VPNってわかりますよね。
Virtual Private Network
これを利用して、パソコン内のトレード用プログラムをアメリカのバーチャルサーバー内に移そうかと。
これをするとどんなメリットがあるかというと、もし全てを自分のPCでコントロールしている場合に比べて
◯ マレーシアのインターネット接続
◯ コンドのインターネット接続
◯ 家庭内のLANの不調
◯ 停電
の心配が全く無くなるんですね。
大騒ぎするほど大きな問題はまだ起きていませんが、インターネット接続が突然切れたことは何度かあります。それは家のモデムの不調であったり、プロバイダそのものが繋がらなくなっていたり。
でも復旧に何時間もかかるってことはなく、停電も同様。
ま、一般的には全く問題が無いと言っても良いわけですが、トレード中にこれが起きると間違いなくパニックになります。
当然、注文を出す時には、「利確と損切り」の注文をBracketで一緒に出しますので、それがブローカーのサーバーの中に残っていれば、「利確」「損切り」あるいは値がどちらにも達していなければポジションはそのまま残りますので、ドキドキはするものの大騒ぎする必要はないのですが、もしもBracket注文を出さずにいたら大変なことになります。値がどう動いているのかもわからず、どんどん利益が増えているのか(笑)、損が積み重なっているのかもわからない。
短期売買は「小幅抜き」ですから、そしてロットも大きくなりますから数十分、数時間放置したら良い意味でも悪い意味でも大変なことになる。だから「必ず出撃する時には利確と損切りのブラケット注文」にしないと駄目なんですね。またそれを出しておけば、もし世界に突然の「出来事」が起きても問題はありません。考えられる問題点としては「ブローカー、あるいは取引所」が一瞬にして破壊されるとか、彼らの接続が破壊されるようなテロ、あるいは震災ぐらいなものでしょうか。
「利確と損切りの注文」ですが、これはどちらかがヒットすれば片方の注文は「自動的にキャンセルされる」わけですね。
ところがもしこの機能を「ブローカーが対応していない」場合はかなりうまくなくて、自分の使っているソフトがそれを行うわけです。つまり、もしPCがハングしたり、ソフトがフリーズしたり、あるいはネット接続が切れる、停電する時には、自分の買い注文なり売り注文はそのまま放置されることになります。
この場合は、絶対にVPNを使って信頼できる業者のサーバー内でトレードソフトを動かさないとうまくない。
かつて私は必ず電話を横に置いてトレードしていました。万が一の時にはすぐにブローカーに電話をして「ポジションがあれば全てスクエア」にしてもらうためです。業者によってはもっと細かい指示を電話で受けるところもあるはずですが、基本的には「スクエアにしてくれ」程度。
だからブローカーがBracket注文に対応していれば、それを出してからこちらのPCがダウンしようと大丈夫なわけですが、もしトレードソフトでもっとややこしい注文を値動きに合わせてしようと思った時には、当然、接続が切れたらどうにもならないわけです。
今の所、ややこしい注文は出さないので問題はないと言えばないのですが、ネット接続の問題、PCの不調、停電には為す術がありません。そして将来的にはややこしい注文も出そうと考えていますし、自動運転もいろいろ試そうとしている段階で、これを動かすとしたら自分のPC上で動かさないほうが良いんですね。当然、もしInteractive brokersみたいにNijatraderから直接アクセスできずにTWS(ブローカーの売買ソフト)にぶら下がるようにして使う場合は、両方のソフトをVPNサーバーに置くことになる。
また、Ninjatraderは自分のPCで動かし、TWSだけVPNサーバーに置くという手もある。
それと考え方は同じですが、自分の家からトレードするにしても、デスクトップPCでNinjatraderを動かし、広域WiFiにも接続できるように設定したノートブックにTWS(ブローカーの売買ソフト)を置く様にはしようと思っています。これなら停電、LANに問題があってもどうにかなる。でもそのノートブックもブローカーにアクセスできなかったらアウト。
このVPNを使って、自分のPCと分けているトレーダーってそれなりの数、存在するんですね。特に自動売買で、それもイベントトレードをする人たち。イベントとは要人の発言であったり、経済指標の発表などで「大きく動く時」にトレードする手法を持っているトレーダー。彼らは「一瞬」に賭けますから、レイテンシーが大きいとどうにもならないんですね。だから「取引所に近いところにサーバーを借りてそこにソフトを置く」なんてこともやる。スキャルパーでもそういうトレーダーは多いハズ。
ま、私にはそれらは関係がありませんが、マレーシアのネット事情、自宅のLAN、停電などの「不安」ってあるわけで、VPNの利用は今すぐではないにしても「いつかはやらないとならない」と思っています。またサーバー上のソフトですが、スマホやタブレットからも操作出来るはずで、家からではなければトレードできないとか、外出時には高性能ノートブックを持っていかなくてはならないとか、それからも開放されるはず。
---------(後記)-----------
読者から、私が書いたのは「VPN」ではなくて「VPS(バーチャル・プライベート・サーバー)」ではないかとご指摘をいただきました。ご指摘を頂いて、あらま、本当だと気が付きました。どうもすいませんです。
ただVPNが全く関係ないってことではなくて、本来トレードで別の場所にサーバーを置く場合は「自前のサーバー」を置くことを考えます。バーチャルサーバーは一つのコンピューターの中に複数のサービスを動かしますからCPUのパフォーマンスやRAM上の制限があるんですね。でもサーバーを専有できるサービスもあってわけがわからないのですが、基本は「自分のサーバー」が必要なわけです。そしてそれを世界のどこからでもアクセスできるようにする。あるいはとんでもない辺鄙なところに住んでいるのか。以前、石油のリグの上で仕事をしていて、トレードするためにはまともな場所にサーバーを置いてVPNでつないで・・なんていう人の話を読んだ覚えがあります。
実は私も日本にPCを設置していたことがあるのは前に書いたことがありますが、それは「日本のテレビを視聴するため」と「海外からはアクセスできないサイトへのアクセス」に使っていました。相手側にはそのサーバーのIPアドレスが送られませすから、「日本からのアクセス」として処理するんですね。でもトレード関係では全く使ったことはありません。
NinjatraderでVPNを使っているというユーザーはそこそこいますが、彼らの多くは自動運転させるサーバーを安全な場所、そして証券取引所、ブローカーに近いところに設置しているんじゃないですかね。
と同時に詳しいことは忘れましたが、証券取引所のサーバーと同じ建物内にバーチャルサーバー設置ができるサービスもあるようで、レイテンシーは世界最小だと宣伝していた業者もあった覚えがあります。自動運転でスキャルをする場合にはそれが重要になるんですね。大手のプロがやるHFT(high-frequency trading)もどこにサーバーを置くかで場所の取り合いが熾烈だと聞いたことがあります。(彼らは証券取引所の会員でブローカーを通さず、直接、取引所とやり取りするから、【近い】ことが重要なんでしょう)
ま、我々は自動売買でスキャルをするというのでなければ大した問題はないと思いますが、「安全な場所に自前のサーバーを置く」という考え方は重要だと思います。それをVPNで繋げてリモートコントロールする。
レイテンシーがどれだけ重要かに関しては、以前、eSignalとFXCMだったか(CQGだったかもしれない)FXデータを取り込んでリアルタイムでチャートを表示した場合、どのくらいのズレがあるかテストしたことがありますが、目測でスピードの違いがあるのははっきりわかりました。それってどのくらいの差かはわかりませんが、データの遅延、チャートの処理スピード、そしてPCの性能がイベントトレーダーには大きく関係があるのは間違いがないのね。手動で売買する場合には関係ないと思いますが。