私はもう年寄りだし、頭は柔らかくないし、性格的にも頑固だし、そして「古き良きものを大事にしたい」という考え方がヒジョ~~に強い。
でもこれじゃ社会の進歩に追いつけない。将来の世界も見えてこない。
これじゃ投資なんて絶対にできない。
ま、私は「長期投資はしない」というか【出来ない】と思い、そう決めているのはいつも書いていることですが、こういう「世界の動きが自分には見えない」という自覚もあるからなんですよ。
財務諸表の読み方って重要なのはわかりますが、それ以上に、「世界はどこに向かっているのか」「その中で個別の企業はどう競っているのか」がわからないと駄目だと思うんです。やっぱり「方向性」は大事で、その戦いの中での結果としての「財務諸表の読み方」は大事だけれど、多くの企業の財務諸表からは「将来性」を読むことは出来ないんじゃないかと思っています。
でもとにかく私の脳みそでは理解できない世界。
でも理解できない、わからないでよいのかというと、やっぱり私とて「生きている化石」にはなりたくないですし、私と同じようにマーケット(投資、相場、トレード)の中で生きていく長男や、まさに実社会で企業との付き合いが仕事である「監査」の世界で生きている次男坊(彼も投資をしたくてウズウズしている)のことも考えますと、私はもう消えていく老兵でしかないけれど、子どもたちとなんらかの「学びを継続し、知識や情報を共有する必要」はあると考えています。
他人の脳みそを借りる。自分で経験しなくても理解できるようする。この2つは非常に重要だと私は若い頃から考えていて、でもそれは簡単にはいかないし、私自身も10年、20年経って「やっとわかったこと」って多い。でも「自分で経験しないと何もわからない」のは学問の否定でもあるし、やっぱり「他人から学ぶ」「過去から学ぶ」「学んだことを共有する」ことは非常に大事だと考えています。
ところがですねぇ、私はやっぱり彼らの親で、そこにははっきりした上下関係が存在します。そして私のほうが子供より経験もあるし実績もあるわけだから、「私の考え方を押し付けてしまう傾向」がある。彼らも「なるほど。そういうことなのね」と私の経験を元にして考え方を固めていく傾向がある。
これって「事業の継承」という意味では【うまく行っている様に見える】のね。特に我が家のバックグラウンドは「商人」だから【何が大事なのかを理解し、それを間違いなくこなしていけば大丈夫】という考え方が根底にある。
でも「それじゃ世界の流れに置いていかれる」という危惧も持っているわけです。
私の考え方が古いのは、もしかしたら致命的と言っても良いかもしれなくて、それを若者に押し付けるのは絶対にうまくない。
例えばですね、私は「二酸化炭素が増えると温暖化で大変なことになる」という世界の風潮は間違えていると考えています。二酸化炭素犯人説にしても「科学的に決着は付いていない」とも思っている。だから「脱炭素社会」なんてのはまぼろし、まやかしであって、「新しい産業を育て、儲けるための言い訳」ぐらいにしか考えていません。
その脱炭素社会と「海を救おう運動」と合わさったスーパーのレジ袋をなくそうという運動も、自己満足以外のなにものでもないと思うくらい。問題はそこではないと。
そもそもスーパーのレジ袋を使わないようにするよりも、「飛行機に乗らない」方が脱炭素社会にはどれほど効果があるか。距離にもよるけれど、計算上、人間一人が一度飛行機に乗るとスーパーのレジ袋を200年使うだけの二酸化炭素が排出されるという。つまり一般的な現代人は、すでにレジ袋を数千年~数万年使うペースで生活しているということ。
「私はレジ袋は使う。そしてちゃんと廃棄する」「でも飛行機には乗らない」が大正解のはず。でもそんなことをいう活動家は多くはない。これって偽善だろうと言いたい。
そもそも「代替エネルギー」「クリーンエネルギー」にしても、そちらに舵を切るのは無謀だと思うし、「電気自動車」も良いけれど、【発電はどうするのよ?】と思う。二酸化炭素排出が駄目な脱炭素社会というなら「原子力しかないじゃないか」と思うし、「クリーンエネルギー」を主体とする産業構造の構築は不可能と考えています。
だから小池東京都知事が「2030年、脱ガソリン車100%」を言い出した時には「どうしようもないな、このオバサン」と思ったし、トヨタの豊田章男社長がそれに反発して記者会見まで開いたのは当然だと思うわけです。
でもねぇ・・・
世界はそういう方向へ間違いなく動いている。そしてそれがもしかしたら可能かもしれないと思う動きもある。技術革新が続いて「巨大な高性能電池」が出来れば、そして電気自動車も「電気生活の一部」と考えると【代替エネルギーを中心とした将来もある】のだろうと思う。
というか、「それは無理だ」ではなくて、その方向へトライを続け進むべきなのは間違いないと私も思う。問題は「採算が合うのかどうか」だけれど、「合う」と考えている専門家も少なくなさそう。
私の大嫌いな、社会主義思想の匂いがプンプンする「SDGs」も同じで、そちらの方向に世界が動いているのは間違いがない。
それで世界は変わるのか?そういう理想の世界になるのか?
これは私にはわからないけれど、そちらに社会は向かっている。そして巨大な機関投資家も、そういう方向性を持っていない企業には投資しないと公言する。つまり単なる理想論者が騒いでいるのではなくて、もうすでに大きな潮流が出来ている。
こういう今の状態を私の「今の」頭では理解ができないのだけれど、理解しなければならないとも思うんです。
そんな時に見つけた、「テスラは一体どんな企業で、何をしようとしているのか」という動画。これを今日、紹介したいと思います。
なるほどねぇと思いました。テスラのイーロン・マスクの頭にある「将来」をテスラという会社を知ることで理解できるし、まさにそれが「これからの世界」なのかもしれない。
テスラを「電気自動車会社」としてみたら、大きく間違えるんじゃないかということ。
なぜ、テスラの株がとんでもないほど買われているのか。その理由もそこにあって、今までの株式投資の概念では説明できないものがあると思うんです。つまり、「テスラの電気自動車の将来」ではなくて、「テスラが作ろうとしている社会」は来るし、その時、テスラはそのリーダーとなるだろうと投資家は読んでいるってことではないかと。
マネージメント能力、リーダーシップは昔から言われているけれど、現代に重要なのは「イノベーターシップ」であると聞いたことがある。
テスラ率いるイーロン・マスクにはまさにそれがあって、評価されているのだと思う。私には「タイトロープを渡っている」ようにしか見えないのだけれど、そういう見方がそもそも古いのだろうし、「リスク」に対する考え方も変わってきているのだろうと思う。
その将来とはどういう世界か。
これとSDGsと近いものを感じるし、テスラをキッカケにして、私のような頭が固く古い人間が知るべきものが多くあるような気がします。そして「世の中が変化してく中で大事なものは【PPM=プロダクトポートフォリオマネジメント】である」のも間違いがなくて、これを理解せずに投資は出来ないと思うのです。(この概念から、日本や日本の大企業が衰退した理由もわかる)(逆にどうあるべきかも見える)
つまりですね、簡単に言えば「四季報を見て投資判断する時代は終わった」ということ。でも四季報は無駄という意味ではなくて、もっと大事なことがあってそれを重視しなくてはならないという意味。
この動画を見て何が得られるわけでもないけれど、「世界の動きを感じることは可能」で、そこは非常に大事だと思いました。
この動画の主は学者、専門家でもなく、動画の中に勘違いもあるし、これをそのまま受け入れるということではなくて、これをキッカケに「自分が知るべきことがわかる」と思いました。このユーチューブチャンネルは私にとっては非常に重要な「水先案内人」って感じ。
頭が固いと未来は見えないし、企業も同じで過去に縛られる企業は新しい世界では淘汰されるのでしょう。もちろん投資家も同じで、私のように「脱炭素社会なんてのは理想に過ぎない」なんて思っていると大変なことになるのかも。(笑)
ただし、その動きに全勢力を傾けたら危険だという考え方はを投資家として持つべきなのは間違いがなく、でも私達には「ヘッジ」という考え方、技術があるわけで、そして「乗り降りは瞬時に可能」だし、「追いかけるべきものを追いかける」けれど「逃げ道は確保する」という基本中の基本を忘れてはただの提灯担ぎでしかないはず。
こういう世界の大きな変化の時、私は「自分が事業家ではない」ことが良かったと思うんです。「次の世界を読み」「それに莫大な資金を投入していく難しさ」って半端じゃないですよね。
そういう意味では、トヨタは日本の屋台骨みたいな企業ですから頑張ってほしい。そして半導体王国だった日本が今は見る影もないような二の舞が起きないことを心底願っています。
見えない地下でゴゴゴゴゴと音を立てて、世界の地殻変動が起きているのを感じます。