日本の政府は日本人を救わない

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こういう非常事態には人間の本性がよく見えると思います。

決して悪い意味だけじゃなくて良い意味でも。

そして政府の本性も見える。

私達家族は「日本でまともに生きていくことは出来ない」と判断して「オーストラリアに永住を決意した」わけですが、オーストラリアへ行きたかったというより「日本を脱出したかった」のが正解。難民がオーストラリアへ行き着いたのと同じ様なもの。

だから今回のコロナに関しても、「日本は日本人を救わない」と思っていましたが、残念なことにそれはその通りになる様子。

日本の緊急事態宣言に関して「生ぬるい」という声が海外からも出るけれど、それ以上のことは出来ないのは「憲法」がそうなっているからだという説明を専門家もメディアもしない。憲法改正論議が湧き上がるのが嫌なんでしょう。

日本の憲法では「非常事態」に「国民の権利を一時的に抑える」ことが出来ない。非常事態のことが憲法には書かれていないから。だから「自由に移動する権利」もそのまま。だからこういうコロナ騒ぎだけでなく、もし実際に戦争が起きても、日本の政府は日本人の行動を抑制することは出来ず、「要請」で終わる。どの国にもいるスパイや工作員にしてみれば日本は天国。スパイ防止法さえない、「平和な世界を基本にした法体系」の「不思議な国、日本」。

でもま、これは「国家権力」を使って「国民の権利を侵さない」ように、「戦前の日本」を念頭においてそういうことになってる。

それはそれとして、日本人が真面目なのは311の大震災の時に世界が知ってびっくりした。どこでもああいう非常時には暴動が起き、店は強奪に合い、無政府状態になることがある。ヘリコプターやトラックで送られた救援物資は取り合いになり、ヘリやトラックさえも民衆からの攻撃を受ける。

それを想定していた救援物資を運ぶ米軍のヘリコプター操縦士の話をネットで読んだことがあるけれど、本当に驚いたとのこと。日本人はちゃんと並び、必要なものだけを手に入れ、「まだ残っている物資は他の必要なところへ持っていってくれ」とお礼とともに言われたと。そしてそのニュースは世界に広がった。

「不思議な国、日本」

私はそういう「綺麗事」をそのまま信じるタイプではないのだけれど、日本人は間違いなく「変わった民族性」があるとは思っています。

緊急事態宣言で「個人の自由、権利」を制限できない法体系の中で、日本人はどういう行動を取るか。ここに再び世界は注目している。

私としては、残念な結果になるんじゃないかと想像しています。

理由は、都市部と地方とはそこにある「常識が違う」ということ。もう日本は「多様性が広がっている」ということ。そして「全く違う価値観を持った外人比率が高くなっている」ということ。

今回を比べるとしたら、311ではなくて「関東大震災」や「戦時中」ではないかと思っていて、焼け野原で何が起きたのかを知らない若い人たちも多いと思うけれど、「そこに秩序があったかどうかは疑問」なわけです。そして「秩序を守る側」と「守らない側」との衝突、殺戮も起きた。そして当然、強奪もあった。「火事場泥棒」は現代でも重罪で、当時はその場で射殺、斬り殺した。私の年上の友人で、当時、地元で「自警団」を作って毎日巡回し、火事場泥棒を日本刀で斬り殺したことがあるというのもいる(法律的には犯罪)。

同じことが起きるわけはないけれど、「考え方」「行動パターン」としては「私達が信じている日本人の特性」がコロナを冷静な状態を保ったまま撃退できるのかどうかは疑問。そして仲間同士で考え方の違う相手を攻撃し、リンチも起きるはずで、それはネットの中を見るとすでに起きているのがわかる。

ま、それはどんなときでもあることで、過激な思想を持つ人はいつの時代、どこにでもいるし、それを見て「日本の姿」だと思うのは間違いだと思うけれど、すんなり「活動自粛が行われることは無い」んじゃないかな。

そもそも、それって政府がどれだけ真剣になっても国民はいうことを聞かないのはどの国も同じだと思っていて、国民がどう行動を決めるかと言えば「恐怖、不安」だけだと言っても良いんじゃないですかね。そしてそういう意味で、まだ日本には危機感を感じるほどのことは起きておらず、武漢やイタリア、アメリカの情報を見て「あんなことになったら大変だ」と思うレベル。つまり「将来」に対する恐怖であって、今現在ではない。

やっぱり親族、友人知人に死人が出たり、街に救急車両がサイレンを鳴らして走り回り、病院に助けを求める人が殺到し、たまに「街角に倒れた人が放置されている」なんてことにならない限り、真剣になる人は私はそうは増えないと思うわけです。私だって、もし武漢や他国の悲惨な状況を全く知らず、マレーシアの日常だけを見ていたら「何か大変なことが起きてる」とは全然、思いませんもの。

日本だって、前に「数字とグラフ」で説明しましたが、各国の悲惨な状態にはまだほど遠い状態で、「緊急事態宣言を出すには時期尚早」という専門家や政府の考え方に間違いはないと思っていました。でも都市部は危ない兆候が見えていて、東京でも指数関数的に感染者が増えだした瞬間に、上手いタイミングで「緊急事態宣言」が出たと思っています。

心配する人は「遅い!」というし、数値を元にしっかり諸外国の様子と比べていた人は「まだだ!」というし、今の時点でさえも「海外が今の日本と同じレベルのときには、MCO、ロックダウンをしていない。必要ない!」と言い切る人もいる。

こういう意見が様々な状態で「早くやるにこしたことはない」という考え方でやっても「強制力がないのだから、効かない」ことが起きるのは当然だと思うし、まさに今の日本はその状態。

でも、いい時期にやったと私は思うし、「心配性の人たち」がやれやれというのを聞いてやっていても、国民は期待したような動きはしなかったんじゃないですかね。でももし、強制力があるのなら、私はもっと早くやっても良かったと思う。

どちらにしても、これは「国民が主人公で、国民がどう考え、どう行動するのか」に全ては掛かっているわけで、政府が~~、小池さんが~~なんていうのは意味がないと私は思っています。

ところが問題は、自粛したくても自粛出来ない人達がいるという点。

理由はいろいろで、止めてはならない仕事をしている人たちも多いだろうけれど、「自粛したら生活が成り立たない」という人たちが問題。

私自身は「自己責任論者」ですから、リスクの想定もせずにのほほんとやっていたんじゃないの?って思うわけですが、でもそれは「助けない理由にはならない」のね。

ある人が言っていたけれど

「客船が沈みそうで助けを求める人たちに、【貴方は過去にどんな生き方をしたのか】聞くことはない」

のと同じ。

これは一般生活の中でも同じで、近い親族の中に「どうしようもない」のが一人や二人いるのは普通で、あるいは親兄弟子供がそういう状態になったときにはどうしたって助けないわけにはいかないのと同じ。

さて、日本政府はそういう人たちを助けるのか?

助けない。

でも助けるような嘘はつく。

アメリカではトランプ氏が2兆ドルの支援策を発表したときには驚きました。これって日本の国家予算の2倍ですから。

そして日本はというと。なんと108兆円の大盤振る舞い。

ところが、ここにいつもの誤魔化しがあるんですね。

本来、非常時にGDPが落ちるとすれば、その穴を埋めない限り、失業者も倒産も増え、収入も減るのが当たり前で、それを基本に対策を考える。

ところが日本の108兆円は「落ち込みを埋めるためのお金」じゃないのがすぐにわかる。

簡単に言えば、「死にそうな人に、【この金を使って生き延びろ】ではない」のね。

「お金貸してあげるよ~~~」というのがいつものやり方。

でもま、資金繰りが大事なのは当たり前で、簡単にお金を借りられるようにするのは良いことだけれど、これじゃGDPの穴埋めにはならない。

穴埋めになるのは「この金で生き延びろ」と支給するお金であって、それは30万円。

おおお、やるじゃんと一瞬、思って内容を見ると、「誰でも受け取れる支援金ではない」のがすぐにわかる。多分、5-6世帯の中の一世帯しか受け取れないし、手続きは面倒で、スピード感がない。間に合わない。

私はこれを「香典」と呼ぶのが一番あってるんじゃないかと思うくらい。

この黒幕は誰かと言えば、昔からケチで「プライマリーバランスの黒字化」「増税は善」「支出は悪」という宗教を信じている財務省。日本がバブルの崩壊の手当に失敗したのも、リーマンショック後の回復ができず、それどころか長期の円高不況を作った元凶が財務省とその息がかかった日銀。

これに挑んだのが安倍さんだけれど、黒田バズーカは撃てたけれどそこで終わり。財政出動どころか「緊縮財政」をやる体たらく。消費税増税に関しても永田町でどういう戦いがあったのかはちゃんと見ているとわかるし、今回も「まずは消費税減税だろう」という声に、安倍さんも「視野に入れる」と口に出すだけで終わり。

その後は皆さんご存知のように増税派、財務省派の岸田、麻生、二階に押し切られた。それどころか経済対策は岸田に一任することになった。

そしてはっきり見えたのが108兆円の中身であり、30万円のケチ臭い支給。消費税減税なんて誰も口に出さない。

私としては安倍VS財務省連合軍の戦いはこの何年間も見てきたけれど、やっぱりトップは安倍さんで、安倍さんがコントール出来ないのは安倍さんの責任というしかない。本当に残念。安倍さんにしてみれば「もっと国民の後押しが欲しかった」ってなところかもしれないけれど、負けは負け。

この財務省主導型の経済って本当にヤバいと私は思っていて、悪夢の白川日銀総裁と同じ様な時代に入る可能性もあると思っています。それに反対してきたのは消費税増税にしても安倍さん一人だったんですから。

ま、それはこれからの日本の課題だと思っていますが、そもそも国民は政治に関心を持たないし、次期総理は岸田?小泉もいいね、なんていうメチャクチャなレベルだから、また財務省主導で「長いトンネル」に入るとしても、それは日本人の自業自得だと私は思っています。

さて、今回の108兆円がいかにメチャクチャなのかは専門家の説明を聞くほうが良いと思う。そしてこれも、元はと言えば政治に関心を持たずに来た日本人の自業自得だと私は思う。あるいは、理想論ばかり振り回すアホ達に必要以上の発言権を与えたせいかもしれない


マレーシアのことはよくわかりませんが、政府はかなりの援助をするらしいじゃないですか。金額そのものは日本より少ないけれど、国の大きさを考えたら、日本で言えば何十兆円の真水を出すと聞きました。日本は108兆円と言いつつ、真水は17兆弱でしかないのに。

前に書いたように、オーストラリアはこれから冬を迎えるわけですが、ロックダウンではなくて「冬眠しよう」という考え方らしい。そしてその期間も一ヶ月二ヶ月でどうにかなるような国民を安心させることは言わずに「6ヶ月間は覚悟しろ」と。その代わり、職を失っても「収入の70%の額を国が保証する」んですと。

イギリスはなんと「雇用維持スキーム」を発表し、【給料の最大80%】を国が出すと。すでに解雇した従業員は再雇用させると。これだけのことをやるのはイギリス史上、初めてのことですと。

どの国も、「目前で困っている国民を助けよう」というのが見える様。

でも日本が大切にするのは「将来の健全な財政を保つ日本」。個人個人は自分で頑張ってくださいってこと。

ま、所詮、個人を大事にしないってのは東アジアの国々はどこも同じみたいだし、これが日本の限界かも。

でも個人を助けないから、国は生き延びるってこともあるはずで、困った国民を助けろという大号令のもと、収入や売上の補填もします。自殺者も出ないようにします。なんて皆が喜ぶようなことをやるにしても、コロナの感染が止まるのは我々が「集団免疫」を獲得するときであって、もしその補助を何ヶ月、あるいは1年も続けたら日本の国そのものが破綻する。

そして近年、多くの専門家が警鐘を鳴らしていたように、「これからはウィルスとの戦いの時代」に入ったとするならば、そしてまた次に新しいウィルスに襲われることがあれば、その時に財政出動する金は無いはず。

これは各国も同じで、もしその時に生き残る国があるとしたら「ケチくさいことを続ける日本」かもしれないと思ったり。そして打たれ強い国民が生き残っているのかもね。

「戦後の日本の復興は奇跡」と言われていますが、意外にこういう日本の事情があるからかもしれない。

でもま、政府も大変だし、自己責任で生きていくのも大変。常に何かあれば援助がないと生きられない人たちも大変。

これも試練と考えるしか無いけれど、疲れますねぇ。

-----(追記)-----

【緊急経済対策】高橋洋一が「真水」をわかりやすく解説!


 
 
 

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