本日、全ての「豪ドル」を米ドルにしました。資産防御って難しい。

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本日、まとまった金額の豪ドル建ての債券が償還になったので、これを機会にほぼ全ての豪ドルを米ドルに替えました。

その理由らしい理由ってなくて、あえて言えば「不安」です。

今の世界情勢を見ていると、米中の貿易戦争は単なる貿易戦争と見ては駄目だと思っていて、中国がどんどん強大になる原資は「アメリカとの貿易黒字」なんですね。貧しかった中国に対しては日本を含めた各国が援助をしてきましたが、その根本にあったのは「古い中国が民主化、自由化されて、世界の仲間入りをする」という希望があったからのはず。13億人という半端じゃない数の国民が自由で裕福になればそれの「世界経済への貢献度」は半端じゃありませんし。言葉を変えれば、中国を利用して儲けようとすべての国が考えていたはず。

ところが中国は民主化、自由化されるどころか、習近平はトップの座に居座って独裁政治化してきましたし、軍事にもとんでもない資金を注ぎ込み、発展途上国には「援助」という名で「メチャクチャな融資をし、返済出来なければ土地をふんだくる」というヤクザまがいのことをして各地に「軍事基地、あるいは転用可能な土地」を確保している。そしてそれは南シナ海を見ればわかるように、彼らの世界戦略であるのも見えてくる。文化的には「孔子学院」を世界中に設置し、プロパガンダ、あるいはスパイの拠点として使われているのも見えてきた。

結局、「ニコニコ笑うヤクザに騙されて援助してしまった」ようなもんだということに各国が気がついてきて、アメリカは近未来に中国が世界一の大国になるのを止めようと決心したのだろうし、EUもそれに続いて態度を変えてきた。

オーストラリアって資源を売るしか生きる道がないような国で、中国にべったりになってもう20年が過ぎようとしている。韓国が中国ベッタリと言われるけれど、オーストラリアの中国依存は韓国以上。

中国マネーにオーストラリアは翻弄され、北にあるダーウィンという都市の港湾施設を99年契約で中国に貸してしまった。この近くには米軍基地もあり、安全保障上非常に問題が多いというアメリカの懸念も無視して貸与。政治的にも中国マネーが入って様々な問題が出てきた。

それでも金持ちの中国に尻尾を振るしかなかったオーストラリアも、最近はかなり風向きが変わってきた様子。でもオーストラリアの中国依存の経済に大きな変化は見られない。

中国の暴走を止める

これが世界の一致した考え方になりつつあるんじゃないですかね。

中国の最大の資金源は対米黒字で、それを減らそうとアメリカが強気に出ているけれど、それがどこまで有効なんですかね。アメリカが中国から莫大な輸入をしているってことはアメリカ経済がそれを必要としているからで、中国からの輸入を減らせば困るのはアメリカ自身でもあるはず。中国からの輸入品をアメリカ国内の生産品に置き換えるなんてのは夢想としか言えないんじゃないですかね。これは長年の対日関係でも大きな問題点だったわけで、プラザ合意、日米構造協議、年次改革要望書と次々に日本に圧力をかけたけれどアメリカの思うようにはならなかった。でも日本はバブルで自滅。

だから今回の米中貿易戦争もどういう結果になるのか想像をするとトランプ氏が思うようにはならないだろうし、そもそもあの強気は中間選挙に向けたものかもしれない。

でも中国をこのまま好きなようにやらせていると、近い将来、中国が世界一の大国になる。そして彼らは彼らの「思想」も変えず、世界の「基準」も無視して突っ走るわけで、遠くない将来には恐ろしいことが起きるんじゃないですかね。私は中国は中国の基準に世界を合わさせるつもりでいるのは明白だと思うし、そんな世界になって欲しくないし、アメリカの今の行動は応援したい立場。でも大国同士の摩擦に日本は翻弄されるはずで、でもそれを上手く乗り切れる手立ても人材(政治家)もいないんじゃないかと。そういう意味では私は安倍さんを買っていて、彼は100点満点とは言えないにしても、彼以外に任せられる政治家は見当たらず。

またマレーシアも政権が変わりマハティールさんに戻ったけれど、中国べったりのマレーシアがどうなるのかは全くわからず。

どちらにしても「未曾有の変化」が世界に起こるであろうと私は考えていて、その変化にとんでもなく弱いのがオーストラリアなのね。

オーストラリアには25年間住み、ずーっとオーストラリアを見続けていましたが、世界が好景気に湧くとオーストラリアは大きく発展し、豪ドルも上がる。ところが世界が混乱し、あるいは不景気になるといの一番に売り叩かれるのがオーストラリア。

つまり、良い方向ではない「世界の予兆」が見える時に、オーストラリアドル建ての資産を持つのは非常に怖いんですわ。

実際にリーマンショックの時には私の人生最大の落胆を味合わされましたし、世界の動きに非常に敏感なのがオーストラリアドル。

中国に変化が起きれば、そりゃ世界中が大変なことになるものの、その筆頭がオーストラリアだと私は思うわけです。

この不安にどうしても私は勝てません。オーストラリアドルを手放して「気持ち的に楽になりたい」と思いが強い。

だから今回のオーストラリア建て債券の償還をキッカケに、全てのオーストラリアドルを米ドルに替えました。

でもねぇ、AUD/USDのチャート見ると最悪の場所なのね。

なぜ今までヘッジをしなかったのかと自分でも思うのですが、前にも何度か書きましたが、大きな資産をヘッジするにはそれなりの原資もいるし何よりも「度胸」が必要なのね。でも私にはそれがない。(笑)

そして償還がすぐ近くに来ていましたし、もともとは「オーストラリアドルと心中するつもり」だった私としては、あえてそれを整理、ヘッジをしようとは思いませんでした。私は「小金を稼ぐ」ことはそこそこ得意ですが、大きなお金をどうするべきかという点では全く無能です。長期投資も下手くそなのはいつも書いている通りですし。

だから今回のオーストラリアドルとの離別も、相場とかトレードとかそういう観点からは全く見ていません。とにかく私の中で増大する不安から逃げたい、それ一心です。

またチャート上では「こんな安値で・・・」とは思いますが、下落トレンドに入っているわけで、「今以上に安くなる可能性」はチャートから読み取れるわけです。でも場所的にはここから反転することも大いに有り得ますが、私は逆張りはせずに「トレンドを重視する」スタイルですから、「下降トレンド中は【早く売るべき】」という考え方になります。

週足で見ますと、ダラダラとした上昇トレンドに乗っているように見えますが、下値のトレンドラインを下抜けしていますし、やはり形としてはよろしくない形。

オーストラリアドルを減らさないと駄目だとは前から考えていて、81セントを付けてからある程度のオーストラリアドルは米ドルに替えて米ドル建て債券を買いましたが、あの時に全部処分するだけの勇気はありませんでした。

でもこれからはほぼ全てが米ドル資産となりますので、これはこれで新たなリスクを抱えることになるわけですが、ま、しょうがないだろうと。

今は短期トレードで資産倍増+アルファを狙っていますし、一緒にやっている息子も頑張っていますから、それで「為替差損」が出ても埋められますから、ま、今の時点では米ドル偏重も「しょうがない」と思っています。でも決してこれが「良い」とは思っていません。

いつか今の短期トレード、長男を育てることに一段落したら、また次のステップとして全く違う考え方でやっていこうと思っていますが、それは未知数。

もし日本円を持っていてそれでそこそこの利回りが出る債券でもあるのなら、私は米ドルと日本円と半々で持つのも良いと思っています。世界に波乱が起きればすぐに売られるのはオーストラリアドルですが、そこで買われる(リスクオフが理由)のは日本円ですから。

マレーシア・リンギットに関してはいつも書いている通り、「生活に必要な額」しか持ちません。巷では3-4%の利回りで喜ぶ人が多いですが、それは日本円と比べてですよね。でもインフレが進むリンギットとまだデフレから脱却できない日本円を比べるほうがおかしいわけで、私はマレーシアの3-4%の利回りは決して良いとは思わないんですよ。そりゃマレーシアが日本みたいに「物価が上がらない国」なら良いですが。

それとこれも何度も何度も書いていますが、マレーシアリンギットは国に守られている通貨で、世界市場には出ていないんですね。だから基本的にはFXもなければ(IG証券にはある)、先物もない。箱入り娘みたいな通貨で、だからこそアジア通貨危機に翻弄されることもなかったわけですが、こういう手足を縛られた通貨に多くの資産を振り分けることは私には出来ません。ヘッジをしようと思っても出来ないんですから。そりゃ各銀行はオプションを使ったわけのわからない商品を出していて、それを使えばヘッジも出来るのだろうと思いますが、アメリカ、イギリス、あるいは香港などで自由に売買され、デリバティブもいろいろある通貨とはわけが違うんですね。

だから私はマレーシアリンギットを多く持とうとは思っていません。

でも持っては駄目ということではなくて、私は世界の主要通貨を持つのを基本としているだけのこと。大部隊の資産は「防御」が大前提で、そこから利益を得ることを主目的には考えていませんし。当然、他の通貨で利回りが良いからそれに投資するなんてことも一切考えません。「儲けること」と「守ること」は全く別という考え方。ではしっかり守れていたのかというとそうではないから現実は厳しい。(笑)

 
 
 

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