しかしまぁ、投資関連だけで食っている我が家としては今後どうなるのかが非常に気になります。
その心配の大本は、各国がこのコロナウィルスの経済対策で支出する膨大なお金。もちろんそれは「印刷される」わけで、すでに全世界の国内総生産(GDP)の6.6%に相当する3兆9000億ドル(約415兆円)の貨幣が2月以降増発された。
世の中の常識として、通貨が溢れるようになれば「インフレ」となるわけで、これって非常に困る。これは多くの「年金生活者」も同じで、世の中がデフレで大騒ぎしていても、口には出さずとも「シメシメ」と思っていたのは間違いがないんじゃないですかね。
そして多くの日本人は「インフレの怖さ」を知らないから対処方法もわからないはず。
「イヤイヤ、田中角栄のインフレ時代も経験しているさ」という人も多いはず。
でも今の年寄が経験したインフレって「収入もそれに合わせて上がったインフレ」じゃないんでしょうか。
私のような自営業でも、母が経営した飲食店でも「値上げが可能だった」部分もあれば、「仕入れ価格はどんどん上がり」、給料を払う側からいうと利益がなくても「給料を値上げしなければならない」とんでもなかった時代。
世の中ってマーフィーの法則じゃありませんが、「収入は減るけれど支出は増える」なんてのが常で、インフレとともに収入が上がった人たちの影で、「当時の年金生活者」はとんでもない状態になったんじゃないですかね。でも当時は私の年老いた父でさえ「現役時代」で、その上の世代、私の祖父の時代の人たちがとんでもない目にあったはずなんだけれど、詳しいことはわからない。
というか、戦後のなにもない時代を生きた人たちだから「贅沢はせずに生きる」ことを知っていた世代。それこそ「白いご飯を好きなだけ食べられる」ことだけでも「良い時代になった」と言っていた人たち。
我が家はオーストラリアはゴールドコーストに1991年から25年間、住んでいましたが、この間に恐ろしいほどのインフレを経験しました。特に「シドニーオリンピックの後」は酷かった。物価が何倍にもなったんですよ。
でも働いて給料をもらう人たちもどんどん収入が上がり、それは「単なる収入や物価の値上がり」ということじゃなくて【生活レベルも上がった】のね。かつては皆が「ポンコツの自動車」に乗っていたのが、「若者もピカピカのベンツ、BMWに乗る時代」に変わっていった。
そんな中で我家の収入は「インフレには全く追いつかなかった」わけです。株式投資をしていませんでしたから。
それが、私達がマレーシアに逃げなくてはならなかった大きな理由です。収入はほとんど増えないのに、税金だけはごっそり払わないとなりませんから、【マレーシアは天国】となります。
でも今回のコロナ騒ぎで「流通する貨幣が大幅に増える」となれば、インフレ必至。
オーストラリアで経験したインフレの恐怖を再び味合うことになるのかと想像しただけでゾッとします。
とはいうものの、インフレではなくて【デフレになる】という専門家もいる。
どっちなんだよ~~~~~~~~。
つまりコロナ嵐が去った後、大震災などと違って「インフラが破壊されたわけじゃない」から、企業も工場も「再稼働するのは簡単」だと言われているしそのとおりなんでしょう。
ところが、「供給は前と同じレベルに復活した」ところで、コロナの恐怖を味わった我々が「前と同じような消費をするとは思えない」という考え方がある。つまり「供給過多で、需要は低迷」となれば、日本が長い間味合うことになったデフレになる。
企業も利口になっていますから、首にした人たちをまた全て戻すとは考えられず、コロナで大きな痛手を被った企業は「経費削減に拍車をかける」はずで、「失業率」は大きく改善しないかもしれない。
この失業率って非常に大事で、これが改善せずに「インフレ」になるんだろうか。
そういうことを考え合わすと「景気が悪いインフレ」、恐怖の「スタグフレーション」が来るかもしれない。
こればかりは私も経験したことがなく、一体世の中がどうなるのか想像もつかない。
でもお金だけは潤沢にあるわけで、これはコロナの前も同じだったのに、今後はそれにプラスされて資金が増える。
でもそのお金の行き場は「ほぼ決まっていて」、【株式市場に流れる】んじゃないですかね。今まで起きていたのと同じことに「拍車がかかる」。
だから「株式市場は盛況」で「実体経済は落ち込む」と考えるのが順当かもしれない。
その兆候はすでに見えていて、まだまだ先がわからないのに、「株式市場はもう暴落の半値戻しを達成している」のを見れば、「いかにお金の行き場がないのか」というのがわかる。
日経225
ニューヨークダウ
リーマンショック後に「世の中のお金は何倍にも増えた」わけで、それで各国は復活し、生き延びた。
日本も同じように、遅かったものの「黒田バズーカ」が撃たれ、景気は少し戻してきたところ。でも財務省が固執する「プライマリーバランスの黒字化目標」「財政の健全化」が優先されて、「消費税の増税」が行われた。
その結果が2019年の10月ー12月期に、GDPが年率マイナス7.1%ということになって、こりゃ大変だ~~と騒いでいた時に「コロナの出現」。
ここで本来なら政府は赤字国債を乱発するかと思ったら、他国とは歩調を合わせず「ケチくさいこと」しかしない。それどころか「出費増をどうにかするために【増税が必要だ】」なんて話も出ている。311の東北大震災と全く同じパターン。
アメリカは大胆は支援策を取り、日本はケチくさい支援策。それなのに株価の戻りは似たようなもの。なんですかね、この根拠は。
ま、日本の場合、今後どうなるかは本当にややこしいと私は思っていて、それでも日本を除く世界を見た場合、「日本に今までに起きたことが世界に起きる」ような気がするんですよ。
世界はリーマンショックでお金を刷りまくって生き延びた。
その成功例を持ったまま、コロナ対策でも莫大な資金を市場に投入する。
でも私はそこに「二匹目のドジョウはいない」のではないかと思っていて、「日本が経験した【金があるのにデフレ】という恐怖」を世界は味合うんじゃないかと。
きっと「行き場のない金は株式市場に向かい、株式市場は復活し、コロナが収まった頃には【前の高値に戻る】かもしれない」。
でも「経済は停滞したまま」「失業率も高止まり」かもしれない。
そういうことを考え合わすと、私の予想では、「コロナ終結」となれば、「まさかの動きが株式市場に出てくる」可能性がある。世界の人々は「コロナ終結」を待ち望んでいて、それが解決したときの「爆発的な需要」は眼を見張るものがあるんでしょう。
でも「そこが天井」とも言えるのかもしれない。
そして「今までさえもバブルと言われていた」のが終焉し、日本の1990年代のような動きになるのかもね。
それの鍵を握るのが「New Standard」で、コロナが去っても「パラダイムシフトが起きる」と言われていて、私達が想像できない「新しい世界」が動き出すのかも。
かと思えば、人とは「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のが常で、すんなり「過去と同じ状態に戻る」のかもね。
でもそうだとしてもコロナが大騒ぎになる前の2020年2月の時点でダウは高値を更新している時に「これはバブル。弾けてもおかしくない」と言われていたのを忘れてはならないと思うんですよ。
今一度、上のチャートを見てください。そして今の位置を見てください。この位置って、【コロナが無くても、バブルが弾けて調整に入ればこの辺までは下がる位置】だと言っても良いくらい「高い位置」に私には見える。
でも「行き場のない金」はどこかに集中するはずで、第一候補はやっぱり株式市場しか無いと私は思うわけです。
しかし「実体経済が芳しくない」となれば、乱高下を繰り返すだろうし、New Standardが表面化してくれば流れも変わるはず。そしてまたいつの日か、ワクチンも世に出て治療法も確立してくれば、そこでまたNew Standardも変わるんでしょう。
そして世界の国々は「擦りまくったお金の回収」をどこかでしないとならないわけで、「金融引締はいつか来る」のでしょう。その時に「株式市場が盛況だとすれば、当然、それに水を指すことになる」はずで、これまたややこしい。
そしてアメリカの場合は、1930年代の「世界不況」を【ニューディール政策】という前代未聞の大事業を起こして乗り越えた。だからアメリカはまたやるかもしれない。しかし日本は、今の時点でも「増税」の話が出てくるような国。これじゃ「何かが起きる度に沈んでいく国」ってことじゃないんですかね。
やっぱり近未来を考えた場合、株式投資をしないと「資産を守れない」かもしれない。でもそれを「Buy and Hold」していれば良いなんて時代は完全に終わるだろうと私は思っていて、身動きが軽くないとどうにもならないかもね。
私としては皆が株式市場を向いている時こそ、「債券を仕込む時」だと考えているのだけれど、それは決して「今じゃない」と思っています。今の時点で「買いたくてウズウズする債券」もあるのだけれど、その考え方は「昔の発想を引きずっている」わけで、「コロナの後の世界」はまるでわからないから、ギャンブルとなってしまう。
あの投資の神様、ウォーレン・バフェットさえも読み間違えたと判断して5兆円もの損切りをした。
そしてコロナ渦の初期の頃に大儲けしたヘッジファンドが今、赤字を出しているという報道もある。
まさにこれこそが、これからの時代を象徴しているような気さえしてきます。
でももし「デイトレ」が本業だとすれば、なーんも悩む必要はないんじゃないですかね。明日がどうなろうと全く関係ないですし、世の中が大きく動く波乱の時こそ「ボーナス」みたいなもんですから。
ただし、あのFXのデイトレユーチューバーを見ればわかりますが、「逆張りは難しい」のがはっきりしている。
上に書いた、儲けたはずのヘッジファンドが損を出しているのも同じこと。
「トレンドはフレンド」という相場の教訓の重さを感じる、今日このごろ。