まぁ、今のMCOフェイズ3が全面解除になると思っていた人はいないと思いますが、私はフェイズ4(5月12日まで)で終わるとも思っていません。
まずマレーシアとしては非常に大事な「ラマダン」が無事終了するのを見届ける必要があるんじゃないですかね。ラマダン(4月23日~5月23日)。そしてその結果が出るのは早くても2週間後。
そして「多くの人がMCO解除を心待ちにしている」ということそのものがMCOを続ける理由になると私自身は思っています。
解除されれば皆が\(^o^)/となるでしょうが、\(^o^)/状態でコロナがどうなるか考えたら誰でもわかる。
つまり皆がMCOに疲れ、慣れ、もうどうにでもなれと思うようになって初めて「段階的な解除」ができる状態になるんだろうと。
そもそも解除になろうが続けようが、コロナウィルスはいなくなることはないわけで、何よりも危ないのは「国民の安心感」で、今後は長期に渡って「緊張感が保てて」なおかつ「防御策が習慣付く」必要があるはず。
動物の象(ゾウ)ですが、これを飼いならす時に「足に鎖をつけて杭につなげる」んですってね。そしてその生活が長くなると「杭に繋がなくても逃げたり自由に動き回ることがなくなる」のですと。
私としてはマレーシアに限らず、どの国の政府も似たようなことを考えるはずだと思っています。
当然、「解除」とは「全面解除」であるわけもなく、小出しにして「三密には近寄らない」「Social Distancing」「手洗い、消毒」が【習慣化】し、新規感染者数の動向を見て、かなりの安全確認ができるまで全面解除はありえないだろうと。
当然、新規感染者数は一桁で、患者数は数百人レベル。クラスターは追えている状態にならないと駄目でしょう。そして「新規のクラスターが発生しないのを一定期間見守る」だろうと。
保健省が「風邪の症状がある人もチェックする方針」というのを聞いて、そう簡単に解除はしないだろうと思いました。やる気満々。
Health DG: All cough, flu-like symptoms must be viewed as possible Covid-19 cases (The Star)
PUTRAJAYA: Health workers at clinics and hospitals must treat all severe acute respiratory illnesses (SARI) and influenza-like illnesses (ILI) cases, even a runny nose, as if they were dealing with Covid-19 patients, says Datuk Dr Noor Hisham Abdullah.
The Health director-general said the Health Ministry had instructed its frontliners to put on protective equipment when treating SARI and ILI cases.
“Some 45 doctors have been diagnosed with Covid-19.
“So, it is important for all our doctors treating SARI or ILI patients to treat them as Covid-19 positive, until proven otherwise.
患者は二種類にわけられていますよね。
◯ severe acute respiratory illnesses (SARI) (重症患者)
◯ influenza-like illnesses (ILI) (インフルエンザの様な患者)
これらの患者全てだけではなくて「鼻が垂れるレベル」でも【感染者であるという前提】で治療することと、これらの患者を診ている医療従事者全てを含めて【感染者であるという前提】で回復、(陰性である確認を)する必要があると。
マレーシアはニュージーランドみたいに「新型コロナウィルスの撲滅」を意識しているんじゃないですかね。
以前は”PUI”、”SARI”、”ILI”、”Close Contact”の人たちの【Pending Results】の数字が公表されていました。赤枠の数字。でもそれは4月4日までで、その後は発表されていない。
この「結果待ち」の人たちをも0にするという考え方でしょう。
でもま、それは目標、理想であって0にするのは不可能なはず(一般の肺炎や風邪の患者はいなくならない)にしても、保健省の発表はそれを狙っているってことでしょうね。
WHOが「終息宣言」を出す条件は【新規感染者0が一ヶ月続く】必要があると言われていました。
マレーシアがその状態になるまでMCOを続けることは無いにしろ、「新規感染者が出る状態でMCO解除をする」タイミングを見るのってかな~り難しいしギャンブルになるんでしょう。
でも全国的ではなくて、都市、あるいは地域、町ごとに分けてMCOを継続、解除ってあるのかもしれませんね。今、「完全封鎖」されているEMOCの地域がありますが、逆にMCOの緩い版の地域設定がされるかもしれない。
でもそれも「道路封鎖」「10kmの移動制限」「検問」等をしなければそれらの地域を行き来したり、退避する人も出てくるわけで、日本が感染者0の岩手県をも「緊急事態宣言の対象とした」のはそれらを抑えるためだったんじゃないですかね。
どちらにしても、前からこのブログに書いている通り、この手の「緊急事態宣言」「ロックダウン」「MCO」は【設定より解除が難しい】のは誰が考えてもわかるはずで、すくなくとも「解除 \(^o^)/」という住民の期待通りにはいかないんじゃないですかね。
段階的に解除したり、地域別にするにしても同じで、「もしも」の時には「再度発令する必要」が出てくるわけで、それが行われたときの「落胆」って半端じゃないですよね。
でも私はその「落胆」こそが重要だと思うくらいで、「はいはい、この際、1年でも好きに続けてくれ~~」みたいに住民が思うようになった時こそ、解除ができるんじゃないかと。ま、それは冗談ですが、「解除 \(^o^)/」みたいにはならないと思ってます。
そんなチンタラやっていたら「経済的打撃が・・」って誰しもが思うけれど、【命を優先する】という方針をマレーシアが持っているように見えるし、その考え方の基本は変わらず、「段階的解除」にしても私達が想像するのとはかなりの差があるんだろうと思っています。
結局、何が大事かと言えば、「緊急事態宣言」「ロックダウン」「MCO」じゃなくて【個人個人がどう考え、どう行動するか】ですよね。
そういう意味で日本って全然駄目で、街角インタビューでも「政府、自治体が決めたことだから・・・」という人が多い。自覚が全くない。ま、日本の感染者数、死亡者数は国の大きさから言えば全然少ないわけで、「さらなる恐怖、緊張感」が出るまで駄目なのかなと思ったり。でもその時には一気に、日本人はやるべきことをやるようになるんじゃないかと期待しています。
ちょっと気になるのは、日本では「重症化、死亡するのは年寄りだろ?」みたいな風潮がある点。これを有名人も口に出す。私としては「だから何なんだよ」と言いたいわけですが・・・。
ま、毎年肺炎でなくなるのは13万人。インフルエンザの死亡者数は8000人程度。コロナの死亡者は287人、重傷者数は259人。毎日、肺炎で亡くなるひとは350人いるのに、コロナは圧倒的に少ない。つまり多くの人は「感染爆発」という【見えない未来】に不安を持つだけで、【現在】の死者数、重傷者数は全く気にしていないのかもしれない。
若者の「全然、ダイジョブっしょ」というのもわからないわけでもない。現在のところは・・・
インフルエンザでの死亡者は毎年8000人くらい。今季は今の所2500人以下で、コロナを足しても3000人に満たない。つまり、もしコロナの重傷者、死亡者数を減らす治療法ができると、「コロナが来て結果的に良かった」なんてことに将来的になるのかもしれない。
本当にこの新型コロナってややこしい。