マレーシアでは不思議なカレイ(ヒラメ?)がいますよね。
カレイとヒラメの違い、見分け方で一番有名なのは「目の場所」で、「右側がカレイ」「左側がヒラメ」とされていますが、マレーシアのそれは同じ種類なのに目が右のもあれば左のもある。
こんな感じ。
日本でもこういうヒラメ、カレイはいるとのことですが、非常に稀。でもマレーシアは目が左側が多いものの、右側についているものも非常に多い。
これってヒラメなのかカレイなのか、これだけでは判断できず。
もう一つ私が重要視している違いがあります。それは口の形。
ヒラメは小魚を捕食する魚ですので、それなりの口をしている。つまり、口が大きく歯が鋭いのね。でもカレイは泥の中のゴカイなどを捕食する魚だから、歯に鋭さはなくて口はおちょぼ口。
この捕食行動の違いで肉質や味に違いが出るんですね。
さてマレーシアでは?
かなり獰猛な顔つきで歯も鋭く、これはやっぱりヒラメかなとは思う。
ヒラメだとすれば刺し身が美味しいはずだけれど、これの新鮮なものを探しても「身がしまっていなくて美味しくない」とのこと。
でもカレイみたいに煮付けにして美味しい魚でもなさそう。
でもいつかこの魚を丸ごと「煮付け」にしてみようと思っていたのですが、マレーシアに来てから2年、残念ながらそのチャンスは無し。
ある日のこと、いつものB.I.G.の魚売り場にて、この魚の「フィレ」を発見。これを買って食べてみることにしました。
かなり大きなフィレですが、これってどうやって食べますかね?煮物にして3人前はある大きさです。
どうもこのフィレを見ていると煮付けのイメージがわかないので、無難なフライにしてみることにしました。
ゴールドコーストに長かった我が家ですが、魚というとフライで食べると言っても大げさじゃなくて、魚屋に行きますと「フィッシュアンドチップス」を調理して売っているのが普通で、何でもかんでもフライにするイメージがあります。ただ調理法は数種類あるのが普通で、一つはいわゆるパン粉を着けて揚げるフライ(Crumbed)、バター液をまとわして天ぷらみたいに揚げるフライ(Battered)、そしてバター焼きだったかな。
私はいつもパン粉を付けて揚げるものしか食べませんでしたが、これだと失敗がないというか、どんな魚でもそこそこ食べられるのね。
でも煮物にすると個性が出すぎる気がして、ハズレの場合は悲しいことになる。素材が一番わかるのは塩焼きですが、パサパサで美味しくないであろうことは簡単に想像できますのでやっぱりフライにすることに。
それで美味しければ、また違う料理方法も考えられるわけで・・。フライついでに「鶏のささ身」も揚げました。
う~~~む、良く言えば「癖のない白身」だけれど、全く個性も感じないただの白身。つまりこの魚を買う必要もないし、他の魚との違いはあるとすれば肉質ぐらいじゃないかと思いました。で、その肉質ですが、繊維が密になっていますので、また脂、ゼラチン質もほとんど無く、パサついた食感。
これなら激安魚の代表の「Dory(Basa=ナマズ)」の方が美味しいと思う。長男もそう言います。でもBasaは嫌いなヨメさんは何も言わず。(笑)
これを煮付けにしたらどうかなぁ、なんて気持ちもどこかへ消えてなくなりました。
やっぱりフライにするなら、タラ系、あるいはハタ系が無難じゃないかなぁ。ゴールドコーストでは食べず嫌いだった「サメ」「ボラ」が美味しいと薦められてフライにしてもらったらかなり美味しかったので、マレーシアでもやってみようと思うのですが、サメは売っているのを見たことがないし(NSKでは一匹丸ごと売っていた)、ボラはどう見ても美味しそうに見えないのでパスしてきました。
でもそのうち、サメの親戚の「エイ」、美味しそうに見えない「ボラ」、あるいはボラの親戚みたいな「Kurau(これは結構高い。美味しいとローカルの評判)」を試してみようかと。
魚屋で売っている魚を全て順番にフライにしてみるのも良いかもしれない。(笑)
意外にオオ~~~~~なんて思う魚との出会いがあるかもしれない。マレーシアで一番無難だと私が思う魚は「Bawal Emas=金晶=Golden Pomfret」なんですが、これは焼いても蒸しても美味しいし、これのフライはやったことがないので次回はこれで実験ですかね。でもこの魚って薄っぺらいからかなり大きなものを見つけないと駄目なのね。
やっぱりこの大きさは欲しい。
この魚はどう食べても美味しいから、あえてフライにする必要もないと思うのだけれど、フライにしてことはないのでやってみよう~~。
フライで食べるのが一巡したら、次に煮付けで全て食べてみますかね。(笑)
そんなことをやっていれば、魚探しに疲れたマレーシア魚事情も印象が変わるかもしれない。(笑)
ああああ、久しぶりにNSKに行って、この前偶然見つけた絶品のスマ(カツオ)でも探してくるかなぁ。
これ、本当に美味しかった。
NSKも真剣に探すと面白そうな、新鮮な魚もあるんですよね。でも「NSKの魚は新鮮」とは私は思わない。良い魚との出会いは偶然に任せるしか無いと思います。これってTTDIでもスーパーでも同じで、どこなら良いものが手に入るってことは無いような気がしています。それは大きな魚卸売市場へ行っても同じで、日本の築地(豊洲)に行くつもりで行くとがっかりするはず。
だから「XXXXを買いたい」ではなくて「何か良いものがあったら買おう」と考えるべきで「わざわざ来たのだから何か買おう」という考え方は墓穴を掘るだけだと思っています。
ちょっと遠出して漁村の魚市場にも行きたいのですが、なかなかチャンスがありません。
でも私は漁村の魚が一番安全かもしれないと思っています。マレーシアって養殖も多く、餌や薬、環境も我々が想像しているものとは大きく違う可能性が高いと思っています。そういう意味では、NSKに行くとかならず買う「活タイガー蛯」も養殖物で、美味しい美味しいと平気で刺し身で食べるのもどんなものかと気にはなっています。
でも漁村の魚は天然魚が圧倒的に多いハズで、そちらのほうが安全かもしれないと思っています。でも養殖所からのものもあるはずで、なんでもオッケイってことはないんでしょう。
マレーシアの養殖事情を調べますと、かなりの種類があるのね。東南アジアの養殖事情は調べると日本のそれとは違って恐ろしく感じることばかりですが、気にしてもキリがないですよね。でも全く心配はしないというほど脳天気になろうとは思いません。
これは肉類も同じで、特に私みたいに「低温調理」が好きだと危ない温度で調理することが多いのでかなり神経質にならないと危ないと思っています。特に鶏肉。
先日、カンピロバクターのことを調べていて驚愕したと言っても良いくらい驚きました。日本のきっちり管理された養鶏所でさえ、スーパー、肉屋で並ぶ鶏肉は当然のこととして、カンピロバクターに汚染させている%が恐ろしく高い。そしてカンピロバクターで食中毒を起こすと、数日、あるいは1週間下痢が続くなんてことで済めばラッキーで、ひどい場合は死に至る、障害が残ることもあるのがわかりました。
「鳥の胸肉を60度で調理」あるいは「沸騰したお湯に入れて、あとは20分放置」すると「美味しい鶏ハムができる」なんてのが普通のことのようにネットには情報が流れていますが、これって非常に危険なことをしている自覚は必要だと思っています。
このやり方で食あたりになりました、なんてことは普通の人はネットに書きませんから、それが起こっていないと思ったら大間違い。
また雑菌だけでなく、ウイルスや寄生虫の種類も多く、中にはボツリヌス菌みたいに青酸カリより毒性が強い菌もいて、100度以上で加熱しないとならない菌もいる。これってバカにしては駄目で、ボツリヌス菌と人類の戦いって長く壮絶だったんですね。そもそもボツリヌスいう名の語源はラテン語のbotulus(腸詰め、ソーセージ)で、保存肉には亜硝酸ナトリウムを使うのが普通(ドイツでは法律で使用が義務付けられているらしい(要確認)。でも日本では亜硝酸ナトリウムは「発色剤」「ガンを誘発する危険な添加物」だと多くの人たちが考えていて、それを使わないメーカーがあったり(でもそれを含有している岩塩は使う)、ソーセージやハムを自作する人は多くいるけれど、日本人で亜硝酸ナトリウムを使用するという趣味人の話は一度も目にしたことありません(でも欧米では当たり前のように使う)。
我々の周りって危険に満ちていて、だかこそ国や公的機関がいろいろ基準をつくるわけですが、海外、それも東南アジアに出たらその辺がどうなっているのかはわからず。
これはやっぱり自己責任だというしかなくて、「素人がどう作ったのかわからない刺し身やソーセージ、ハム」を食べるのは私はあまりにも不用心だと思う。でもそのへんをしっかりやっている「自作物」もあるから、食べる前には確認するのは大事じゃないですかね。つまり「新鮮だから大丈夫」「添加物は一切使用していない」なんて胸を張るのはとんでもない勘違いだということでしょう。
特に「新鮮だから大丈夫」ってのが一番ひどくて、菌、ウイルス、寄生虫の存在は新鮮さとは関係ないんですね。牡蠣が良い例じゃないですか。サルモネラ菌もカンピロバクターも同じで、鶏が生きている状態で汚染されている。
なおかつプロが作って店で売っているものも危なくて、私達が初めて旅行でマレーシアに来た時ですが、イオンで売っていた焼き鳥を買って部屋でいっぱい飲もうと思ったものの、その焼き鳥を一口、口に入れただけで「これ、駄目!」と言ってそれを吐き出したヨメさん(つまり飲み込んでいない)。そしてその後、大あたりになりまして一週間以上ホテルでほぼ寝たきりだったことがあります。
この飲み込んでいないのに恐ろしいことになったってのがまさに一番怖いところで、例えば「生卵は怖いから食べない」という人でも普通に卵を触りますよね。サルモネラ菌は「殻に付いている」のが普通ですから、「サルモネラ菌が怖いから生卵は食べない」としても卵を触った手で他の食材を平気で触ったり、まな板、あるいは皿や布巾の上に置いたら駄目じゃないですか。でもそこまで気にしないでしょ?
私の実家は飲食店でしたからよく分かるんですが、そもそも食あたりは「素材」そのものより「扱い方」に問題がある。「生の鶏は危ない」のを知っていても、それを切った包丁やまな板に気をつけなかったら意味がないじゃないですか。またそのまな板を布巾で拭いて、その布巾をそのまま使っていたら「菌を拡散、培養しているだけ」になる。
だからヨメさんはスーパーでさえも信用しないようになりまして、どんな衛生環境か全くわからないローカルのものを食べようとしません。街のホーカーズは絶対に駄目でジャランアローでさえ、行きたくない、食べたくないというほど。(笑)
でもま、私はそれで良いと思っていまして、もう歳をとった我々としては食あたりで寝込むなんてことはしたくありません。それも上に書いたように、また日本でさえもひどい場合は死亡することがあるわけで、また下痢や嘔吐だけですまず、その後、後遺症を抱えたままなんて事例も決して少なくありませんから、あえてそのリスクを取る必要はないと思っています。
でもきっとこのブログの読者って私はそういうリスクを考えていないと思うかもしれませんが(スーパーの魚で刺し身、牛肉でユッケを食べるし)、実はかなり神経質になってやっています。まな板、包丁、布巾の除菌も結構真剣にやりますし、次亜塩素酸ナトリウム消毒液も自作して使っています。ただしこれを食品に使うと塩素の匂いがつきますので、何かもっと良い手は無いか考えています。
本当は強酸性電解水を作れる機械(水と食塩で電気分解して作る)が欲しいのですが、そこまでやるか?と悩んでいるところ。
マレーシアで簡単に食品用エタノールが手に入れば良いんですが、目につくのは「飲まないように」毒であるメタノールが含まれているものばかり。ちなみにこれを飲む人はマレーシアには結構いるようで(安いから)、死人も出ている。
前からこういうことに神経質だったわけじゃないんですが、マレーシアの気温、湿度から素材や作ったものがかなりのスピードで悪くなるのがわかりましたし、雑菌が運動会するには最適な環境ですし、今までより気をつけないと危ないと思っています。
運を天に任すという方法もあるんでしょうが(笑)、私はそういうのは好きではありません。