今回のマーケットの大波乱は、怖がりで小心者の私としては「何か起きても大丈夫なようにする」という基本方針がありましたから、影響がないどころか、債券が値上がりして資産は増えています。皆さんが株投資で利益を出してニタニタしている時には、私はボ~~~~っとするしかなかったわけで、どちらが良いのかはわからない。
またデイトレに関して言えば、いつも書いているように「波乱はチャンス」で、トレンドフォローワーなら皆さんそこそこの利益を出しているはず。でも平気で逆張りをする人は、出撃のたびに恐ろしい目にあっているのかもしれない。
ま、それはそれで置いといて、今後どうするかを今から考えておかないとなりませんね。
未だに株式を抱えて真っ青になっている人は、このブログを読んでいる読者の中には少ないはず。「株を抱えたまま放置して儲かるわけがない」というのは何年も一貫して書いてきましたし、「損切り」に関しては耳にタコが出来るぐらいのはずで、どういう時に「逃げるべき」のか、また動きがおかしい時、わからない時には「何もしないで見ている」ことを実践しているはず。
ではこれからどうするのか。
ここですよね、問題は。
私は世界市場の中では「アメリカの回復は早いだろう」と読んでいるのも何度か書いていますし、その方針は変わらず。逆に、とっくの昔に日本に見切りをつけた私としては、今はもっとひどい状態で、「日本経済は再びトンネルに入る」どころか、コロナウィルスとオリンピックのマイナス影響を受けて、更に酷くなるとしか思っていません。
でもそれを政府も日銀も放置するはずもなくて、対策を出してくるでしょうが、私としては「消費税減税」、それも大幅にやらない限り駄目だと思っています。また予算の変更も大事ですが、前にも書いた高橋洋一氏が言っていたように「財務省は支出が大きくならないように、コロナウィルスがピークを過ぎるのを待つはずだ」というのも、そのとおりに思えます。
アメリカのように素早い決定、行動は日本には出来ない。
ただアメリカの行動も私には早すぎるように見えるわけで、3月末、あるいは4月に入ってピークを迎えるのであればよいかもしれませんが、感染が広まり続けた場合、アメリカにも打つ手がなくなるだろうと読んでいます。でも選挙との絡みがあって、どうしても負けるわけには行かないトランプ氏は世界が驚くようなことをやる可能性もある。
どちらにしても、そういうアメリカがコケるようだと、世界はもっと酷いことになるだろうと私は読んでいて、ただし、問題は中国。
彼らの発表の内容がどこまで信じられるかは別にしても、私がこのブログでずーっと中国国内の他の都市の感染状況を何度も書いてきましたが、ピークはとっくのとおに過ぎてほぼ収まりつつあるのは、現地の住民や海外リポーターの報告で間違いがないと思うんです。
とはいうものの、美談を流して情報操作しろと2月にはメディアに指示を出していたし、3月1日からはネット情報を監視し処罰できる法律も施行されたし、「2月末には終息させろ」と各自治体に指示を出したのは間違いがない。習近平氏がコロナウィルスに指示を出せるわけはありませんが、各自治体は2月中に終息したという「形」はつくらないとならない。
それが3月に入ってからは、案の定、新規感染者は激減し、特設病院・収容施設も撤収に入った。メディアに流れる報道、ネットの情報を見ても、どんどん中国は改善しているように見えるものの「作られている可能性」もあるわけで、中国共産党にべったりの有名人が、美談を作ろうと動いているのも目立つことから、私としては益々信用できないと思うようになりました。
中国は自画自賛を始め、「欧米は中国を見習え」とか「武漢が発祥ではない」とか「アメリカ軍の陰謀論」まで言い出して、そして国内では「経済再建のスピードアップ」を計っている。世界に先駆けて経済を安定させて「世界に手を指しのべて助ける先進国、中国」の演出を狙っているのは明白。これは中国としてはなんとしてでもやらないと「中国外し」を止められなくなってしまう。アメリカとの対決は当然今後も続くわけで、どうしたってここで「良い格好」を作り世界にアピールする必要がある。
ただし、そう簡単に習近平の狙い通りに動くわけでもなく、「工場再開」にしても「再開のフリをして上部に報告する企業」もあるようで、また退院した患者の中から再び陽性になる人も出てきたし、下手をすれば、またあちこちで大きなクラスター感染が起きてもおかしくないような状態。
これって、武漢がそうであったように、習近平が「早い終息」「早い経済活動の再開」を指示すればするほど、現場では「隠蔽が行われる」ことになるんじゃなかろうかと。中国では「これから感染したら、闇に葬られるかもしれない」と心配する人も出てきているとのこと。
そしてヨーロッパでの感染は酷く、全く今後のことが見えない。
なおかつ、サウジとロシアが始めた「石油戦争」。これでとばっちりを受けるのがアメリカのシェール産業で、企業体質が借金漬けで、コストが高いので、石油価格が低迷すれば、倒産の波が訪れるかもしれない。
実は私が一番恐れているのはこれなんですわ。
シェールガス企業が大量に発行している社債はジャンクボンド化しているんですね。でも低金利時代だから、ジャンクボンドフィーバーまで起こった。で、それだけならまだしも、そのジャンク・ボンドはリーマンショックのサブプライムローンが証券化され、健全な債券とセットになって世界中に売られていたのと同じことが起きているらしい。サブプライムローンの破綻が、債券市場の破綻へ繋がったわけですが、それと同じことが起きかねない。
あの時のサブプライムローン債券が、今のシェールガス企業の債券だと置き換えれば、「石油の下落」がとんでもない混乱を招きかねないのは簡単に想像がつく。
私は「アメリカがコロナ対応策を出してもまだ下がる」と読んでいるのはこれが理由で、市場参加者の多くは「コロナウィルスでパニくっている投資家」と「石油価格の下落を心配する機関投資家」の読みが合わさっているんじゃないかと想像しています。
だから「石油価格」とOPEC+にしてもトランプ氏にしても、「どう動くのか」は注視する必要があると思っています。
WTI Crude Oil
この30ドルを割った水準が続くと非常にうまくない。石油戦争が終息する動きは全く見えていない。
でもそもそもサウジとロシアの喧嘩というのも「アメリカのシェール産業を潰す計画」だとも言われるし、以前にもシェールガスつぶしの動きはあったじゃないですか。
今、コロナウィルスでアメリカが忙しい時に、果たして石油価格の安定にアメリカは動けるのかどうか。トランプ氏は「石油の備蓄を増やす」と言っていたけれど、それがどのくらいの効果があるのか。
「シェール企業が破綻」したらアメリカは大きな損失を被るし、それが債券市場に伝播したら世界はリーマンショックどころの話じゃなくなるわけですね。経済に加えて「金融」がおかしくなるわけですから。なおかつ世界の中央銀行はこれ以上の利下げも金融緩和ももう出来ない状態。減税しか打つ手が無いのは日本も同じ。
なおかつこの問題がややこしいのは、「石油価格の下落はアメリカ国民が喜ぶ」という点。そしてそれは「トランプ氏再選に繋がる」とのこと。
一体全体、どうなっちゃっているのかメチャクチャですが、これが今の時点で私が考える世界情勢の注意点です。
これらを前提にして、世界がどう動くか、市場がどうなるかを考えながら計画を練らないとならない。
面倒くせ~~~~~~~と思いますよねぇ。
デイトレならその日暮らしで良いし、明日は明日の風が吹くと涼しい顔をしていればよいのですが、「資産防衛」を考えると「明日のこと」を考えないわけには行かない。
ま、とりあえずは、上に書いたように「コロナウィルスの影響」「中国の出方」「石油価格」「トランプ氏の作戦」を全て見落とすこと無く見ながら、いろいろ考えていこうと思うし、その視点で、ブログも書いていこうと思っています。
ああ、それと「ドイツ銀行」の動きも注目ですね。
皆さんがいま、何に注目して何を考え、どういう計画を持っているのか、是非そんなことも聞かせてください。