食材ですがスーパーやマーケットで売っているもので満足しているのなら全く問題がありませんが、私は全然満足できませんから、日本の楽天やアマゾンで買って転送できるものは転送するようにしています。これってかなり高く付くような気がしますが、実際に計算してみますと決して高くないのがわかる。
嘘だと思うなら、例えばどこのスーパーで売っているようなものでも、それをアマゾンなどで買って転送したらいくらになるか試算してみればすぐにわかります。ただし、「安くて重い物」はやっぱり無理。送料の割合が高くなりますから、「醤油」みたいな瓶入りの物はどうにもならず。
それとどうにもならないのが生鮮物ですね。冷蔵、冷凍のものを普通のEMSで送ることは不可能。乾物なら問題なし。
ただし、近年、郵便局やクロネコヤマトが「国際クール宅急便」みたいなのを始めたんですね。マレーシアも対象国で香港、台湾、シンガポールには日本国内と同じように冷蔵、冷凍物が送れる。ただし、送り主がそれに対応してくれない限り無理で、楽天やアマゾンで売っている冷凍品を買うことは不可能。でも私はこれは時間の問題だと思っていて、それに対応する業者はいつかそのうち出てくるはず(もうすでにあるかもしれない)。
では冷蔵品、冷凍品はどうするかというと、貿易商から手に入れるしか無い。
これが面倒だと思う人は多いはずだけれど、マレーシアにはかなり多くの輸入商があって、小売をしてくれるところもかなり多い。← ここが重要
これを利用すると食生活がガラッと変わります。スーパーやマーケットでがっかりする、あるいは我慢する必要がないんですから。でも、例えば「日本の美味しいアジ」が「マレーシアのアジ」と同じ価格で買えるわけはない。でも間違いがないのは「マレーシアで売っている冷蔵・冷凍の【日本物】よりは幅広い商品を、そして安く買える」のね。スーパーなどで売っているのは「小売価格」ですが、それを「卸価格」で買えるケースがかなり多い。
でもこういう場合は「生のサバを2匹ください」ってわけには行かないってこと。そういう小物は「ケース買い」が普通。(でも高級魚は一匹単位)
これは「和食店が使っている日本食材」も同じで、たとえば極端な例を挙げますが、「生きている鰻」を欲しいとしましょう。あるいは「赤貝などの貝類」「身欠き河豚」あるいは「本鮪のトロ」「ヒラマサ」「キンメダイ」でも和食店が使っているものを彼らとほぼ同じ価格で買える。
それどころか、和食店でも扱っていないような魚介類でも、その輸入商が扱っていればそれを手に入れることも可能。 ← ここが重要
日本で買ったほうが安いと誰しもが盲目的に信じていますが、実は我々が買うアマゾンや楽天の売値って「市販価格」ですよね。でもその価格と、「マレーシアの輸入商から買う値段」と【大きく違わないケースも多々ある】」ってこと。だから「マレーシアの卸価格」にアクセスできれば、「日本の小売価格+郵送料」よりも安いことが起きる。 ← ここは非常に重要
どんなものが手に入るかですが、「活締めシマアジ」「本鮪のカマ・頬肉・脳天」「生ホッケ」「アジ各種(まき網、釣り、関アジ)」「石鯛」「イサキ」「アイナメ」「黒メバル」「キンキ」「活き締めクエ」「(イクラを抱いている)雌鮭」、また貝類も「黒・赤アワビ」「トコブシ」「シッタカ」「つぶ貝」などキリがないほど「注文すれば買える」。
野菜類でも同じで、日本の美味しい様々な野菜も買える。これらもいくつかの売れ筋はスーパーでも売っていますが、彼らの仕入れ値近くで買えてしまうことが起きる。 ← ここが重要
また日本には季節がありますから、そろそろ松茸の時期だなぁとかあるじゃないですか。それも買える。あるいは「ウド」「タラの芽」とかまず思いつくものは輸入商の商品リストにありますし、とんでもない種類のものが手に入る。大手のスーパーやレストランもこういうところから買っているわけです。
ま、これで十分といえば十分なんですが、私はこの先を行きたいと思ったんですよ。
まず自分が欲しいものが5種類あったとしますよね。でもそれを扱っているのは数社にまたがるとしたらやっぱりうまくないんですね。出来ることなら良くしてくれる輸入商一社に絞り込んでそこからまとめて買いたい。
だから聞いてみたんですよ。
◯ 「扱い商品リストにないもの」は手に入るのか。
◯ 「もし日本から輸出している業者を見つけたら、そこから代理輸入してもらえるのか」
この答えは両方共「イエス」でした。
商品リストに無いものは「こういうものはないのか?」と聞いて欲しいと。それを日本側のサプライヤーに問い合わせて、彼らが扱っていれば問題がないと。そしてその日本側のサプライヤーが扱っていなくて、でも他社で扱っている会社があれば、その会社(輸入商が付き合いは今まで無いとしても)から買うことは可能だと。
聞いてみたらどこのレストランもそれをやっているとのこと。「どこそこの何」という指定もあるわけですよね。それに輸入商が対応できないと、他社との競争に負けてしまう。下手すりゃ、その顧客からの注文すべてが他社に取られることも起きる。
そこでフト、日本サイドを調べてみようと思ったわけ。
何か特殊なものを「輸出している」という会社を日本で探し出します(ジェトロにも膨大な資料がある)。そしてそこに連絡をする。そして「私はマレーシア在住だけれど、その商品を御社がマレーシアに輸出した実績はあるのか?またマレーシアサイドの輸入商はどこか?」と聞いてみたんですよ。
すると、「XXXXXXXX SDN.BHD」を通して輸出しているから「その会社のXXXさんに連絡をとってみてくれ」とか「我が社はマレーシアに支社を持っているので、XXXXに連絡をとってほしい」とか、そんな業者もありました。
また輸入商が輸入する場合、やっぱり多くの種類を扱っている日本側の専門商社を使うんですね。何百種類もある商品をあちこちから個別に輸入なんか出来ませんから。
そして彼らが使っている日本の専門商社もちょっと調べるとわかるんですね。
その会社がネットの中にホームページを持っていたので連絡をとってみたんです。そして彼らが顧客用に配布している(とんでもなく分厚い)「扱い商品リスト」を手に入れることもできました。そしてその担当者は「マレーシアならXXXXSDN.BHDのXXXXさんに注文を出してください」と言ってきた。ここで重要なのはただ「扱い商品リスト」を送ってくれと言っても「あんた誰?」状態で送ってくれない可能性があるので「私の取引のあるマレーシアのXXXXSDN.BHD(輸入商社)に御社が輸出しているはずですが、もっと幅広い商品種があるはずだと思って連絡しました」という一文を添える必要があるということ(これは事実だし)。こうすればその日本の会社も安心して送ってくれる。
つまり、そこに出ているものならいちいち輸入商にああじゃこうじゃ聞かなくてもわかるってことなんですね。
実はですねぇ、輸入商から買う時に、彼らは日本人ではないし、商品のことをよくわかっていない部分もあるのね。それの遣り取りをした時に「日本のサプライヤーに直接聞いてみてくれますか?」と言われて、その場で電話で日本のサプライヤーと話しをしたことがあるんですよ。で、お互い日本人同士ですし、話はすぐに解決。
その後に、今後、直接サプライヤーに話しをさせてもらうことはできないだろうかと聞いたんですよ。その方が話は早いですから。当然、輸入はその輸入商を通すのがお約束ですが、やっぱり「それはできない」という返事。ま、当たり前ですよね。自分の仕入先と客を直接話しさせる会社って(業種にも寄るけれど)普通はありえない。
じゃぁ、直接、連絡をとってしまえ~と思ったら、すんなりその日本のサプライヤーが分厚いリストを送ってくれたわけ。
ま、そんなこんなで、極論を言えば「手に入らないものはない」ところまで近づきました。
ただし、輸入制限、規制、その他いろいろありますから「輸入商の考え方を重視しないと駄目」なんですね。
たとえば「貝類」は気をつけてくれと言われました。日本側からは問題なく送れても、マレーシアサイドでの検疫、通関がスムーズに行かずに、「半数が死ぬ」ようなことも起こるとのこと。その辺のノウハウは輸入商が持っていますし、また貝類を生きたまま輸入している会社もありますので、それはそちらに頼むとか。
面白いのは、こういう状況ってのは「日本からの商品に限らない」というのもわかってきました。
つまり、「オーストラリアのXXX、フランスのXXXXでも手に入れる可能性がある」ということ。
ま、そんなのはプロ(飲食店)の間では当たり前で、自分が欲しいものが手に入らなければ自分が売りたいものが作れないわけですものね。
それを我々素人でもやれるってところがマレーシアの面白いところだと思います。もしこれが日本だったら相手にしてもらえない。(笑)
さてさて、何を買いましょうかね。
な~~~んて想像しているだけで、満足しちゃう部分があるから面白いです。四季のないマレーシアで、自宅の食卓ではちゃんと日本の四季、旬を意識した食事ができる。これが可能になる道筋が出来たというだけで私は嬉しい。25年間のゴールドコースト生活ではどう頑張っても絶対にできなかったことがマレーシアでは出来る。素晴らしいと思います。
でもNSKやTTDIでローカルの美味しい魚を見つけることをやめようとは思わない。(笑)
特にカツオやマグロの「赤身の魚」ってマレーシア流に料理しても美味しい魚じゃないですよね。だから「ただみたいな値段で売られている」のが普通。
この日本では高級魚のスマ(カツオ)ですが、一匹60センチぐらいのものでしたが、500円もしなかったはず。(笑)
これで一匹の4分の1ぐらいの量。
ま、諦めずに頑張れば食材だって「良いものを安く」手に入れることが可能だということ。それもいつも行くようなレストランでは絶対に食べられないようなものも手に入る。
ただし、マレーシアには和食の高級店もあって、一人2-3万円の食事代をケチらない人なら、こんな面倒なことをしないで済むはずだし、そういう店は「XXXを食べたい」と言えば日本から取り寄せてくれるはず。
でも我が家にはそういう余裕はないし、余裕はあってもそういう食生活は分不相応と思っています。だから自分で良い素材を安く手に入れる方法を考える。そして高級店でしか食べられないようなものをその何分の1のお金で、なおかつお腹いっぱい食べたほうが私は幸せ。
ただし、大きな問題は残る。それは調理技術。(笑)
でも私の場合は基本的に刺し身、焼く、煮る程度だから、それもヨメさんという助っ人がいますからどうにかなる。
この「輸入商から買う」場合の問題点は、彼らは卸商ですから(小売部門を別に持っている業者も多い)、買うロットがどうしても大きくなるんですね。「アジの開き」にしても2,3枚買うってわけにはいかない。でもケースで買えば20枚以上はあるわけです。だから大きな冷凍庫が必要だとか、あるいは「友人とグループを作って【共同購入】をする」という手がある。
あちこちのコンドを小型トラックで回って様々な食材(日本のもの含む)を売る商売がありますが、彼らもそういう物を仕入れて小分けして売っているわけです。
かつてゴールドコースト時代、大好きなタコですが市販されているものはろくでもないものばかり(マレーシアと同じ)。でもある業者がニュージーランド産の美味しいタコを扱っているのがわかった(和食店でそれを知った)。その商品を持っている業者に聞いたところ、「1ケース」が最小ロットだというんですよ。そしてその1ケースとは10キロ。(笑)
10キロのタコをどうすんだよ、って思うわけですが、それを友人知人と分けたりしてどうにか買っていました。これはマグロも同じで、35キロ程度のマグロを日本人会と協力して仕入れて原価販売をしたり。ウニもタスマニア産の美味しいのがあるんですが、10船が最小ロットでした。でも友人に声を掛けると3,4人はすぐに集まりましたし、皆で共同購入は出来た。
そういう意味で、マレーシアの業者は「中小のお店も顧客には多い」のでしょう。最小ロットがオーストラリアのそれみたいにあまりにも大きすぎるということはなく、日本からの冷凍のタコでも1匹単位で買えますし、それはウニも同じ。でも流石にマグロの生は3-4キロが最小ロットですね。でも「サク」がないわけじゃないからどうにかなる。
私はもうジジーですし、一緒に共同仕入れをしましょうよなんて話のできる友人はマレーシアにはいません。だから我が家分だけをどうやったら買えるか頭を捻っているわけですが、ゴルフでもテニスでも麻雀でも、あるいは女性の趣味のサークルでも友人が多い人なら、「共同仕入れ」をしたらかなり面白いことになるんじゃないでしょうか。
だから今、これを書いています。
諦めないでください。どうにか欲しいものを手に入れる方法はありますから。