2018年11月13日、アメリカ市場の動きがきっかけで世界の株式市場が下げましたね。
NYダウ先物。日足。
日経225先物。日足。
チャートで見ると大きな下げトレンドの中の下げであって、方向性としては全く不思議でもなんでもない様に見えますが、どうも今回の下げはよろしくないなぁみたいな感じがしています。
ニューヨークが下げましたが、その下げた理由は「アップルのiPhoneの売れ行きが芳しくない」という理由だとのこと。iPhoneの売上が悪いとそれは他の部品メーカーにも影響があるわけですが、誰しもが思うのは「iPhoneの売上」うんぬんでこれだけ市場が反応するのか?ってことじゃないですかね。
これって皆が疑心暗鬼になっているところに、「針が刺さって弾けた」みたいに思えるんです。
つまり多くの市場参加者は「(日本流に言うと)弱気」になっている証拠だろうと。
ここを見逃してはならないと思ったので、今これを書いています。
市場が弱気であるのが顕著になれば、「売り方」は勢力を大きくしてまさに「Bull」となり積極的に売りを仕掛けてきますから注意が必要だと思っています。
ちなみに、日本では市場が上を向いていると「強気」、下を向いていると「弱気」と言いますが、私達が知らないとならないのは「この言い方は間違えている」「誤解を生みやすい」ということだと思います。
というのは「市場参加者が強気だから値が上がる」「弱気だから値が下がる」のではないということ。
ここのところは、一般的な株式投資家には理解しづらいと思いところで、「自分は上がると強気になり、下がると弱気になる」けれど、市場はそういう強気、弱気で動いているのではないんですね。
そもそも、値が上がろうが下がろうが「値が動けば利益になる」という事実を忘れてはならない。自分は「買うことしかしない」から「下げで利益を出す」ところまで頭がまわらないのが普通ではないでしょうか。
でも「下げで利益を出そうと狙う投資家」はいくらでもいるわけで、彼らは決して「下げだから弱気」ではなくて、「下げに対して強気」であるということ。わかりますかね?
値動きは上下だと考えるのではなくて、横向きの「綱引き」だと考えるべきだと私は思うのです。綱を左右で引っ張り合うのと株式市場は全く同じで、市場が加熱してくると「どちら側も強気」になるんですね。では「弱気」の時ってどういうときかと言うと、「動きが見えない時」じゃないでしょうか。
あるいは「為替」を考えてみればすぐにわかることで、「円が下がる」ことは「ドルが上がる」わけで、ここでは「上げは強気」「下げは弱気」なんて言えませんよね。
ちなみに英語圏では「強気」「弱気」という言い方はしません。
「Bull」か「Bear」です。ブルとは雄牛のことで、下から上に突き上げる攻撃をする。ベアとは熊のことで、上から叩き落とすような攻撃をする。攻撃をするときにはどちらも強気なわけで、下がるのは弱気だからじゃないんですね。
強気と強気がぶつかりあうのが相場の世界で、もし自分が弱気になったときに「下がるだろう」と思ったら【読み間違える】ということ。
下げ方向で利益を出そうとチャンスを狙っている陣営は、「今回の動きを見逃さない」ということを頭に入れておくのは良いことじゃないですかね。
また自分が「弱気」の時にはどうするべきかと言うと、「市場から撤退するべき時」なんですね。
でももし「下がる」と思うのなら、買いポジションは解消すべき、あるいは積極的に売り側に回るべきだし、買いポジションを保持したまま「どうしよう」なんて悩んでは駄目だということ。
この考えかたを理解するだけで、自分の投資スタンスってかなり変わるんじゃないでしょうか。
少なくとも「弱気になったときは撤退」なのは間違いがないはず。