に問題が出ることはなさそう。
No ban on cryptocurrency tradings, says Johari
The Public Will Decide Cryptocurrencies’ Future: Malaysia’s Central Bank
マレーシア国内で暗号通貨を売買できる取引所。
また2月に新たに出来る(出来た?)様子。
この辺を読んでいると税法上の取扱がまだはっきりしていないようなのが気になるわけで、取引所は課税対象企業になるのは当然にしてもトレーダーはどうなるのか、非課税だろうとは思うもののその確認はしたいと思うわけです。
これは「交換所」の話であって、FXでのトレードとは別の話。
ここがピンと来ない人も多いと思うのですが、普通の通貨でも「実際の為替交換」と「FXによる差金決済」とは違うのはわかりますよね。ここでいうFXの定義がはっきりしていないのが困るんですが、FX=Foreign Exchangeではなくて、為替交換という「実態」に合わせた「仮想売買」とでもいうのでしょうか、CFDもそうですが、ここでの売買は「実際にその通貨なり商品は売買されない」んですね。だから現物が欲しくても「現引き」はできない(出来るところもある)。つまり、買ったらあとで売る。売ったらあとで買い戻すのが決まりで、現物ではなくて「指標、指数」を売買していると考えるとわかりやすい。だから「いつか必ず反対売買をして決済する」必要がある。
古い人にはこの辺の理解って難しいはずで、株の信用取引もどうなってるの?何ていう人もいるわけで、先物は?ETFは?とどんどんややこしいものが世の中に出てくるんですね。先物の歴史って古くてその発祥は日本の米相場と言われていますが、「将来のある時期」の売買をするのが先物。かつては現物しか売買できなかったのが、将来のある時点の売買約束が出来るって画期的な出来事なんですね。生産者も取扱業者もこれで将来の見通しが立つわけですから。でもその先物は、約束のある時期になったら現物を受け取る、差し出す必要があった。でもいつの日か、現物の受け渡しは行われなく、反対売買だけというものも出てきた。なおかつオプションなるややこしいものも出てきた。
こういう流れの中で「仮想通貨」という実態のないものが出てくるのも時間の問題だったのだろうと思いますし、それどころかその実態のないものの先物とかFXも出てきた。
ま、トレード対象となるものは何でもOKという時代で、私みたいな保守的な考え方を持っていると世界は狂っているとしか思えないのですが(笑)、それが時代の流れ。
ということで、今流行りの暗号通貨も「実際の売買をせずに仮想売買が出来る時代になった」と言って良いと思うのです。「仮想通貨の仮想売買」みたいな(笑)。それが前から書いているアメリカの2つの市場で上場されたビットコインの先物であり、何社かやっているFXビットコインというもの(他の暗号通貨のFXも存在する)。
またこのFXビットコインも、普通のFXのように「法定通貨」を証拠金として入れるものと、「仮想通貨」を証拠金として入れるものも出てきた。この仮想通貨を証拠金として使うという存在を私は全く知らなかったのですが、先日読者の方からそういう業者の存在を教えて頂きました。この方が書いてくれたコメントの内容は非常に重要だと思いますので、ここにそのまま転記させていただきます。
こんにちは!
ブログ楽しく読ませていただいております。
私もマレーシア在住でビットコインを少々やってますので、私の知っている情報をお伝えしたいと思います。BTCUSD(=XBTUSD)のロングショートはBitMEXでやっています。
BitMEX
https://www.bitmex.comBitMEXはすぐに口座開設できますが、証拠金はBTCのみですので、証拠金用のBTC現物を仕入れる必要があります。BTC現物は以下のブローカーで買いました。
QUOINEX
https://quoinex.com/KRAKEN
https://www.kraken.com/口座開設は必要書類をアップロードすれば問題無くできます。両社ともにUSDの送金先は日本の銀行になります。あと、QUOINEXのBTCUSDはBTCJPY(ビットフライヤー価格に近い)を為替換算した価格で、KRAKENのXBTUSDはBitstampなどの欧米価格に近いです。tradingviewに以下を打ち込めばおおよその価格差を確認できます。通常は欧米価格のKRAKENの方が安いです。
(BITFLYER:BTCJPY/FX:USDJPY – KRAKEN:XBTUSD)/KRAKEN:XBTUSD*10000
最後に、ご存知かも知れませんが、BTC関連のサイトを貼っておきます。
いなごFlyer
https://inagoflyer.appspot.com/btcmaccryptofacilities
https://www.cryptofacilities.com/indicesBitcoin Futures CME – Feb 18 (BRR)
https://www.investing.com/currencies/bitcoin-futures
今の時代はボーダレスで、世界のどこに自分が住んでいようが、資産をどの国に置くとか、どの国に投資するとか、トレードはどの国でするとかは全く関係がありませんよね。私には3つの国が存在すると考えていて、1つ目は「縁を切ろうにも切れない日本」。2つ目は「自分が住みたいと思う国」。3つ目は「自分と同じようにお金が住みやすい国」があると思っていて、この3つの国が同一の国である必要は全く無いと考えています。マレーシアに住んでいるのだから資産はリンギットで持つとか、日本在住だから日本円だなんていう時代はとっくの昔に終わったと思っています。私達が海外を好きなように選んで生きるのと同じように、お金にも「住みやすい場所」があって、それと自分が住む国とは全く関係が無いんですね。
そういう意味で暗号通貨を売買するにしても、暗号通貨先物だろうが暗号通貨FXだろうが、その取引所や証券会社がマレーシアでなければならない理由は何もない。
逆に私は「マレーシアの為替規制」を考えると、マレーシアに資産を多く置くのはどうも気に入らないのはいつも書いているとおり。でも逆を言えば、この世界的に珍しい為替規制を持つマレーシアはこれがあるからこそアジア通貨危機を乗り越えることができたわけで、「規制は良いこと」と考えることが出来ないくもないとは思っています。でもリンギットのキャッシュを日本やアメリカ、あるいは他の国に移動はできませんし、「移動したい時にはリンギットから他通貨に変えて世界に出す」必要がある。
マレーシア国内で「他通貨に交換して外に出すことに規制がなければ良いじゃないか」と思うかもしれませんが、そもそも他国にはない変な規制があるということ自体が私には「いつかどのように豹変するかわからない」わけで、長い目で見たリスクコントロールを考えるとやっぱり「生活に必要な資金だけマレーシアに置く」という考え方になってしまいます。一般的な国は「自国通貨は世界を自由に移動、交換できる」というのを国が保証しているわけで、ここに大きな違いがあると私は思うわけです。
またこの規制があるということは、世界の為替交換所にマレーシアリンギットは存在しないわけで、当然、FXもなければ先物もない。(USD/MYRはIG証券で扱っている)
つまり「現物の売買しかできない」という点で、ヘッジが出来ないんですね。でもこのヘッジが出来ないということは「空売りが出来ない」ということであり、まさにそこをマレーシア政府は狙っているわけですね。ハイエナのようなヘッジファンドがリンギットを売り崩そうと思っても出来ないわけですから。でも我々一般としては非常に困る。
ま、そんなこともあって、暗号通貨に投資するにしてもマレーシア国内でするのが良いのか、国外でするのが良いのかってこともありますし、かつての日本のマウントゴックスや最近のコインチェックもそうですが、各国で大小様々な問題は出てきている。これって暗号通貨は完璧なセキュリティがあるにしても、取引所、交換所は全く別の話で、ここのセキュリティが甘かったらどうにもならないと思うわけです。
当然、自己責任の範疇での「保管」を考えるべきですが、取引所を通す場合はやっぱりそこの信頼性が重要だと私は思うし、マレーシアに住んでいるからマレーシアの業者を使うなんてことは全く意味が無いと考えています。そもそも銀行然りこのマレーシアにはマレーシア流のやり方が存在しますし、私はそういう世界基準から外れるところとは取引したくないと考えるタイプです。あるいは万が一の時があっても「そこを選んだ俺が馬鹿だった」と諦められる範囲に留めておきたい。
ま、海外の取引所を使うにしても、マレーシア在住である限りマレーシアの法律に従わないとなりませんから、政府がどういう規制を暗号通貨に掛けてくるかを知らないわけには行きませんよね。でもま、心配するようなことはないだろうと思ってはいます。
でもFX暗号通貨の世界がこれほど活発に動いているとは知りませんでした。
また私としては現物を買って保持するという従来の方法ではなくて、FXの方が大きくなるんじゃないかと考えています。レバレッジが効くのと、空売りができますから下げ相場でも利益が出せるし、ヘッジも出来ますから。
そもそも世の中の多くの人達がなぜ暗号通貨に魅せられるかというと、その本質的な良さとは関係ないと私は考えていて、そりゃ暗号通貨は素晴らしいと絶賛する人も多いものの、投資家は「儲かると思うから買う」だけのことであって、実際に暗号通貨を基本にして生活しようなんて考えている人は極々少数派と言って良いんじゃないですかね。ま、信奉者はいろいろ考えているのだろうとは思いますが、もしも、自分の給料なり商品の売買代金を暗号通貨で支払われることになったら、私は絶対にイヤですもの。払う側も受け取る側もこれほど大きく価値が変動するものを使いたいと思うわけがない。
そういう意味で私は今現在の暗号通貨に将来性を感じないのですが、でもブロックチェーン技術は全く別で、アンチ暗号通貨派だとしてもそれとブロックチェーン技術を一緒にして否定してはまずいと思っています。
暗号通貨も国や大手の銀行、企業が発行する時代になっていますし、例えば円と1:1の交換比率を固定したものがどうなるかその方が気になります。暗号通貨は中央集権で管理されていないところが良さだと言われているわけですが(私はこれが良いとは思わない)、結果的には円やドルとのペッグ、あるいはバスケットで「他の法定通貨とリンクさせる必要」はあると考えていますし、そうなれば世界への浸透に拍車がかかるんじゃないですかね。
そもそもビットコインにしても他の暗号通貨にしても、会社で言えば大株主がいるわけですよね。特定の人たちが80%以上を持っているとか。私はここも大問題だと思っていて、そりゃ中央政府が管理していないにしても、暗号通貨の値動きはその大株主(大量保持者)が何を考えるか何をするかで決まってしまう。ここに危険性を考えないのって脳天気だとしか私は思えなくて、そりゃ政府が自国通貨の買い支えをしたり、輪転機を回して供給量を増やすとかそういうことはないにしろ、「全く素性のわからない少数派が値動きを操作できる」ってとんでもなく恐ろしいと私は感じます。これは一般的な株式会社も同じで、大株主がどういう素性か普通はわかりますが、わけのわからないヘッジファンドが大株主に名を連ねていたらどう思います?
そんな通貨が他の法定通貨を圧倒するような時代になったら、一体何が起きるのか。また今の時点でビットコインのマイニングに掛かる電気代が小国の全ての消費電力を上回るなんて馬鹿なことが起きているわけで、これをそのまま放置して良いとはどうしても思えず。時代の流れとともに問題点を克服する暗号通貨が出てくるはずで、でも今の時点で存在する暗号通貨がそのまま伸びるとは私には思えず。
また暗号通貨の秘匿性はまさに世界の「アングラマネー」「マネーロンダリング」の規制と逆行しているわけで、暗号通貨の普及、蔓延は世界の金融崩壊から経済崩壊へ繋がる危険があると考えています。でもそれこそが極端なリベラル派、グローバリストの望むところなのかもしれませんが、保守派の私としては絶対に受け入れられない。ましてや限られた少数の大量保持者が値動きをコントロールできるとしたら、新手の左翼過激派到来の時代になるとも言える。アンチ権力思想が強い人達にはウエルカムなんでしょうが、結局は共産主義と似ていて権力が一部に集中するばかりで、決して一般民衆が主体となる時代にはならないはず。
ま、ボケた頭の私が何を考えてもピント外れだろうとは思っていますが、今の暗号通貨は「通貨」という名はついていても通貨としての使いみちはないと思っていて、単なる「通貨」と言う名の付いた「資産の一種」と思えば良いと考えています。でもいつか法定通貨とのリンクという時代を経て暗号通貨が主流となる時代も来るかもしれないとは思っています。その頃まで私が生きているとは思いませんが。(笑)
参考までにこのブログの読者に紹介していただいたFXビットコインの「BitMEX」における値動きの動画をだします。2018年2月25日19:45前後(マレーシア時間)。
スプレッドが非常に小さく取引は活発ですが、出来高そのものは大きくはありません。左の「オーダーブック」というのがDOM(板情報)で、真ん中はチャート、右がTime&Salesで実際に売買された時間とサイズ。
取引単位は注意が必要で、1ビットコインが1万ドルだとすれば、それは10000ポイントです。つまり売買サイズが200ポイントだとすればそれは0.02ビットコインだということ。18000ポイントだとすれば1.8ビットコイン。右欄の売買ティックを見てみると小規模トレーダーが圧倒的に多いのがわかります。それとも私が何か勘違いしています?
チャートですが、先日ちょっと紹介した「TradingView」というチャートを(有料で使えば)そこそこチャート分析は出来るはず。
赤文字で書いていますが、横のグリッドラインが20ドルです。ですからスキャルの場合は出来高から考えて物足りないものがありますね。1ビットコイン程度の売買でも成り行きだと滑ることがあるのが上の動画を見ても分かりますし、ロット数を上げるには無理があります。でもCBOEの先物、その5倍の大きさのあるCMEでも出来高はまだまだなのでスキャルで大きく狙うのはFXでも先物でも難しい状態。ただしもっと長い時間軸で大きなうねりを狙うなら十分行けると思いました。
チャートですが、もう少しまともなのを使いたいとすれば、Ninjatraderのバージョン8がこの取引所からデータを受け取れるので良いかもしれない。この会社はかなり良さげなAPIを提供しているみたいで、他の自分が使い慣れたチャートも使えるのかもしれませんね。
私としては「戦う場所が多い」のはウェルカムですし、FXの場合は土日も動いていますから暇つぶしにも良いと思います。ただし、証拠金はビットコインですから、ビットコインをどこかで入手してこのBitMEXに入れないとなりません。レバレッジは100倍までですから、スキャルなら10万円分もあれば十分始められますし良いかも。でもCBOEの先物の出来高が増えて来たほうが私としては嬉しい。いつも使っているInteractive Brokersで売買できますし、ビットコインのために他社と契約し証拠金を入れる必要もありませんから(トレード対象が多いのは良いけれど取引口座が増えるのは管理が面倒)。ただしCBOEの証拠金は1枚約6300ドル(1ロット1ビットコイン)。CMEは大きさが5倍(1ロット5ビットコイン)で証拠金は約32000ドル。
CBOEのビットコイン先物(XBT 03-18)のチャート。これは私がスキャルで使うチャートなんですが、このまま使えるのでCBOEの方が便利って言えば便利。口座もそのまま使えますし。