FX取引では「レバレッジ」を利かすことが出来るのが普通。少ない投資金額で大きな額を取引できる。短期売買ですとチョロチョロと上下に動く小さな波動を狙いますから、レバレッジを効かせられないとかなり効率が悪くなる。
ただこの倍率を海外みたいに100倍だの400倍、マレーシアでは1000倍を超えるレバレッジを掛けられる証券会社がありますが、これってやっぱり異常で、100倍だとすれば100円が101円(あるいは99円)に動いただけで全額が飛んじゃう。
だから日本では25倍を限界としていたわけですが、
「金融庁が現行の25倍を10倍に下げるように【検討に入った】」らしい。年内にはそうしたい意向の様子。
困る人がいるとは思いますが、私としてはこの方が良いと思いますわ。
アメリカはレバレッジを下げるどころか、FX取引を自国民にはさせないように動いていますし、やっぱり「一攫千金」を狙うギャンブルを排除しようってことじゃないんですかね。賭博場と同じ様なことが起きているのは間違いがないですから。
そもそも「レバレッジ」にしても日本の「信用取引」にしても、先物の「(安い)証拠金」にしても、トレードする側としては「常に実際の取引額を意識する」ことは非常に重要で、「低い投資金額で大きく売買できるのは【借金】しているのと同じ」ですもんね。
世の中にはおかしな人が結構いて、「利益率を投資金額から計算する」ことが多いのね。
これは不動産投資も同じで、「年の利益率30%です」なんて凄いなぁと思ったら、例えば1000万の投資で1億の物件を買って「300万儲けた」って話なのね。これの利益率は3%だと考えなくては駄目で、そりゃ実際に投資したのは1000万だけにしても「あとの9000万」は借金しているだけの話。
だからもし大きく値が動いた時には、「投資金額より更に大きなマイナスが生じる」わけですよ。損が1000万までに限定されているのなら良いですが、そんなうまい話はない。(不動産の場合はノンリコースローンで債務は限定されるのもある)
FXや先物、株は「投資金額にかかわらず、損失は全て支払わなければならない」のが原則ですから、投資金額が少なくて済むなんてのはあまり関係ないことだと私は考えています。あくまで「取引総額」を考えて、自分が投資しているのはその額だという意識を常に持つのは大切だと思います。投資金額が少なくて済むのは「借金している」からということを忘れてはならない。
だからレバレッジの限度が10倍になれば「倒産リスク」は減るのは間違いがないものの、自分は「総額の1割の負担で、9割は借金」なのも間違いはない。
ですから2008年のオーストラリアドルが日本円に対してほぼ50%になるほどの下落があれば、自分の投資額は全て消えるどころか、その4倍の負けを追加で支払わなくてはならない。まぁ、そこに至る前に強制的にポジションは解消されてしますが、それを逃れるためには「どんどん資金を注ぎ込まなくてはならない」わけで、そういうリスクを背負ってトレードしている意識は大切ですよね。
私もレバレッジを利用しますが(先物で安い証拠金を使うのと同じこと)、基本的には「取引総額」が基本にあって、たまたま口座に入れておく資金は少なくて済むだけと考えるようにしています。だからレバレッジを利用できるからと言って、万が一の時に自分が出せる額より大きな取引は絶対にしません。つまり、FXで言えば、1ミリオンを出せる状況にない限り、1ミリオンロットの取引はしないということ。これって理屈から考えるとおかしな考え方でもあるのですが、「たとえ自分が投資した対象の価格がゼロ」になろうと、自分は破産しないという安心感が大事で、その安心感があるからトレードもうまくいくと考えています。
簡単に言えば、レバレッジは存在しないのと同じ様に考えるってこと。日本では世界で言う「マイクロロット」があるようで、1万ドル単位で売買ができるはずですが、それに必要な投資金額は千ドル以下。ここで喜んでは駄目で、自分は1万ドル用意して、とりあえず口座には千ドル入れて、あとの9千ドルは定期にして持っておくとか、そういう意識が重要だと思います。この考え方は一般的ではなくて古臭い考え方のはずですが、余裕を持ってトレードが出来るのは間違いがなくて、だからこそ「不安と欲望」を押さえつけることが出来て「勝てるようになる」と考えています。
逆に、1万ドルの資金、資産しかないのに、数十万ドルの取引をするのはギャンブル以外の何物でもないという考え方です。(ダボ流の手法ですと、1万ドルの売買では1PIP1ドルでしかありませんが、その勝ちを溜め込んで増やせば全く問題ないのはいつも書いている通り。そもそもこれが出来なければ大きな資金をつぎ込んでも勝てないのは同じこと)
ただ今まで総額で1ミリオン単位で売買していた人は、最低4万ドルあればよかったわけで、でもレバレッジが10倍に下がったら投資資金を10万ドルに増やす人より、総額1ミリオンの取引を40万ドルに減らす方向に動く人の方が多いのかもしれない。
つまりこの規制が決まれば、ほぼ間違いなく「FX業界の取引高は減る」ことになるんでしょう。
私が心配なのはそれが値動きにどう影響を与えるかってこと。
どうなりますかね~~。
私はFXはしませんが、FXの値動きに変化が出ればそれは当然、先物にも波及するわけで、そこがちと心配。