ドイツ銀行ですが、いつ潰れてもおかしくないと言われていたところにこのコロナ騒ぎ。
大丈夫なんですかね。
Virus Forces Deutsche Bank to Confront Old Fears (Bloomberg)
ドイツ銀行になぜ注意が必要かなんてのはこのブログの読者は皆さんご存知だと思いますが、彼らが持っているCDSの売り玉が莫大だということ。
債券って発行元が潰れたらパーなわけですが、「保険」が存在する。それがCDSで、持っている債券のリスクが大きいと思えば、このCDSを買う。そしてもし債券が飛んでしまった場合、その額(あるいは一部)が保証される。もちろんそれを支払うのはCDSの売り方。
ドイツ銀行って、このCDSの売り玉を半端じゃなく持っているようで、内情もよくわからないなんて話も聞きます。
どちらにしても世界で倒産が増えて、その企業が発行している債券が飛んでしまえば、そのしわ寄せはドイツ銀行に行く。
そしてドイツ銀行が破綻したらどうなるんですかね。金融クライシスの始まりじゃない?
CDSの受け手の大手が倒産したとなれば、CDS市場の混乱は半端じゃないことになる。素人的に考えれば、自分が掛けている保険がなくなるのと同じで、だとしたら、保有している債券を売るしか無いと考える投資家も増えるんじゃないですかね。時限爆弾を抱えて、その保険がなくなってしまうのと同じですから。
私の心配はドイツ銀行がおかしくなると、「世界の債券市場の大暴落」につながるのではないかということ。
これって違う?
これがややこしいのは、銀行の自分の担当に聞いても「大丈夫ですよ~~」という可能性が高いということ。
「危ないですね」なんて言おうものなら、債券の売りが殺到しますからなかなか言えないんじゃないですかね。
万が一のときには「業界内では全く問題ないという考え方が圧倒的多数でした」なんて答えを用意している可能性すらある。
銀行の担当って、「顧客サイドのことを考えているはず」って思いがち。特にプライベートバンク。
でも私は昔から信用しないことにしています。税理士や公認会計士も同じで、「あちらサイド」だと思って接してきました。万が一のときの逃げ道を必ず考えているはずで、自分の身が危ないことは絶対にしない。
サジェスチョンをもらうことは大事ですが、最終責任があるのはもちろん我々であることに間違いはない。
プロの投資家は何を考えているんですかね。そういう情報も入らないで投資をするなんて自殺行為のような気さえしてきます。というかそういう中途半端な弱小投資家もどうにかなっていたという良き時代だったのかもしれない。
*CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の説明。Wikipedia