日本はなぜ「もう終わった」と思うのか。若者は海外に目を向けたほうが良いと思う。

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私は何年も前から、「日本はもう終わった」と書き続けています。

そう思う理由、日本はどうあるべきか、人々はどうすればよいのか、その辺のことも書きたいと思うのですが、私の脳みそ、文章力ではそれをまとめることは不可能。

でも私が言いたいことを言っている「討論」がありました。

毎度の桜チャンネルの討論会ですが、コロナに関しても話されていて、それは「日本はもう終わった」というのと無関係ではなく、日本のダメさがコロナ対応にも出ているし、「日本がより悪くなるトリガーでもあるのがコロナ」ということだと思っています。

私達の年代は「精神論を中心に自助で頑張る」のが常識の世代。私は今でもやっぱりそう考えていて、「自分が頑張らなくてどうする」というのが根底にあります。

ただ私達の年代は「頑張ればどうにかなった世代」でもあるんですね。

ところが今の時代は「頑張っても環境が悪すぎる」「頑張っても無理」という面が大きくなっていると感じます。

ではどうあるべきかと言う前に、今、どうなっているのかの把握が必要で、まずはそこから。

このまま行けば、世界的にはアメリカや中国の数分の1の国力、アメリカや中国の「一つの州や省レベルの国、日本」になるのは【間違いがない】んですね。

この動画の中で話されている「若者の貧困層」の多さ。そして彼らの生活レベルは「もうすでに途上国と同等かそれ以下である」という指摘。この辺は日本を30年以上離れている私には見えないところだけれど、信じられないような話には時々出くわす。

GDPが増える国って、国民は普通に生活しているだけで豊かになるのね。これは過去の日本もそうだし、世界共通だと私は思う。でも伸びない国では富の奪い合いが起きるし、負け組が救われることはない。

高度成長期を生き、皆が中流意識を持って、豊かな日本を享受してきた私達の年代は「まさか」と思うけれど、事実はかなり酷いことになってる。

若い人は知らないと思うけれど、日本の「一人あたりのGDPはアメリカを超えた」こともあったんですね。そしてGDPもアメリカを超える時が来るかもしれないという予感もあった。ところが今ではその面影さえなく、日本の主要産業だったものがどんどん衰退している。

IMF発表の一人あたりのGDP。2020年。

OECDの発表では、韓国はもう日本を追い越した。

日本の「GDPが横ばい」なのは内需中心で頑張ってやっと維持している状態に思えるわけで、世界における日本の立ち位置はどんどん下がっている。「ものづくりの日本」は変わらないにしても、「部品供給しか出来ない、世界の下請け」と言って良いのかもしれない。

だから子供や若者に「頑張れ、どうにかなる」という言い方ってもしかしたら「かなり無責任」なのかもしれない。だって今の日本をこうなるように放置してきたのは私達の世代なんですから。自分たちが生きるのに一生懸命で大事なことを見過ごしてきたような気がします。

今の日本は「現状維持をするためだけに【一生懸命頑張る】時代」なのは間違いがない。当然、負け組はどん底に突き落とされる。

国も企業もあてに出来ない時代、子どもたちや若者に手を差し伸べるのはまさに我々世代の大事な仕事になるんじゃないですかね。「このまま逃げ切れるか?」と考えるのが私達の世代でもあるのだとは思うけれど、子供や若者をこのまま放置してはならないと思うのです。

国を、政治を変えれば・・・と思うけれど、そんなことはこの20年以上、言われ続けてきて今がある。

当然、その努力を止めるべきではないけれど、「今の時代に生きていくのが難しい人たちを【放置】してよい」とはならない。貧しい人たち、困っている人たちを助けるのは「政府や自治体の仕事だ」と考える人は多いと思うけれど、それではどうにもならないのがこの20年の歴史。

見ず知らずの人を助けようというのではなくて、「自分の子供、孫はどうなるのか?」という考え方が重要だと思うわけです。

日本の「サラリーマンの世界」では「子は社会に出て揉まれて学び育つ」と信じている人が多くいるようですが、私みたいに「商家」のバックグラウンドがあるとちょっと違うんですね。「学校や社会に出ても教えてくれない大事なこと」は「家で教える」のが普通。職人の「一子相伝」も同じで、中小企業の生き残り方を子供に教える、見せる家庭は多い。あるいは「帝王学」と言っては大げさだけれど、親の経験や知識、守るべきことを子に伝えるのは大事だと考える家庭も多い。

それと同じように我々世代は若者に伝えるべきこと、手助けできることもあるはずで、それをすべきだと思うんですよ。「お前はお前で頑張れ」と突き放してしまってどうにかなるような時代には、私には見えない。教育も同じで「義務教育、あるいは高校までは面倒見る。その先は自分でどうにかしろ」という家庭は今の時代、少ないのと同じ。

ましてや現代は「殺伐とした考え方」が増えているし、秘密主義、個人主義が発達し、「他人には口を出さない」「教えない」「助けない」のが普通で、昔みたいに「学ぶこと、経験すること」も難しくなっていると思うんですよ。企業にも「家族的なもの」を求めてはならない時代じゃないんですかね。

若者たちは「助ける人もなく放置されている」という認識が必要ではないかと思う。

パネリスト:
安藤裕(衆議院議員)
木村盛世(医師・一般社団法人パブリックヘルス協議会代表理事)
鈴木傾城(作家・アルファブロガー)
長尾たかし(衆議院議員)
三橋貴明(経世論研究所所長)
森永康平(経済アナリスト)
司会:水島総

 

ある左派の人達が、「ゼロ成長を前提に考えるべきだ」というのを聞いて、私は「こいつら馬鹿か」と思ったんです。人って「将来に夢があるから生きていける」と私は思うわけで、将来に希望を持たずに生きろなんてとんでもないと。ましてやご近所さんはみな発展しているんですから。

でも実際に、日本は変わること無く坂道を転げ落ち続けてきたわけで、これを変えなくてはならないと多くの人が言いながら何も変わっていない。

ということは「ゼロ成長を前提に考えるべきだ」というのが正しいということになるんじゃなかろうか。事実だけを見ると、そういう風に考えるのが良いのかもしれない。

でも「困っている人達を助けるための増税」は私は良いと思わない。そもそも税金の使い方に問題があって、それを是正しない限り意味がないと思っています。日本の構造そのものに問題があるのに、増税はもっと悲惨な状態になると思うんです。

実は今の若者はそんなことはとっくのとおに理解していて、それをわかっていないのは良い時代を生きてこられた我々の年代なのかもしれないと思ったり。

私は今のような日本を子供や孫たちに残したいとは思わないのだけれど、それとは別に、子供や孫たちを救う、手を差し伸べるのは私達にしかできないと思うんです。余裕がないとしても、夢も希望もない子どもたちを放置することは出来ない。

そして「日本を見捨てる」とは言いたくないけれど、「海外に真剣に目を向ける」ことも重要になるんじゃないですかね。私達は活動家でもないし、理想論を言っていれば生活できる評論家でもないし、そして「時間はどんどん過ぎるばかり」なので待つことは出来ない。

これは決して大それた考え方ではなくて、「地方に住み、そこで生活が厳しくなれば他の地方に移り住むのが当たり前」で、それが海外であっても全く何の問題もないと私は思う。

でもそれも「留学」とか「ちょっと移住してみる」とかいうのではなくて、一生、海外で住む気はなくても、考え方としては「完全なお国替え」を前提にした考え方が大事で、それに関してはこのブログにかなりしつこく書いてきたけれど、「その必要があった時には考える」のでは間に合わないのね。「移住体験」は簡単だけれど、「移住」はそう簡単にはいかない。

つまり海外で住むには「永住権か市民権が必ず必要」なわけで、MM2Hみたいな「単なる長期旅行ビザ」や「何か起きれば国外に出るしか無い【腰掛け】の就労ビザ」ではどうにもならないのね。当然、その国に根を張って家族とともに生きるには「社会保障、市民向けサービスを受ける権利の確保」が大事。だから永住権、市民権無しに海外で住むなんてのはお遊びでしかないと断言して良いと思います。「帰らないとならなくなれば帰ることができる人たち」は良いと思いますが、海外で10年、20年と仕事をし、家族とともに生き、突然「国外に出る」なんてことは不可能なのね。

それって、我々日本人が日本に住んでいるとして、「ある日ある時、国外にでろ」と言われるのと同じこと。←ここが重要。

海外に住んでいてセーフティーネットもなく、もし大病に掛かったり、仕事を失ったり、事業に失敗したらどうなります?その時には何十年そこで生活していようが、住み続けたいと願おうが、「永住権がなければ海外に出るしか無い」んじゃない?その地で育った家族も同じ。

子どもたちが成人した後のことも考えないとならないわけで、海外育ちの子供たちは成人したら自分でビザを取らないとならない。取れなければ国外に出るしか無い。またビザが取れても永住権がない場合は、常に「いつか海外に出なければならない」「社会保障はない」というプレッシャーと共に自分の家族とともに生きることになる。子供は子供の人生を選べば良いけれど、せめて「育った国の永住権」ぐらいは取っておいてやるのは、私は親の責任だと思う。

もし私達が日本に住んでいて、でも実は子どもたちは成人したら「日本に住み続ける権利がない」としたらどうなるか。それと同じこと。

だから本当に海外に目を向けるなら、永住権取得が計画の内に入っていないとならないわけで、「それはまだ先のこと」と思っているとどうにもならなくなる。永住権取得は簡単ではなくて、準備期間もそれなりに必要だから。

そして永住権があったら「そこに住まなくてはならない」わけでもなく、日本に帰る、他の国に移るのは自由。(ただし永住権の維持に関しては制約があるのが普通)

こういうことに関しては、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等に移り住もうと計画している人たちは(日本人だけではなく)世界にゴマンといるし、彼らから学ぶと良いと思う。彼らは本当に真剣に「永住権を取ろう」と考えているし、「それが取れなければ帰るしか無い」というのを知っているのね。

マレーシアに住んでいても、東南アジア、途上国の半端じゃない数の人達が「海外に出ようとしているのか」がわかりますが、私は日本もそういう日本になる可能性が高いと思うし、かつての日本もそうだったわけで、歴史は繰り返すのかと思ったり。

アメリカでもカナダ、オーストラリアでも、そこにどれほどの移住者がいるのかを見てみるのが良いと思うし、その人達はなぜ移住をしたのかをじっくり考えてみるのも良いと思います。そして「移住準備組」の多さも調べてみるとわかる。

「日本に帰らないつもり」と言うんじゃないんですよ。少なくとも「自分の意志に反して、追い出されないようにする」為には永住権は必須だということ。

ま、日本を出て海外に出るというのは一つの選択肢でしかないけれど、それを我が家も選んだわけで、オススメしたいとも思っています。

日本で働き続けるにしても、もしそれが安全安心の大企業、公務員だとしても、「収入は上がらない」という現実に目を向ける必要があると思うんです。儲けるのは企業であり、株主。これがこの20年、はっきりした傾向として出ているんですね。社員も会社と共に大きくなるなんてのは夢でしか無いと思う。そしてこれからは「大量に日本に入ってくる外国人」がライバルとなるのは間違いがない。

私達の時代は、「会社の利益を社員に還元する」のは当たり前だったけれど、今はもうそういう時代ではない。海外で起きている「貧富の格差が生まれる構造」がかつての日本にはなかったわけですが、今は、そういう日本ではなくなった。

今の日本の企業の多くは「世界を一つの市場として見る」のは常識で、かつてはほとんどなかったサービス業、飲食業の世界進出が目立つ時代。だからそういう企業でないと将来は頭打ちの危険性があるわけだけれど、その企業にいれば将来は大丈夫なのかという問題があると思う。

海外勤務に問題がなくても、「海外にはその地に優秀な人達がいる」のも忘れてはならないわけで、「日本企業の体質」もしっかり見極めないと危ないかもしれない。いつまでも「経営陣は日本人」という時代が続くわけがないし、その兆候はもう十分、出ているんじゃないですかね。

気がついたら「日本の本社」の経営陣が半数は外国人なんて言う時代も遠くはないと思う。

「世界に出て学ぶ」のではなくて、「世界を相手に戦う」つもりが重要だと思う。日本国内でも同じで、日本は大量の外国人を入れるように舵を切ったし、日本国内でも「安い給料で働く外国人」がライバルとなるのは間違いがないんじゃないですかね。そして彼らはどんどん育って日本人の職業を奪っていくはず。マレーシアみたいに「外国人をうまく使うノウハウは日本には無い」のがはっきりしていて、望むなら「日本に帰化するのも簡単」な日本ですし。こういう国がどうなるかは世界を見渡せばすぐわかるのに、私には日本の政治家は何も世界から学ばず、「とにかく外国人を入れること」しか考えていないように見えます。そしてそれが日本人のことなんか気にしていない「日本の経済界が望むこと」なんでしょう。

これは経済界が悪いのではなくて、そこまで切羽詰まっているというべきなのかもしれない。

そういう意味でも上に紹介した動画を見て、日本が今どういう状態にあるのかの認識が重要だと思うわけです。

日本の大企業、働く人達、株主の関係がどういうふうに変わってきたのかの図。「社員のための会社なんてもう存在しない」と考えるのが妥当。

また私は世界のGDPの変化を見るとゾッとするのですが、日本はこのまま行けば、「アジアの小国になる」のは間違いがない。

何よりもどうしようもないのが、日本には「世界戦略がない」し、国会を見れば政治家が将来の日本をまともに考えていないのもよく分かる。ただ「大企業を助ける」方向には動くとは思うけれど、国民に目は向いていない。そして強大で強力な「日本を仕切っている官僚組織」に誰も手を付けられないという点。戦後からの復興、高度成長期時代にはそれがうまく働いたものの、新しい時代に着いていけないまま日本の頂点に彼らが座している。これが私は日本の最大の不幸だと思っています。

だからそれぞれが自分の利益だけは確保しようと考えるしか無い日本になる。

日本は相変わらず世界最大の債権国だし、国民のタンス預金も100兆円を超えている大金持ちの国。でもそれは大企業やお金持ち、年寄りの話でしか無くて、若者は関係ない。そしてGDPが伸びない国で「仕事で成功し収入や資産を増やす」のは非常に難しいのを若者はしっかり自覚するべきだと思います。逆を言えば、かつての日本みたいに、GDPがどんどん伸びる国では「普通に生活しているだけで豊かになる」のね。

日本の政治家も経済界もなぜ中国を向いているのか、それはこれが根底にあるからだとも思っています。

私みたいな保守系の多くは「中国とは手を切れ」というけれど、「日本は遅かれ早かれ中国の経済圏に組み込まれる」と読み、それを前提としたら「今どうするべきか」は中学生でもわかるんじゃないですかね。安全保障より「まず、食うこと、儲けることが優先」なのは間違いがないはず。

「日本を捨てる」のではなくて、「日本のために海外に出て生き延びる」という考え方も重要だと思っています。

かつての日本軍人は「国のために死ぬ」と多くは考えたけれど、「日本の復興を担うのはお前たちだ。絶対に死ぬな」と言い続けた士官も少なくなかったという。

アイルランドの経済危機を救ったのは、かつて海外に出た多くのアイルランド人だったと聞いています。また今のイスラエルとユダヤ人の関係を考えてみるのも良いと思う。

少なくとも日本がモタモタしている間に、世界はどんどん成長しているというこの動きは変わらないと私は思う。

私がこういうことを書くと、「日本を捨てたくせに・・」と考える人は多いハズ。そういうコメントを今まで何度ももらったことがあるし。

でも歴史的に、日本国内でも人々は移動しながら新天地を求めて生きてきたわけだし、それが海外であっても全く問題がないし、世界にどれほどの数の「日系人が存在するのか」。また他の国の人達はどうやって生きてきたのか。

私は「日本人は日本に【住み続けること】に固執するべきとは全く考えていない」し、「故郷を離れたくない」という考え方もあるのは間違いがないものの、自分や家族の将来を考えた時に「生きやすい場所を常に探す」のは世界中の人が歴史的にやってきたこと。そもそも「国の成り立ち」がそうであって、日本でさえも日本に渡ってきた人達が作った国。

私は「自分が日本人であり続けるためにも、日本とともに沈むべきではない」と考えています。人は「貧すれば鈍する」のが常だから。そしてどこに住んでも私は日本を捨てる気はない。「母と子の関係」みたいに私は考えています。

今、フト、海外在住者に取って何が一番嬉しいことか、というのをあるオーストラリア人が言ったことを思い出しました。

The Best Thing About Being Away is Coming Home.(海外に出て一番素晴らしい出来事は・・・「帰郷」である)

私はいつか、「私は故郷に今、帰ってきた」という人生最大の喜びを得るために、海外に住んでいるのかもしれない。私がこの世を去る時には、母なる日本の腕の中で抱かれていたいと思う。

若いうちはこんなことを考えていたんですけどね~。

男児立志出郷関
学若無成不復還
埋骨何期墳墓地
人間到処有青山

男児志を立てて郷関を出づ
学もし成る無くんば死すとも還らず
骨を埋むる豈に惟だに墳墓の地のみならんや
人間到る処に青山有り

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